特集 腎盂・尿管癌診療—今の主流を知っていますか?
企画にあたって
腎盂・尿管癌診療—今の主流を知っていますか?
藤田 和利
1
1近畿大学医学部 泌尿器科学教室
pp.753
発行日 2026年9月20日
Published Date 2026/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038523930800100753
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腎盂・尿管癌は尿路上皮癌の約5%を占める比較的まれな腫瘍であり,膀胱癌と同じ尿路上皮癌に分類されるものの,生物学的に異なる側面を持つ可能性が示唆されています.近年,遺伝子異常や分子サブタイプに関する研究が進展し,腫瘍学的理解が深まる一方で,診断・治療にも大きな変化が訪れています.手術領域では,ロボット支援下根治的腎尿管摘除術が主流となりつつあり,さらに尿管鏡の性能向上により,腎機能温存を意識した低侵襲治療も現実的な選択肢となってきました.薬物療法においては,免疫チェックポイント阻害薬,抗体薬物複合体(ADC),FGFR阻害薬など,この数年で飛躍的な進歩がみられるものの,そのエビデンスの多くは膀胱癌を基盤としており,腎盂・尿管癌に特化した知見はまだ十分とはいえません.
本特集では,腎盂・尿管癌と膀胱癌との相違に注目しつつ,分子生物学的理解から外科治療,腎温存戦略,薬物療法の最新エビデンスに至るまで,診断と治療の進歩を幅広くアップデートしています.臨床医が実地診療に直結して活用できる知識を整理し,腎盂・尿管癌診療の一助となれば幸いです.

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