霞ガ関だより
集団事故などに対する救急医療対策について
高平 政衛
1
1厚生省医務局総務課
pp.96-97
発行日 1965年10月1日
Published Date 1965/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202690
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わが国における産業・経済・科学の発展は,国民の生活環境の向上に寄与するとともに,一方では社会事象の複雑化,交通事情の悪化などの諸因による不慮の事故の驚異的な増加をきたし,なかでも,一瞬にして多数の人命を損傷する集団事故--三河島,鶴見の列車衝突事故,川崎市における昭和電工爆発事故,三井鉱山など相つぐ炭鉱爆発事故,等々--の非惨なニュースの数々は,いまだ世人の記憶に新しいところである。
これらの事故発生時における救急医療活動は平常時の体制では処理できず,臨時に応急の体制をとる関係上,万全の対策がたてられていたとはいいがたく,被害者および治療に従事した医師などから,とかくの批判を受けることも多く,適切な処理が直接の当事者のみでなく,政府にも強く要望されるにいたったのである。
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