連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史SEASON 2・6
近代日本における精神医療・政策の従事者—優生保護法下における優生手術への精神科医の関与
後藤 基行
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.1123-1126
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890121123
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はじめに
現在の精神保健医療福祉に関与する専門職、あるいは関連職種は非常に多岐にわたっている。筆者の担当する連載第4回からは、近代日本の歴史において精神医療・政策に関わってきた幾つかの職種に注目しつつ紹介してきた。第4回では、近世から明治期における精神病概念の誕生、そしてそれに関連する職種としての精神病学者・精神病医、看護人、衛生警察などの登場を概説した(本誌連載89巻10号)。第5回は戦後の精神衛生法(1950〜1987年)下における強制入院の実際、およびその政策関与者の概要と広がりについて見た(本誌連載89巻11号)。第6回となる今回は、これまで十分明らかになっていなかった優生保護法(1948〜1996年)下における強制不妊手術への精神科医の関与を、最近の研究成果も参照しつつ示したい。

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