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English
特集 腎疾患の診断と治療 最前線
VI.各論5:泌尿器疾患(診断と治療)
3.腎盂・尿管癌
Upper urinary tract urothelial carcinoma
中根 慶太
1
,
古家 琢也
1
Nakane Keita
1
,
Koie Takuya
1
1岐阜大学大学院医学系研究科生体管理医学講座泌尿器科学分野
キーワード:
上部尿路上皮癌
,
腎盂癌
,
尿管癌
,
upper urinary tract urothelial carcinoma
Keyword:
上部尿路上皮癌
,
腎盂癌
,
尿管癌
,
upper urinary tract urothelial carcinoma
pp.418-423
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001641
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1 はじめに
1 腎盂・尿管癌とは
尿路は腎盂,尿管,膀胱,尿道で構成される。腎盂,尿管は上部尿路,膀胱,尿道は下部尿路と定義され,それらの内腔は尿路上皮が連続的に被覆している。腎盂・尿管癌は,上部尿路上皮癌とも呼ばれ,腎盂・尿管の尿路上皮より発生する悪性腫瘍である。腎盂・尿管癌の発生頻度は,全尿路上皮癌の5~10%とされ,比較的稀である1)。わが国での癌統計によると,2020年における人口10万対年齢調整罹患率は,腎盂癌では1.4,尿管癌は1.2であり,性差は,腎盂癌で男性2.1,女性0.7,尿管癌では男性1.7,女性0.7である2)。わが国での腎盂および尿管悪性新生物による年次死亡数は,2015年に1,976人と1,935人,2020年には2,297人と2,356人といずれも増加傾向である2)。腎盂・尿管は下部尿路である膀胱・尿道と連続性があり,腎盂・尿管癌の患者では,膀胱内に尿路上皮癌が再発する頻度は高く,また,同時性に膀胱癌を認める場合もある3)。
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