特集 精神科×内科—患者と家族を支えるために知っておきたい見えない“こころ”のこと
終末期の患者とのかかわり方
がんを経験するということ—医療者に求めたいコミュニケーションと態度
天野 慎介
1,2
1全国がん患者団体連合会
2グループ・ネクサス・ジャパン
キーワード:
全人的な苦痛
,
トータルペイン
,
shared decision making
,
SDM
,
コミュニケーション技術研修会
,
CST
,
多職種連携
,
第4期がん対策推進基本計画
Keyword:
全人的な苦痛
,
トータルペイン
,
shared decision making
,
SDM
,
コミュニケーション技術研修会
,
CST
,
多職種連携
,
第4期がん対策推進基本計画
pp.1084-1088
発行日 2025年6月10日
Published Date 2025/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990620071084
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Point
◎がん患者が抱える苦痛は,身体的な苦痛,精神心理的な苦痛,社会的な苦痛,そしてスピリチュアルペインの「4つの苦痛」による「全人的な苦痛(トータルペイン)」があるとされ,多様な苦痛と悩みを有している.
◎がん患者には「shared decision making(SDM)」に基づく「意思決定支援」が必要であり,その基礎は「情緒的サポート」「適切な情報の提供」「精神症状への医学的な支援」である.
◎コミュニケーション技術は「非言語的コミュニケーション」と「言語的コミュニケーション」に大別され,コミュニケーションにかかわるガイドラインや,コミュニケーション技術研修会(CST)も開催されている.
◎主治医が患者とコミュニケーションを取ることができる時間が減少しているなかで,多職種連携に基づく患者支援の重要性が増しており,がん経験者によるピアサポートや情報提供を行う患者団体や支援団体も含まれる.
◎国の第4期がん対策推進基本計画では,「がん診断後の自殺対策」の推進として拠点病院における取り組みと,「高齢者のがん対策」として高齢のがん患者やその家族などの意思決定に係る取り組みの推進が記されている.

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