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社会保険旬報 №2934
《論評》 『令和初頭における診療報酬改定の変質:「経済学的」アプローチ』尾形裕也
社会保険研究所
電子版ISBN
電子版発売日 2024年7月21日
ページ数 42
判型 B5
印刷版ISSN 1343-5728
印刷版発行年月 2024年7月
書籍・雑誌概要
《論評》 『令和初頭における診療報酬改定の変質:「経済学的」アプローチ』尾形裕也
令和に入ってからこれまで3回の診療報酬改定が実施され、直近の令和6年度改定は、6年ぶりの介護報酬等との同時改定であった。診療報酬改定の具体的な内容については、(筆者を含め)すでにその都度さまざまな論評が公表されてきている。令和4年度及び令和6年度改定については、特に医療従事者の賃上げが大きな課題であったことは間違いない。これは岸田内閣における「成長と分配の好循環」という基本的な政策路線の、医療政策における反映であったと考えてよいだろう。
本稿の目的は、そうした具体的な改定内容について論評することではない。私見では、診療報酬改定というわが国の医療政策における重要な政策ツールのあり方について、近年大きな2つの変更(改定プロセスの変質及び診療報酬の基本的性格の変質)が行われてきているが、こうした問題についてはあまり意識的に取り上げられ、論じられることはなかったように思われる。本稿は、そうした診療報酬改定のあり方の変貌について、「経済学的」な視点から考察することを目的としており、その点に論文として多少の新規性が見込めるものと考えている。なお、筆者は現在、中央社会保険医療協議会(中医協)の分科会(入院・外来医療等の調査・評価分科会)会長を務めているが、以下の論考はまったく筆者の私見であり、中医協分科会等の見解ではないことは言うまでもない。
目次
《視点》 郡市区医師会単位の地域包括医療計画を
《座標》 新型インフル等対策行動計画を決定/地域共生社会検討会議が初会合
《座標》 健保連が特定健診等の実施状況を公表/高齢者の定義は「75歳以上」が適切
《論評》 『令和初頭における診療報酬改定の変質:「経済学的」アプローチ』尾形裕也
《動向》 『被用者保険の適用拡大へ国保側が懸念―医療保険部会が議論』
《全世代型社会保障への道筋》 『勤労者皆保険政策と国保制度の将来』山﨑泰彦
《随想―視診・聴診》 『時期外れの渡り鳥』高山哲夫
《潮流》 中医協が医療DX推進の評価を議論
《潮流》 厚労省が5年診療行為別統計を発表
《潮流》 支払基金が5年度診療報酬確定状況
《潮流》 かかりつけ医の1号機能報告で合意
《潮流》 地域包括医療病棟の調査結果を発表
《潮流》 7年度医学部臨時定員の配分を確認
《潮流》 外保連が働き方改革の影響を報告
《潮流》 MRの販売情報提供活動を監視
《NEWS》 マイナ保険証利用時の課題への対応策を提示 ほか
《経済スコープ》
《編集室 ワードカプセル》 「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」