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対症療法の強化書 頻用薬の使い方と非薬物療法

対症療法の強化書 頻用薬の使い方と非薬物療法
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筆頭著者 家 研也 (編著)

聖マリアンナ医科大学川崎市立多摩病院総合診療内科

金芳堂

電子版ISBN

電子版発売日 2025年4月12日

ページ数 425

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-7653-2040-5

印刷版発行年月 2025年4月

DOI https://doi.org/10.50910/9784765320405

書籍・雑誌概要

本書は病因に対応した根本治療のない病態に対して「患者さんに我慢をさせない」「とりあえず、漫然との対症療法を卒業する」ための知識とスキル向上に特化した、文字通り対症療法の強化本となります。

対症療法総論、風邪診療、作用機序から考える痛みへの対症療法、コモンな神経症状、メンタルヘルス不調、コモンな呼吸器・アレルギー症状、コモンな消化器系症状、泌尿器系症状、婦人科系症状、臓器を特定できない症候への対症療法など全10部で構成されており、それぞれ、エキスパートたちの実践智やプライマリ・ケア現場で役立つコンテンツが収録されています。

病因に対応した根本治療がないときでも、病態を正しく理解し、基礎的な薬理学(薬のメカニズム)を理解したうえで処方を行えるように、慢性疼痛に対する認知行動療法的アプローチの基礎など非薬物療法のエッセンス、東洋医学や漢方、リハビリ・運動療法処方など、対症療法の「引き出し」を可能な限り盛り込みました。ぜひ、「患者さんに我慢をさせない」「とりあえず、漫然との対症療法を卒業する」ための日常診療のレベルアップにご活用ください。

目次

巻頭言

≫ コラム1:「対症療法」という言葉がもつ社会的な意味

PART1 対症療法総論
1 原因療法と対症療法
はじめに
1 対症療法の起源
2 診断学と治療学
3 原因療法と対症療法の関係性

2 知っておきたい臨床薬理学の基本と薬剤効果の多因子性
1 臨床薬理学を定義する要素
2 疾病の進行をモデル化する
3 対症的薬剤の効果を臨床薬理学的に表現する
4 臨床薬理学においてプラセボ効果をどう考えるか?
5 治療効果とプラセボ効果の比較
6 薬剤効果の多因子性を考える
7 Effectivenessを形作るもの
8 対症療法におけるプラセボ効果の大きさ

3 対症療法におけるEBMの考え方
はじめに
1 EBMの考え方
2 エビデンスレベル
3 なぜRCTが最もエビデンスレベルが高いとされるのか
4 エビデンスレベルとエビデンスの質
5 対症療法におけるエビデンスの考え方
6 対症療法におけるEBMの実践

4 ポリファーマシーに配慮した処方戦略
はじめに
1 対症療法とポリファーマシー
2 対症薬と予防薬
3 効かないならやめる/効いたらやめる
4 やめやすい薬とやめにくい薬
5 しまい忘れ処方とclinical inertia(臨床的惰性)
6 具体的なアプローチ
おわりに

5 ジェネラリストが知っておくべき心理療法のエッセンス
1 心理療法とは
2 心理療法の基本的原則
3 治療的自己(therapeutic self)
4 患者や家族に対する心理教育
5 支持的精神療法
6 転移と逆転移
7 認知療法・認知行動療法
8 リラクセーション法(呼吸法、漸進的筋弛緩法、自律訓練法)
おわりに

6 医学的に説明困難な症状へのアプローチ
1 MUS患者が受診したら
2 どのように聞くべきか(MUSかどうか不詳な段階)
3 必要な医学的評価を実施する
4 医学的評価の結果を説明する
5 継続外来におけるMUSへの対応
おわりに

7 MUSの対症療法
1 MUSとは何か
2 ある回復事例を通じて
3 医療化せずに「つらさ」「しんどさ」に対処することは可能か
4 卓越したジェネラリスト診療とは何か
5 MUSの対症療法を改めて考える

8 東洋医学的アプローチ
はじめに
1 総論
2 各論
おわりに

≫ コラム2:漢方薬の錠剤について

≫ コラム3:出したい漢方薬が近隣の薬局に在庫がないとき

9 リハビリテーションの視点を活かした症状緩和
1 リハビリテーションとは
2 国際生活機能分類(International Classification of Functioning Disability and Health:ICF)
3 リハビリテーションのアプローチ
4 リハは根本治療? 対症療法?
5 診察室でもできるリハとは?
6 腰痛への介入
おわりに

PART2 風邪診療における対症療法の使いどころ
1 小児のかぜ症候群への対症療法
1 対応の原則
2 病歴聴取・診察
3 治療
4 患者説明のポイント
おわりに

2 成人のかぜ症候群への対症療法
1 成人のかぜ症候群の病態および診断
2 成人のかぜ症候群への対症療法薬
3 その他の対症療法
4 患者へ説明の処方
おわりに

3 抗アレルギー薬の使い所と使い分け
1 抗アレルギー薬の薬理学
2 抗アレルギー薬の使い分け

PART3 作用機序から考える痛みへの対症療法
1 解熱・鎮痛薬
1 NSAIDsとアセトアミノフェンの薬理学的特徴
2 代表的な解熱鎮痛薬の特徴
3 想定すべき有害事象
4 使い分けのコツ
5 処方開始の注意点と患者説明
6 処方中止を検討するタイミング

