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あとがき
村上 善則
pp.390
発行日 2026年8月15日
Published Date 2026/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770040390
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感染により生じるがんを特集させて頂いた。個々の疾患,病因の理解に加え,感染によるがんの制御の全体像を把握することも必要と考えたからである。有難いことに,優れた疫学総論に続く各稿には,病原体と病因,予防・診断・治療法,患者さんの立場等,各疾患に特徴的な内容に加え,執筆者の方々の感染と疾患制御への強い思い入れが示されている。最後のまとめは用意していないが,制御の全体像を読者各位で感じ,考えて頂きたいと願っている。
私自身は長年,がんの遺伝子,ゲノム研究に携わってきたが,感染症研究は常に身近にあった。卒業後の短い期間,消化器内科に所属し,非A非B肝炎からC型肝炎ウイルスが同定されるのを見聞きした。後年奉職した東京大学医科学研究所は,北里柴三郎博士以来の旧伝染病研究所で,活発な感染症研究に刺激を受け,タイの肝吸虫による胆道がん制御の研究に参加した。この20年,現地での肝吸虫・胆道がん撲滅の取り組みの飛躍的な発展を目にしたのが,本企画の発端である。

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