特集1 看護教育DXを進めるためのビジョンと構築
―学生が自らの意志で学びをデザイン!―ポートフォリオとPBLで実践する人間中心の教育DX
渡邉 和子
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1国際ティビィシィ小山看護専門学校
pp.276-280
発行日 2025年6月25日
Published Date 2025/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.004718950660030276
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はじめに
国際ティビィシィ小山看護専門学校(以下、本校)では、次世代教育クリエーター、未来教育ビジョナリーの第一人者である鈴木敏恵先生監修のプロジェクト学習(Project Based Learning:PBL)とポートフォリオを2018年から本格的に導入しました[図1]。自己の考えを明確に持ち、自律的に行動できる点で高く評価されており、外部講師や実習先の看護管理者からも「主体的に学ぶ国際ティビィシィ小山看護専門学校の学生をぜひ採用したい」との声が寄せられています。こうした人間的成長は、卒業後の職場定着率の高さにも表れています。
COVID-19が始まった2020年にはデジタル教科書[図2]の導入に踏み切り、以来、国家試験の合格率は常に全国平均を上回っています。また、学年という垣根を超えて互いに得意なことを教え、学び合う学生たちの姿がみられることも本校では日常の光景です。
こういった学生たちが自ら学ぶ姿勢を支えているのが、DXで実現したデジタルポートフォリオや、さまざまな人と時空を超えてつながるCo-Creation(共創)で展開するPBLです。
本稿では、①ウェルビーイングを実現する3つのPBL(看護教育DXの実践事例)、②大切なものに気づくカリキュラムストーリーおよび教員の声、③学び続ける人を育む未来志向の看護教育へ、の3つのセクションから、本校の「ポートフォリオとPBLで実践する人間中心の教育DX」について紹介します。

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