特集 臨床,政策・行政,学術の協働でめざすナーシングデータサイエンス
巻頭言:臨床,政策・行政,学術の連携によるナーシングデータサイエンスの推進
林田 賢史
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1東京大学大学院医学系研究科社会連携講座ナーシングデータサイエンス講座
pp.408-409
発行日 2025年10月15日
Published Date 2025/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580050408
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近年,デジタル化の進展と医療財政における課題を背景に,エビデンスに基づく政策形成(Evidence Based Policy Making:EBPM)が社会全体で不可欠なものとなっています。特に医療分野では,匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)や診断群分類包括評価(DPC)データといったリアルワールドデータ(RWD)を活用した研究が活発に行われています。
しかし,看護分野はRWDそのものがまだ十分に整備されておらず,その活用や研究を担う人材育成も発展途上で,政策形成に貢献する確かなエビデンス創出が喫緊の課題となっています。こうした状況を打開するため,2025年1月1日,東京大学と公益社団法人日本看護協会が連携し,東京大学大学院医学系研究科に社会連携講座「ナーシングデータサイエンス講座」を設立しました。本講座では,現場の課題をデータに基づいて解決するRWD研究の推進と,看護分野でのデータサイエンス人材育成を通じて,看護実践と看護政策の発展に貢献することをめざしています。
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