特集 スコーピングレビュー/レビュースタディの報告ガイドライン
レビュースタディのための報告ガイドライン
PRISMA-S[an extension to the PRISMA Statement for Reporting Literature Searches in Systematic Reviews]
眞喜志 まり
1
1慶應義塾大学医学部公衆衛生学教室
pp.194-197
発行日 2025年4月15日
Published Date 2025/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002283700580020194
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ガイドラインの概要
PRISMAを改訂したPRSIMA2020とほぼ同時期に発表されたPRISMA-Sは,システマティックレビュー(以下,SR)チームが実施したレビューを明確かつ透明性と再現性をもって報告することを支援するもので,SRの検索過程の報告に焦点を当てている。しかし,SRだけではなく他のタイプのKnowledge synthesis(以下,KS)の報告時にも適用可能なもので,PRISMA2020およびそのほかPRISMA Extensions(以下,PRISMAファミリー)を補足する,検索に特化した報告ガイドラインである。もちろんスコーピングレビュー(以下,ScR)の報告時にも適用できる。PRISMA 2009年版と比較すると,検索に使用したデータベース(以下,DB)や情報源すべてについて,フィルターや制限も含めた完全な検索戦略の報告を推奨とするなど,検索についても重要な変更があった。そして,図書館員や情報検索の専門家(以下,司書)だけではなく,KSに関わるすべての人に向けたものである。
KSの重要な要素の1つである文献検索は,評価対象となるデータを取得する重要なプロセスで,レビューの結果に影響を及ぼす。そのため,どのDBやリソースを使って,どのような条件で文献を取得したのか,検索戦略を最適なものにするべく検索戦略の査読を受けたかなど,検索プロセス全体を正確に再現可能な形で報告するサポートをするガイドラインがPRISMA-Sである。

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