Japanese
English
特集 「実感と納得」に向けた病気と治療の伝え方
不眠症
Insomnia
高江洲 義和
1
Yoshikazu Takaesu
1
1琉球大学大学院医学研究科精神病態医学講座
1Department of Neuropsychiatry, Graduate School of Medicine, University of the Ryukyus, Okinawa, Japan
キーワード:
不眠症
,
insomnia
,
睡眠薬
,
hypnotics
,
共同意思決定
,
shared decision making
,
SDM
,
出口戦略
,
discontinuation
Keyword:
不眠症
,
insomnia
,
睡眠薬
,
hypnotics
,
共同意思決定
,
shared decision making
,
SDM
,
出口戦略
,
discontinuation
pp.1721-1727
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206498
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抄録 不眠症治療において汎用されているベンゾジアゼピン受容体作動薬の長期・多剤使用は臨床現場で問題となっており,診療ガイドラインでも不眠症状の改善後は減量・中止を目指す出口戦略が重要視されている。一方で,睡眠薬長期服用者の減量・中止は容易ではないため出口戦略の実装化は十分にはなされていない。また,すべての睡眠薬服用者が減量・中止を目指していくことは現実的ではなく,安全な維持療法を目指していくことも出口戦略の一つの選択肢となる。しかしながら,睡眠薬長期服用者の継続・中止をどのような基準で決めていくのかについては明確なエビデンスが存在しないため,その意思決定は個別の患者で益と害を勘案して決めていくことが必要となる。睡眠薬の継続・中止の意思決定には,医療者と患者がともに意見を話し合い決めていく共同意思決定(SDM)を用いることが望ましいと考える。我々は,共同意思決定の補助資材(decision aid)を開発して,睡眠薬出口戦略の実装化を目指している。
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