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ひとと植物・環境
療法として園芸をつかう
筆頭著者 山根 寛 (編)
その他の著者等 澤田みどり
青海社
電子版ISBN
電子版発売日 2022年6月13日
ページ数 230
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-902249-37-8
印刷版発行年月 2009年5月
書籍・雑誌概要
植物という「いのち」とのかかわりは、植物が生きる時間や自然など環境とのかかわりでもある。その「しずかな命」とのかかわりを養生や療養生活の環境として、また育てるという積極的な行為をリハビリテーションのひとつとしてもちいることができる。
本書は、ひとと植物・環境の時空を、「リハビリテーションは生活」「ひとが補助具に」を提唱する作業療法士と、「ひとに優しき緑の指」で園芸療法の種を蒔き、育もうとする園芸療法士とがコラボレートし、生きる営みとして、生活を取り戻す手だてとしての植物と環境の豊かさの解き明かしに挑んだものである。
園芸療法の専門はもちろん、作業療法、理学療法、その他、リハビリテーションや広く活動を利用する専門家、そして植物や環境に関心のあるすべての方々にお勧めする。
目次
プロローグ-しずかな命とのかかわり
1 療法としての園芸とは
1・1 生活と植物
1・1・1 病いの床に一輪
1・1・2 しずかな命
1・1・3 ヒトと植物
1・2 健康と生活
1・2・1 治療と療養
1・2・2 養生と保健
1・3 園芸と療法
1・3・1 園芸療法
1・3・2 園芸福祉
1・3・3 園芸活動
1・3・4 環境としての植物
1・4 療法としての園芸
1・4・1 園芸療法の定義
1・4・2 園芸療法の位置づけ
1・5 療法としての分類
1・5・1 受動的療法
1・5・2 能動的療法
2 植物をもちいる療法の歩み
2・1 その昔
2・2 園芸療法の源流-作業療法の歴史と共に
2・3 欧米における園芸療法
2・3・1 療法としてのルーツ
2・3・2 戦争と園芸療法
2・3・3 専門職の誕生と育成
2・4 日本における園芸療法
2・4・1 作業療法の一環としての農耕・園芸
2・4・2 園芸療法のはじまり
2・4・3 園芸療法士の育成
2・5 新たな動きと課題
3 ひとと植物
3・1 植物の特性
3・1・1 植物-しずかな命
3・1・2 動物-うごく命
3・1・3 植物と動物-共に生きる
3・1・4 ひとと植物
3・2 農耕と園芸
3・2・1 農耕-文明のはじまり
3・2・2 園芸-文化と共に
3・3 作物-植物の恵み
3・3・1 作物の分類
3・3・2 農作物
3・3・3 園芸作物
3・4 植物の利用
3・5 人間の欲求と園芸
3・6 日本人と植物
3・6・1 日本の自然と自然観
3・6・2 日本人と園芸
3・6・3 日本人と花
3・6・4 日本人と稲作文化
3・7 地球システムにおける植物との共生
4 植物をもちいる療法の構造
4・1 療法としての構成要素と構造
4・1・1 植物をもちいる療法の構成要素
4・1・2 療法の構造
4・1・3 植物をもちいる療法の対象関係
4・2 道具-植物と園芸用具・用品
4・2・1 植物の育ち
4・2・2 植物の実り
4・2・3 園芸用具・用品
4・3 活動-ひとと植物・園芸活動
4・3・1 育てる
4・3・2 過ごす
4・3・3 感じる
4・3・4 採 る
4・3・5 使 う
4・3・6 委ねる
4・4 環境-自然・場・人
4・4・1 自然-植物が育つ環境
4・4・2 場と人-植物がつくる場,植物を通したかかわり
5 療法としての園芸の効用
5・1 環境面における効用
5・1・1 心理的効用
5・1・2 物理的効用
5・2 精神機能面における効用
5・2・1 植物そのものの効用
5・2・2 園芸という行為の効用
5・2・3 園芸における身体活動の精神面への効用
5・3 感覚運動機能面における効用
