特集 スコーピングレビュー/レビュースタディの報告ガイドライン
レビュースタディのための報告ガイドライン
PRISMA-CI[AHRQ Series on Complex Intervention Systematic Reviews—Paper 6: PRISMA-CI Extension Statement & Checklist]
西川 裕理
1
,
山縣 千尋
2
1杏林大学保健学部看護学科
2東京慈恵会医科大学医学部看護学科
pp.206-211
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580020206
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ガイドラインの概要
複雑性介入のシステマティックレビューに関するガイドラインはGuiseら(2017a)によって報告されており,システマティックレビューの設計や実施において考慮すべき点などが紹介されている(表)。本稿ではその論文をもとに,複雑性介入の背景やレビューを実施する際のポイント,PRISMA-Complex Interventions(以下,PRISMA-CI)について,様々な論文を用いて解説する(Butler et al., 2017; Guise et al., 2017a; Guise et al., 2017b; Guise et al., 2017c; Kelly et al., 2017; Pigott et al., 2017; Viswanathan et al., 2017)。
単純に見える介入であっても,個々の特性や社会的決定要因,医療提供システム,および介入自体の複雑な相互作用によって,介入は影響を受けることが多い,という認識が高まっている。文献レビューに含まれる研究に複雑さ(complexity)はあったが,レビューを行う研究者はこの複雑さを単純化しようとした。しかし,レビューから公表された介入を採用(適応)することに関心のある人々は,複雑な事象を単純化する姿勢は,介入が実行可能かどうか,そして彼らの状況において,彼らの集団においてどの程度,そしてどのくらいの費用で機能しそうなのかを理解するための重要な詳細を除外してしまっているのではないかと感じるようになった。

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