増刊号 眼科診療のピットフォールあるある—対応スキル爆上げのヒント
9.涙道・涙腺疾患
先天鼻涙管閉塞—必要な検査と診断のコツ
岡戸 聡志
1
1国立病院機構名古屋医療センター眼科
キーワード:
涙道閉塞
,
先天鼻涙管閉塞
,
涙道内視鏡
,
涙囊鼻腔吻合術
Keyword:
涙道閉塞
,
先天鼻涙管閉塞
,
涙道内視鏡
,
涙囊鼻腔吻合術
pp.266-271
発行日 2025年10月30日
Published Date 2025/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037055790790110266
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はじめに
涙道は上下涙点から始まり,鼻涙管の下鼻道への開口部まで至る,涙液が通過する管状の構造である。涙道閉塞では,涙道を構成する部位のいずれかに先天的な要因や加齢,結膜炎などの感染症や眼表面の炎症性疾患,腫瘍,薬剤や外傷などの外的要因などによって閉塞を生じることで,流涙や眼脂などの症状をきたす1)。涙道閉塞は小児から高齢者まで幅広い年齢層で発症し,日常的に診療することも多いが,なかには非典型例もあり,正確な診断や必要時に専門施設への紹介を行うためにも,適切な診察や検査が求められる。本稿では先天鼻涙管閉塞を取り上げ,初診時からの対応について具体的な症例を挙げながら概説する。

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