特集 スコーピングレビュー/レビュースタディの報告ガイドライン
レビュースタディのための報告ガイドライン
PRISMA-ScR[PRISMA extension for Scoping Reviews]
新田 汐里
1
1宮崎大学医学部看護学科
pp.190-193
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580020190
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ガイドラインの概要
スコーピングレビュー(Scoping Review:以下,ScR)は,特定の研究領域における既存の知識の全体像を整理し,研究のギャップを特定することを主な目的とした文献レビューの手法である(Arksey & O'Malley, 2005)。システマティックレビュー(Systematic Review:以下,SR)のように厳密な研究の質評価を必須とせず,探索的かつ包括的に文献を収集・整理し,研究の動向を概観することに重点を置くため,予備的な検討のために用いられることもある(Levac et al., 2010; Munn et al., 2018)。
ScRの透明性を確保するため,SRの報告基準であるPreferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses statement(以下PRISMA声明)の拡張版として,本稿で紹介するPRISMA extension for Scoping Reviews(以下,PRISMA-ScR)が開発された(Tricco et al., 2018)。PRISMA-ScRでは,レビューの実施方法,検索戦略,文献選定基準,データの抽出方法を詳細に報告することが求められている。これにより,ScR で得られた結果の信頼性が高まり,エビデンスの統合や新たな研究の発展に寄与することが期待される。

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