綜説
Minds先天鼻涙管閉塞診療ガイドライン:ガイドラインは目標でなく出発点
佐々木 次壽
1
1佐々木眼科(福井県)/金沢大学眼科学教室
キーワード:
先天鼻涙管閉塞
,
涙嚢マッサージ
,
プロービングの至適タイミング
,
涙道内視鏡
,
先天涙嚢瘤
,
弱視との関連性
Keyword:
先天鼻涙管閉塞
,
涙嚢マッサージ
,
プロービングの至適タイミング
,
涙道内視鏡
,
先天涙嚢瘤
,
弱視との関連性
pp.533-537
発行日 2025年6月5日
Published Date 2025/6/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000004179
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近年,他科や眼科他分野のガイドライン(GL)や診療の手引きの刊行が増加している。日本涙道・涙液学会も2022年にMedical Information Distribution Service(Minds)形式「先天鼻涙管閉塞診療ガイドライン」1)を作成した。Minds形式は,どの分野でも共通の方法で作成され,担保された情報の信頼性と新規性を備えたQ&A形式であり,利用価値が高い。また本GLは眼科医以外の医療従事者や患者の保護者にも理解しやすい非専門家向けサマリもあり,一般公開もされているので紹介元の小児科医やその保護者は本GLを読了後受診していることが多い。しかしながら実際の臨床ではGLのとおりにならない場合もあり,プロービングの詳細などGL以上の知識や手技が専門医には必要になってきたと理解すべきであろう。眼科医は本GLを参考に医療施設の状況,医師自身の経験,患者や保護者の価値観などを考慮し,保護者と協働して診療を行っていただきたい。本稿では本GLのサマリやその背景,GL刊行後に出た有益なエビデンスを紹介したい。

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