特集 未来型デジタル健康活躍社会の到来と日本版看護診断
Ⅰ 未来型デジタル健康活躍社会と看護診断の活用
医療DXの進展と新たな看護学研究のあり方
黒田 裕子
1
1湘南鎌倉医療大学大学院看護学研究科
pp.503-507
発行日 2025年12月15日
Published Date 2025/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580060503
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はじめに
活力ある健康活躍社会を築く上で,デジタル化とデータサイエンスを前提とする医療・介護DXの推進は,国民一人ひとりの健康・生命を守り,今後の医療等の進歩のための基盤となるものとされている(厚生労働省,2024年8月30日)註1。
このような中,看護においてもDX,つまり単に紙媒体を電子化するだけでなく,デジタル技術を活用して業務プロセスや仕組みそのものを根本的に再構築し,新しい価値を創出する試みが開始されている。わが国が重要施策として掲げる「医療DX令和ビジョン2030」では,「全国医療情報プラットフォーム創設」や「電子カルテシステム情報の標準化」など,医療提供における質の均てん化や患者サービスの向上に向けた検討が開始されている(厚生労働省,2025年3月)註2。
このような背景を受け,本稿は医療DXの進展と新たな看護学研究のあり方というテーマを与えられた。しかしながら,筆者は医療DXを得意としているわけではなく,本特集は日本看護診断学会用語検討委員会より端を発した企画である。そのために本稿は看護診断に関連する新たな看護学研究の提案という視点から筆者なりに考えたことを取り上げることとしたい。

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