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あとがき
村上 善則
pp.194
発行日 2026年4月15日
Published Date 2026/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310770020194
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今回は,「Igスーパーファミリー:機能と病態」というテーマで特集を組ませていただきました。編集委員として初めての企画です。神経,上皮,免疫,発生など様々な局面で重要な機能を担い,その異常が多彩な疾患に関係するIgSF分子群ですが,それ自体を主役として俯瞰する試みは,ほかに多くはみられません。実際,専門領域としても確立されておらず,今回,編集にあたり御高名でも初めて御連絡を差し上げ,御執筆をお願いした先生方もおられましたが,皆様,素晴らしい論文を御寄稿いただき,改めて深謝申し上げます。
私はがん抑制遺伝子CADM1の研究で,1998年ごろからIgSF分子群に関わり始めましたが,NCAM,ICAM-1などの分子が華々しくデビューして一段落し,結晶解析へ進む前の時期で,遺伝子欠損マウスが正常に生まれる分子なんてと軽く扱われたこともありました。しかし,神経,がんなどの幅広い研究者によって地道に研究が展開され,成人の疾患への関与も見いだされ,最近では免疫チェックポイントを担う分子群として大きな脚光を浴びていて,感無量です。今回御執筆いただいた先生方はもとより,これまで本領域を導いてくださった先生方にも厚く御礼申し上げたいと思います。ただ,まさに第一人者としてIgSF研究を長年牽引され,御指導をいただきました大阪大学・神戸大学名誉教授の高井義美先生が,本特集の編集中に惜しくもお亡くなりになられたことは哀痛の極みです。心より哀悼の意を表し,本誌をお捧げしたいと思います。

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