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あとがき
栗原 裕基
pp.284
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760030284
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今回は“顔”をテーマに,全く異なる分野の研究を一堂に会し,これまでになかった斬新な学際的特集を組もうと企画した。ところが,企画を進めていくなかで,既に「日本顔学会」という存在があることを初めて知った。詳しくは会長を務められている阿部恒之先生の総説に紹介されているが,「時代は顔学だ:等身大の学術を目指し,まずは集団的ダヴィンチ科学へ」というのが学会のスローガンだそうである。「メイク・感性」,「開発・応用」,「似顔絵・イメージ」,「外見・美」,「知覚・認知」といった内容は,まさに既成の枠組みを超えた学際交流の場であることを象徴しているようである。この学会の先見性に脱帽すると共に,知らずにいた自らの不明を恥じる次第である。本特集がその活動に新たな息吹を吹き込み,更に発展されること,そしてご執筆いただいた先生方の間でも新たなネットワークが広がることを期待したい。
本号では,特集企画のほかに,藤田克昌先生にクライオラマン散乱顕微鏡,平理一郎先生に広視野2光子顕微鏡と,新しい細胞イメージング技術を紹介していただいた。こうした最先端の研究紹介が,これまで馴染みの少なかった多くの研究者の目にもとまり,新しい可能性が開かれることもまた,大いに期待したい。

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