Derm.2025
業界自主規制の影響と学会現地参加の魅力
吉田 憲司
1
1東邦大学医学部皮膚科学講座(大森)
pp.93
発行日 2025年4月10日
Published Date 2025/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002149730790050093
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近年,製薬業界による自主規制が強まり,講演会や勉強会の開催が難しくなったり,当初の開催趣旨とは異なる内容に変更せざるを得ないケースが増えています.特に,企業が主催・共催する講演会では,発表前に必ずスライドチェックが入り,講演内容に一定の制約が生じます.一方で,皮膚科学会総会や各支部学術大会等における教育講演では,スライドチェックがないため,演者の意思やオリジナリティーが反映された講演となり,より自由度の高い,興味深い内容に触れられる機会が多いと感じます.また,企業がスポンサーに付きにくい疾患においても学会では扱われるため,幅広く学ぶことができます.学会開催形式がWEB開催から現地開催のみに戻りつつあります.現地参加の場合,単に画面越しに講演を聞くよりも緊張感をもって臨むことができるだけでなく,他の参加者との情報交換を通してモチベーションの向上にも繋がります(むしろ,この対面での交流こそが,現地学会に参加する最大のメリットかもしれません).インバウンド需要によって主要都市では宿泊費が高騰しているといった課題はありますが,学会参加は自己投資でもあります.現地に足を運び,やる気と知識を仕入れに行きましょう.
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