扉
零戦
松本 圭蔵
1
1徳島大学脳神経外科
pp.547-548
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201321
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現在の日本の繁栄は世界的驚異ともいわれるが,われわれにとってはありがたいことである.また,ある意味ではわれわれ自身,今日の日本の繁栄への一翼を担ってきたともいえよう.戦いに敗れ,しかもその後発展したという国は史上極めて稀であろう.しかし,『断絶の時代』の著者ピーター・ドラッガー氏が「日本よ驕るなかれ」と警告しているごとく,手放しで喜んでばかりはいられない問題も多い.
日米間の生産性の逆転をとりあげたニューヨークのNBCのテレビ番組"If Japan can, why can't we ?"が米国中の話題を呼び,日本のテレビでもとりあげられたことをご記憶の方もあろう.敗戦当時は「乞食の日本人」「精神年齢12歳の日本人」といわれたわれわれであった.政治・経済・教育・文化等あらゆるものを舶来として憧憬の念をもって欧米先進国から学び,これに追いつき追い越せと走りつづけてきた.
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