2 オピオイド鎮痛薬
1 作用機序
2 薬剤ごとの特徴
3 想定すべき有害事象
4 使い分けのコツ
5 処方開始時の注意点と患者説明
6 処方中止を検討するタイミング

3 神経障害性疼痛治療薬
1 作用機序
2 薬剤ごとの特徴
3 想定すべき有害事象
4 使い分けのコツ
5 処方開始時の注意点と患者説明内容
6 処方中止を検討するタイミング

4 腰痛症へのアプローチ
1 対応の原則
2 病歴聴取・診察
3 治療
4 患者説明のポイント
おわりに

PART4 コモンな神経症状への対症療法
1 慢性頭痛への対症療法
はじめに~片頭痛の疫学
1 片頭痛の病態
2 片頭痛診断の流れ
3 片頭痛の治療
おわりに~患者への説明のポイントとフォローアップの注意点~

2 めまいへのアプローチ
はじめに
1 めまいの診断
2 疾患ごとの特異的治療
3 めまい症に対する対症療法
おわりに~患者への説明のポイントとフォローアップの注意点~

3 認知症へのアプローチ
はじめに
1 認知症の定義
2 代表的な認知症の分類
3 診断と鑑別
4 治療
5 将来への展望
おわりに

PART5 メンタルヘルス不調への対症療法
1 不眠症
はじめに
1 不眠症治療の原則
2 睡眠薬の適正処方
3 睡眠薬の安全な減薬方法
4 患者説明のポイント
5 専門医へ紹介すべきタイミング
おわりに

2 不安・うつへの対症療法
1 正常な反応と異なるうつと不安について
2 プライマリ・ケアでうつ病と不安症を診療する際の留意点
3 うつと不安に対する薬物療法
4 薬物療法以外の治療と患者説明の留意点
5 専門家へ紹介すべきタイミング

PART6 コモンな呼吸器・アレルギー症状への対症療法
1 慢性咳へのアプローチ
1 対応の原則
2 病歴聴取・診察
3 検査
4 咳嗽治療薬
5 原因別の治療
6 原因不明の咳嗽、難治性の咳嗽について
7 慢性咳嗽の診療スタンスと患者への説明

2 慢性呼吸器疾患における喀痰治療薬の使い方
1 対応の原則
2 喀痰の原因診断
3 喀痰治療の原則
4 喀痰治療薬
5 原因疾患別の治療法
6 喀痰に対する診療スタンスと患者への説明

PART7 コモンな消化器系症状への対症療法
1 消化性潰瘍治療薬(PCABも含めて)
1 作用機序
2 各薬剤の比較
3 副作用
4 適応病態
5 処方開始時の注意点と患者説明内容
6 処方中止を検討するタイミング

2 制吐剤・消化管運動機能改善薬
1 制吐剤・消化器運動機能改善薬の機序
2 各種薬剤の特徴
3 有害事象
4 各種薬剤の適応病変
5 末梢性ドパミンD2受容体拮抗薬の使い分け
6 処方開始時の注意点と患者への説明内容
7 処方中止を検討するタイミング

3 便秘症へのアプローチ
はじめに
1 便秘診療の原則
2 病歴
3 検査
4 治療を考えるうえで重要な病態生理
5 治療
6 副作用への対応
7 患者説明のポイント
おわりに

4 機能性ディスペプシア
1 対応の原則
2 病歴聴取・診察
3 検査
4 治療
5 患者説明のポイント
おわりに

5 過敏性腸症候群(IBS)へのアプローチ
はじめに
1 IBS患者の病態生理
2 病歴・身体診察をもとにした診療の流れ
3 検査
4 治療
5 患者説明のポイント
おわりに

PART8 泌尿器系症状への対症療法
1 尿失禁への対症療法
1 尿失禁とは
2 尿失禁の診断
3 尿失禁の治療
4 治療開始時の患者説明内容
5 フォローアップの注意点
6 専門医への紹介
7 まとめ

2 排尿困難への対症療法
1 排尿困難を生じる病態
2 排尿困難の診断
3 排尿困難の治療
4 治療開始時の患者説明内容
5 フォローアップの注意点
6 専門医への紹介
7 まとめ

PART9 婦人科系症状への対症療法
1 妊娠・授乳中のくすり
1 妊娠編 総論
2 妊娠編 各論 安全に使えるものだけピックアップ
3 授乳編 総論
4 授乳編 各論

2 月経困難症へのアプローチ
1 対応の原則
2 病歴聴取・診察
3 治療
4 患者説明のポイント
おわりに

3 更年期障害
はじめに
1 更年期障害の診断
2 更年期障害の薬物療法
3 更年期障害の非薬物療法
4 患者教育と検査・治療開始時の説明の例
おわりに

PART10 臓器を特定できない症候への対症療法
1 「あちこちが痛い」、「疲れやすい」へのアプローチ
1 線維筋痛症と慢性疲労症候群
2 線維筋痛症(FM)
3 筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)

2 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(倦怠感)へのアプローチ
1 当院のデータ
2 コロナ罹患後症状の倦怠感
3 コロナ罹患後症状の倦怠感を疑う症状
4 対応の原則
5 病歴聴取・診察・検査
6 治療、患者説明内容
7 フォローアップの具体的な方法について
8 症例提示
まとめ