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ひとと作業・作業活動 新版

作業の知をとき技を育む

ひとと作業・作業活動 新版
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筆頭著者 山根 寛 (著)

三輪書店

電子版ISBN

電子版発売日 2022年1月31日

ページ数 290

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-89590-504-6

印刷版発行年月 2015年3月

DOI https://doi.org/10.18937/9784895905046

書籍・雑誌概要

「ひとにとって作業とは」、「ひとが作業するとは何か」、をあらためてとらえなおした作業療法の指針となる一冊

ひとのくらし(生活)に視点をあてた初版からの基本的な考えを踏襲しながら、非侵襲的な脳機能測定の進歩、社会脳などへの作業研究の広がり、地域生活支援時代の作業療法、積み重ねられた筆者の臨床経験から見えてきた知見・視点を反映し、「ひとにとって作業とは」、「ひとが作業するとは何か」、をあらためてとらえなおした作業療法の指針となる一冊。

目次

目 次
新版プロローグ
序章

1 作業とは
 1・1 作業の定義
  1・1・1 語源
  1・1・2 作業・活動・作業活動・生活行為
  1・1・3 定義がむずかしいoccupational therapyの手段
 1・2 作業の分類
  1・2・1 従来の分類 
  1・2・2 「ひととくらし」という視点
  1・2・3 生活行為という視点
 1・3 生活行為-目的と意味のある作業
  1・3・1 生活の維持-いきる・くらす
  1・3・2 仕事と役割-はたらく・はたす
   1) そのむかし,仕事と遊びは
   2) 労働の誕生
   3) 役割について
   4) 仕事と役割に関連する作業
  1・3・3 遊びと余暇―あそぶ・たのしむ
   1) 遊びと余暇
   2) 遊びの変遷
   3) 遊びと余暇に関連する作業
  1・3・4 参加と交流-まじわる・ひろがる
  1・3・5 回復と熟成-やすむ・みにつく

2 ひとと作業
 2・1 ひとの進化・生活と作業
  2・1・1 ひとの進化と作業
   1) エッツィたちの残したもの
   2) ヒト化hominizationへの道
   3) 道具を使うようになったヒト
  2・1・2 ひとの一生と作業
   1) 乳児期~学童期-遊びから学びへ
   2) 青年期-性的変化と自分探し
   3) 成人期-自己をつくる
   4) 老年期-衰えと統合
   5) 超高齢期-???
  2・1・3 くらしと作業
 2・2 脳と作業
  2・2・1 ヒトの脳と作業
  2・2・2 脳のしくみと作業
   1) 増えない脳細胞は作業が活かす
   2) ニューロンのネットワーク
   3) 脳のなかにできる地図
  2・2・3 脳のはたらきと作業
   1) リンゴを描く―脳と身体のシステム
   2) 学習とニューロンのネットワーク
   3) ニューロン,シナプスと作業活動
 2・3 手と作業
  2・3・1 ヒトの手と作業
   1) 手は人間固有の道具
   2) 手と脳
  2・3・2 手のしくみと作業
   1) 手首から先の手
   2) 前腕
   3) 肩関節と上腕
  2・3・3 手のはたらきと作業
 2・4 身体と作業
  2・4・1 身体の発達と作業
  2・4・2 身体の意識と作業
   1) 身体図式と身体像
   2) 身体が意識されるとき
   3) 身体が意識されないとき
  2・4・3 身体と作業,そして脳
   1) 感覚情報のフィードバック
   2) 内部情報と外部情報
   3) 知覚のカテゴリー化
  2・4・4 「ともにある身体」の確かめ
 2・5 こころと作業
  2・5・1 こころと脳
  2・5・2 こころの発達
  2・5・3 こころのしくみと作業
 2・6 学習と作業
  2・6・1 「しる」「ならう」「してみる」
  2・6・2 「まねる」「くりかえす」「なれる」
  2・6・3 「わかる」「できる」ネットワーク
  2・6・4 「あらわす」「だす」―学習の確認
 2・7 コミュニケーションと作業
  2・7・1 コミュニケーションのしくみ
  2・7・2 言語機能と作業
   1) 直接情報がイメージ情報になる過程
   2) 胎児期から蓄積される直接情報
   3) 伝達手段の基礎情報

