連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史SEASON 2・5
近代日本における精神医療・政策の従事者—戦後期における精神衛生行政
後藤 基行
1
1立命館大学大学院先端総合学術研究科
pp.1021-1023
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890111021
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
現在の精神保健医療福祉に関与する専門職、あるいは関連職種は非常に多岐にわたっている。本連載では、近代日本の精神医療・政策に関わってきた幾つかの職種に注目しつつ、広義の公衆衛生的な見地から紹介していく。前号の第4回においては、精神疾患が瘋癲(ふうてん)や癲狂(てんきょう)と呼ばれていた近世から、明治期における精神病概念の誕生、そしてそれに関連する職種としての精神病学者・精神病医、看護人、衛生警察の登場について概観した。今回は戦後昭和期、特に精神衛生法(1950〜1987年)下における入院制度、公衆衛生と精神医療の関係、およびその政策関与者の概要と広がりについてみていきたい。

Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

