連載 新型コロナウイルス感染症のパンデミックをめぐる資料、記録、記憶の保全と継承—「何を、誰が、どう残すか」を考える・12【最終回】
ダイヤモンド・プリンセス号新型コロナ集団感染事故から5年—当事者から考える記録と検証の状況
平沢 保人
1
1ダイヤモンド・プリンセス号集団感染事故の検証を求める全国連絡会
pp.1118-1122
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890121118
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はじめに
筆者らは「ダイヤモンド・プリンセス号集団感染事故の検証を求める全国連絡会」を4年前(2021年)に立ち上げた。連絡会共同代表を千田忠と平沢(筆者)らが務め、現在まで活動を続けている。連絡会の名称にあるように、本会は、当時ダイヤモンド・プリンセス号(以下、DP号)で発生した新型コロナウイルス感染症の集団感染事故の検証を求めることを活動としており、日本政府、DP号運航会社等に対して、当時の情報開示と検証を求めている。しかし、いまだに情報開示、検証ともに積極的な対応は見られず、まるで「このままやり過ごしたい」とでもいうような状況が続いている。
一方、連絡会として独自検証をすべく活動も始めたが、厚生労働省など当時の関係機関からの資料収集、さらには事故の当事者である筆者らがあのとき経験し、記録した画像・動画などの保存、収集はまだ十分な形でできていない。

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