3 作業の知
 3・1 作業のクオリア
  3・1・1 作業がアフォードするもの
 3・2 作業と結果の特性
  3・2・1 意味性-価値,意味をともなう
   1) 社会的価値や意味
   2) 個人的価値や意味
   3) 作業の結果はその人自身
  3・2・2 目的性-目的に導かれる
  3・2・3 具体性-過程,結果があきらか
  3・2・4 投影性-気持ちがあらわれる
 3・3 ひとが作業すること
  3・3・1 能動性-意志がはたらく
  3・3・2 身体性-からだを使う
   1) からだをほぐしてこころをほぐす
   2) 衝動を身体エネルギーで発散
   3) 繰り返しがもたらすこころの安らぎ
   4) 五官を開き,五感に聴く
   5) 「からだで覚える」表象形成
  3・3・3 操作性-素材,道具をもちいる
  3・3・4 没我性-我をわすれる
 3・4 ともに作業すること
  3・4・1 共有性-体験をともにする
 3・5 作業がつくる場の力
 3・6 作業の知

4 作業と生活機能
 4・1 生活機能の構成
  4・1・1 国際生活機能分類ICF
  4・1・2 生活機能の臨床的枠組み
 4・2 作業遂行と統合生活機能
  4・2・1 作業遂行と心身機能および身体構造
  4・2・2 作業遂行と活動機能
  4・2・3 作業遂行と参加機能
  4・2・4 作業遂行と背景因子
 4・3 作業遂行と統合認知機能
  4・3・1 統合認知機能と感覚の発達

5 作業を分析する
 5・1 作業分析の歴史
  5・1・1 初期の作業療法において
  5・1・2 還元主義の影響
   1) 問われた科学性
   2) 還元主義的手法による分析
  5・1・3 あらたな統合にむけて
   1) 近代医学の陥穽
   2) 本質への回帰
  5・1・4 作業分析の目的
  5・1・5 作業分析の種類
   1) 包括的作業分析
   2) 限定的作業分析
   3) 作業の分類分析
  5・1・6 作業分析の方法
 5・2 包括的作業分析
  5・2・1 包括的作業分析の目的
  5・2・2 包括的作業分析の方法
   1) 作業の選択
   2) 自己の身体性を利用
   3) 代償機能と段階づけ
   4) 各要素の相互性
  5・2・3 包括的作業分析の項目
   1) 基礎項目
   2) 運動機能
   3) 感覚・知覚・認知機能
   4) 道具・素材
   5) 作業過程・作業結果(もしくは作品)
   6) 交流・コミュニケーション
   7) リスク
  5・2・4 包括的作業分析の例
 5・3 限定的作業分析
  5・3・1 理論・モデルによる分析
   1) 精神療法モデルにおける作業分析
   2) 集団療法モデルにおける作業分析
   3) 認知療法モデルにおける作業分析
   4) 神経心理学モデル(もしくは認知-知覚モデル)における作業分析
   5) 生体力学モデルにおける作業分析
   6) 運動コントロールモデルにおける作業分析
   7) 感覚統合モデルにおける作業分析
  5・3・2 生活機能別作業分析
  5・3・3 対象別作業分析
  5・3・4 対象別作業分析の例(精神障害領域)
  5・3・5 対象別作業分析の例(身体障害領域)
  5・3・6 対象別作業分析の例(発達障害領域)
  5・3・7 対象操作に関する分析
 5・4 その他の分析

6 作業の技
 6・1 作業の利用
  6・1・1 目的として利用
  6・1・2 手段として利用
  6・1・3 場としての利用
 6・2 作業の選択
  6・2・1 対象者個人の特性(personal meaning)
  6・2・2 作業の特性
  6・2・3 ひとと作業の相互作用
  6・2・4 環境の特性
  6・2・5 治療・援助の特性
 6・3 ことばと作業
  6・3・1 ことばによるかかわり
  6・3・2 作業によるかかわり
  6・3・3 ことばを活かす作業,作業を活かすことば
 6・4 社会脳と作業療法
  6・4・1 社会脳と社会的認知機能
  6・4・2 社会脳と社会適応行動
  6・4・3 社会脳と作業療法

