映画の時間
—最後の人生を生き抜くために必要なのは、愛と抱擁、ちょっとした秘密—秋が来るとき
桜山 豊夫
pp.562
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.036851870890060562
- 有料閲覧
- 文献概要
今月は、『焼け石に水』『8人の女たち』『スイミング・プール』などを手掛けてきたフランス映画の巨匠フランソワ・オゾン監督の新作『秋が来るとき』をご紹介します。
舞台は、フランスのブルゴーニュ。ワインの産地としても有名です。主人公のミシェル(エレーヌ・ヴァンサン)が教会のミサに参列しているところから映画は始まります。神父は、説教の中でマグダラのマリアに触れています。説教の後で、ミシェルはカトリックの秘跡(サクラメント)とされる聖体拝領を受けています。ミシェルが敬虔なカトリック教徒であることを示唆する場面でもあります。また、説教の主題となっている「マグダラのマリア」については、映画の後半に明らかになってくるある秘密とも関わってきます。
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.