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図譜 泌尿器科病理組織図譜・6
腎盂癌および尿管癌
CARCINOMA OF RENAL PELVIS AND URETER
田崎 寛
1
,
坂口 弘
2
Hiroshi Tazaki
1
,
Hiroshi Sakaguchi
2
1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室
2慶応義塾大学医学部病理学教室
1Department of Urology, School of Medicine, Keio University
2Department of Pathology, School of Medicine, Keio University
pp.486-487
発行日 1970年6月20日
Published Date 1970/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413200936
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〔解説〕腎盂癌,尿管癌ともに組織学的には同一の移行上皮癌がほとんどである。組織学的には分化した型が多いにもかかわらず,生物学的には悪性度が高い。今回の2例はともにGrade IVであるが,第1例は細胞のatypismが強いが,浸潤は管内性てある。第2例は細胞のatypismが比較的低いにもかかわらず,壁内浸潤の型をとりそれぞれ特徴を示している。Newmanら1)は59例の腎孟尿管癌中の7例(12%)に,McIntyreら2)によれば40例の尿管原発腫瘍のうち8例(20%)に膀胱壁への浸潤ないし再発を認めている。また染料工場の職業性癌の場合,尿管の腫瘍で,膀胱部分切除を同時に行なったものの10%に膀胱粘膜のin situ car-cinomaがあるといわれる3)。したがって腎盂尿管の癌では,腎尿管全剔術と同時に膀胱部分切除を施行することの重要性が認識される。
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