5・4 食用・薬用としての効用
5・5 心理社会機能面における効用
5・6 他の療法と何がちがうのか
6 植物をもちいる療法の適用と対象
6・1 療法としての適用と対象
6・1・1 園芸の適用
6・1・2 回復状態と園芸の適用
6・1・3 療法としての対象
6・2 健康や障害のとらえ方
6・2・1 生活機能と障害
6・2・2 3つの障害への対処
6・3 精神障害-こころの病いと園芸
6・3・1 精神障害の原因
6・3・2 精神障害の特性
6・3・3 精神障害と園芸
6・3・4 主な精神疾患と園芸の適用
6・4 身体障害-からだの病いと園芸
6・4・1 身体障害の原因
6・4・2 身体障害の特性
6・4・3 身体障害と園芸
6・4・4 身体障害にともなう問題と園芸の適用
6・5 発達障害-そだちの障害と園芸
6・5・1 発達障害の原因
6・5・2 発達障害の特性
6・5・3 発達障害と園芸の適用
6・6 老年障害-老いと園芸
6・6・1 老年障害の原因
6・6・2 老年障害の特性
6・6・3 老年障害と園芸の適用
6・7 更正対象-踏み外した道と園芸
6・7・1 更正対象の原因
6・7・2 更正対象の特性
6・7・3 更正対象と園芸の適用
6・8 教育支援-そだちの支援と園芸
6・8・1 教育支援とは
6・8・2 教育支援と園芸の適用
7 評価とプログラム
7・1 手 順
7・2 評 価
7・2・1 いつ何を評価するのか
7・2・2 評価の手段とコツ
7・2・3 対象者の自己評価
7・3 プログラム
7・3・1 何に気をつけるか
7・3・2 目標の設定
7・3・3 プログラム立案
7・3・4 プログラムのチェック
7・4 記 録
8 始めてみよう
8・1 園芸療法の位置づけと自己点検
8・1・1 園芸療法はどこでだれが?
8・1・2 園芸療法の意義と位置づけ
8・1・3 園芸療法部門の自己点検
8・1・4 セラピスト自身の自己点検
8・2 安全面の検討と配慮
8・3 植物について
8・3・1 植物の選択
8・3・2 植物の手入れ
8・4 いろいろな園芸活動
8・5 作業の説明
8・6 用具と資材
8・7 場所と設備
8・7・1 室 内
8・7・2 屋上やベランダ
8・7・3 温 室
8・7・4 畑
8・7・5 ガーデン
8・7・6 実際の配慮
8・7・7 場所のメンテナンス
8・8 スタッフ
8・8・1 セラピストの資質
8・8・2 ボランティアの活用
8・9 他部門・他施設との連携
8・10 非常勤もしくは初めての施設で始める場合
9 植物をもちいる療法の実際
9・1 一般的な用い方
9・1・1 日常生活動作の機能向上のために
9・1・2 職業訓練・就労支援のために
9・1・3 認知症と園芸療法
9・2 とらわれない園芸
9・2・1 借景園芸(別名路上観察学会)
9・2・2 ワイングラス園芸
9・2・3 ビタミンCをとろう会
9・2・4 大根の花を楽しむ会
9・2・5 旬を喰う会
9・2・6 道ばたの草の会(雑草盆栽)
9・2・7 春を待つ会
9・2・8 桜の木にカボチャを
事 例
事例について
事例1 庭が育む地域のつながり-都市地域での活動と試み
事例2 地域で生まれたもうひとつの居場所-山間地域での活動と試み
事例3 働く場の提供-知的障害者施設での活動と試み
事例4 土地の植物をもちいた交流-精神障害者施設での活動と試み
事例5 主体性を取りもどす-精神科病院での活動と試み
事例6 ひとがひとらしく最後まで-介護老人施設での活動と試み
事例7 生きがいをもたらす園芸療法-高齢者施設での活動と試み
付 表
1.園芸療法初期評価時記録用紙
2.園芸活動経験・興味調査
3.園芸活動遂行特性評価表およびチェック表
4.園芸活動参加行動特性表
5.園芸活動効果判定表およびチェック表
6.園芸療法自己評価表およびチェック表
7.園芸療法グループプログラム表
8.園芸療法プログラム計画表
9.園芸療法プログラム評価表
10.園芸療法日誌(個人)
11.園芸療法部門自己点検表
エピローグ-旅立つ
牽 引