7 技を育む
 7・1 作業が活きる条件
  7・1・1 好奇心-行動のエネルギー
  7・1・2 意志・意欲-主体性と能動性
  7・1・3 適切な自分の状態-基本的な心身のありようの整え
  7・1・4 行動をともなう-「ああ,そうか」体験
  7・1・5 よいパートナー-他者の評価と知覚のカテゴリー化
  7・1・6 好ましい環境-人・物・場・社会・文化
  7・1・7 好ましい経験との照合
  7・1・8 成功体験-失敗させないことより失敗に終わらせない
  7・1・9 よりよい体験
 7・2 作業で伝える
  7・2・1 伝わらないとき
  7・2・2 「つたえ」「つたわり」の要素
   1) 言語体系の特性
   2) 非言語体系の特性
  7・2・3 「つたえ」「つたわり」の基本
   1) 刺激に対する反応を観る
   2) 相手の非言語情報を聴きとる
   3) 自分の非言語サインを知る
   4) 自分に生まれる構えを整える
   5) 生活史のなかで蓄えられた情報を活かす
  7・2・4 五感の共通性,共有体験,類似体験
  7・2・5 物の扱いを通して気持ちを伝える
  7・2・6 ことばを活かす
   1) 具体的な身体感覚を通して話す
   2) ことばを物として手渡す
   3) 相手が理解できることばで話す
   4) 教示のタイミング-いつふれるか
 7・3 かかわり
  7・3・1 かかわりの基盤
   1) 五官を開き,五感に聴く-かんじる
  7・3・2 準備と導入-であい・はじまり
   1) 相手に合わせたオリエンテーション
   2) 責任をとる誘い方
   3) 一度目の出会いより二度目,三度目
  7・3・3 観察と面接,評価―みる・きく・しる
   1) 事実は一つ,内的現実は人の数だけ
   2) 問題の背景を知る
   3) 目の前の相手に聞く
   4) 見えるまま・聞こえるまま
  7・3・4 治療や援助-かかわる・ささえる
   1) 準備はだれがする?
   2) 目標,情報の共有-主役はあなた
   3) ふれること,ふれないこと
   4) 作業をしない作業療法
   5) 時間の提供-共にいる
 7・4 作業療法士にとってもっとも重要な役割は?

8 未完の章
 8・1 ふたたび「描く」という作業を通して
  8・1・1 臨床の場で考えたこと
  8・1・2 「描く」という作業
   1) ひとが「描く」システム
   2) 「描く」作業の表現様式
   3) 描画の表現特性
  8・1・3 「描く」ことの作業分析
  8・1・4 臨床への応用
   1) 精神認知機能面への応用
   2) 感覚運動機能面への応用
   3) よりよい体験としての応用
 8・2 「描く」ことの応用1:共同連想描画法
  8・2・1 方法
  8・2・2 描画に見られる現象と効果
  8・2・3 適応対象
  8・2・4 いくつかのコツ
   1) スタッフの参加
   2) 課題の決定
   3) 参加者の人数
   4) 1回1つの約束
 8・3 「描く」ことの応用2:私がモデル,皆ピカソ
  8・3・1 方法
  8・3・2 適応対象
  8・3・3 いくつかのコツ
   1) スタッフの参加
   2) 描画用具
   3) 描画内容と後の話
   4) 作品の扱い
 8・4 その他の作業に関して

付表
1 包括的作業分析チェックリスト
2 限定的作業分析チェックリスト(精神障害領域の例)
3 限定的作業分析チェックリスト(身体障害領域の例)
4 限定的作業分析チェックリスト(発達障害領域の例)
5-1 共同連想描画(Group Association Drawing)記録用紙
5-2 共同連想描画(Group Association Drawing)グループ分析表
5-3 共同連想描画(Group Association Drawing)個人経過分析表

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