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帝王切開の強化書

帝王切開の強化書
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筆頭著者 吉田 好雄 (監)

金原出版

電子版ISBN 978-4-307-80134-8

電子版発売日 2019年1月14日

ページ数 184

判型 B5

印刷版ISBN 978-4-307-30134-3

印刷版発行年月 2017年11月

DOI https://doi.org/10.18888/9784307801348

書籍・雑誌概要

帝王切開における基本手技から、応用手技である底部横切開法、腹膜外帝王切開、帝王切開時子宮摘出術まで、術式のコツをわかりやすく解説。手術手技の紹介のみに留まらず、その細部に至るまでを徹底的に分析、考察した、まさに“考える帝王切開”の指南書である。福井大学において長年培われた帝王切開術のノウハウが凝縮された本書は、研修医から熟練医まで、すべての産科医が納得できる1冊となった。

目次

■第1章 通常の帝王切開

I はじめに 
II 通常の帝王切開の実際
術式の概要
術式の図解 
III 通常の帝王切開のポイント 
腹壁切開のコツ(1) ―恥骨結合を越えて―
腹壁切開のコツ(2) ―意識するのはど真ん中―
腹壁切開のコツ(3) ―メス刃の曲線を意識する―
腹壁切開のコツ(4) ―皮下脂肪の中央を切る―
安全な腹膜切開 ―腸管損傷を確実に避ける―
膀胱剥離は常在戦場 ―気持ちは常に前置癒着胎盤―
子宮筋層切開 ―very lowから入る意味―
大切な目印 ―子宮筋層マーキングの有用性―
子宮筋層切開(1) ―大胆に―
子宮筋層切開(2) ―0.5mm下の胎児の顔を思い浮かべて繊細に―
胎児娩出 ―“速ければ良い”は間違い―
胎盤娩出 ―自然に委ねることの大切さ― 
子宮筋層縫合(1) ―アンバランスな子宮筋―
子宮筋層縫合(2) ―効いてくる目印―
子宮筋切開創の縫合の最適解は?
子宮筋切開創の縫合法 ―二層縫合の利点―
膀胱子宮窩腹膜縫合の意義 
癒着防止材の使用について考える 
閉腹操作 ―すべての臓器、すべての組織を元あった形に戻す―
IV おわりに 


■第2章 早産児の帝王切開

I はじめに 
黒幕を炙り出せ ―陰に隠れる感染への対応― 
II 早産児の帝王切開の実際 
術式の概要 
術式の図解 
III 早産児の帝王切開のポイント 
早産児のストレス軽減のために 
子宮筋層切開の工夫 ―JかUかTか― 
幸帽児での胎児娩出を目指す ―Be born with a caul (lucky cap)!― 
術後血腫を作らないための工夫(1) ―筋層縫合は二層を絶妙の力加減で― 
術後血腫を作らないための工夫(2) ―子宮収縮薬― 
抗菌薬投与 ―あらゆる手段で黒幕を叩け!― 
感染性貯留液の排出 ―腐ったミカンは排除する―
効果的なドレナージ法を目指して 
帝王切開術後モデルの臨床へのフィードバック 
手術創(腹腔内)洗浄はドグマか 
IV おわりに 


■第3章 子宮底部横切開法

I はじめに
子宮底部横切開法は、あくまでも“last resort”!
II 子宮底部横切開法の実際
術式の概要
術式の図解 
III 子宮底部横切開法のポイント 
なぜ子宮底部を横切開するのか(1) ―胎盤を避けることの意味― 
Wardの手法とその限界 ―そして子宮底部横切開法の開発― 
なぜ子宮底部を横切開するのか(2) ―子宮底部の筋層は、体部の筋層よりもずっと薄い― 
なぜ子宮底部を横切開するのか(3) ―子宮の血流を意識すると、横に切りたくなる―
なぜ子宮底部を横切開するのか(4) ―驚異の子宮収縮:子宮底部を切っているのに子宮下方の胎盤が見える―
なぜ子宮底部を横切開するのか(5) ―子宮下部(下節)を切らない意味― 
どのように子宮底部を横切開するのか(1) ―胎盤辺縁(上縁)の描出― 
どのように子宮底部を横切開するのか(2) ―子宮筋層切開時の様々な工夫― 
子宮頸部からの膀胱剥離(1) ―天下分け目の関ケ原―
子宮頸部からの膀胱剥離(2) ―地獄の門が開かぬように、日々のトレーニングを―
二期的手術の捉え方 ―退くこともまた勇気― 
ターニケットの有用性 
胎盤剥離の前に行う様々な工夫 
胎盤剥離の前にできること(1) ―見ればわかる肉眼所見の重要性― 
胎盤剥離の前にできること(2) ―術中超音波検査のもう1つの意味― 
胎盤剥離後の確認は慎重に
止血操作の様々な工夫(1) ―U字縫合― 
止血操作の様々な工夫(2) ―Bakuriバルーンの使用― 
子宮筋層縫合 ―長所が短所にもなる子宮収縮―
次の妊娠への備え(1) ―子宮の再縫合手術―
次の妊娠への備え(2) ―術後管理の重要性― 
さらなる工夫 ―羊水の除去(愛仁会高槻病院)― 
IV おわりに 
すべての手術操作を落ち着いて行えることの意味


■第4章 腹膜外帝王切開

I はじめに
腹膜外帝王切開の登場と変遷 ―今なぜ、腹膜外なのか― 
腹膜外帝王切開の歴史と筆者らが目指すもの 
II 腹膜外帝王切開のトレーニング
一般開腹手術時に行うトレーニング ―腹横筋膜・腹膜・膀胱・中臍靱帯の解剖を知る―
トレーニング手技の実際 ―パワーソースの活用―
トレーニング手技の概要 
トレーニング手技の図解
トレーニング手技の有用性 ―膀胱を自在に扱う―
III 腹膜外帝王切開の実際 
トレーニング手技との相違点
術式の概要
術式の図解
IV 腹膜外帝王切開のポイント 
膀胱表面を広く露出するために
インジゴカルミン液腹腔内注入時の工夫 
中臍靱帯の取り回しこそ術式の要(1) ―中臍靱帯の切断― 
中臍靱帯の取り回しこそ術式の要(2) ―中臍靱帯付近の腹膜表面の露出―
腹膜からの膀胱遊離 
子宮下部からの膀胱遊離 
子宮下部(下節)横切開 ―子宮筋層マーキング―
忘れないで! レチウス腔へのドレーン留置 
膀胱遊離中に腹膜が破れたら
V おわりに


■第5章 帝王切開時子宮摘出術

I はじめに(子宮温存の工夫)
子宮摘出術はあくまでも最終手段 
残せる子宮、残せない子宮(常位胎盤早期剥離) 
子宮温存への強い思い(前置癒着胎盤) 
II 二期的子宮摘出術の適応 
前置癒着胎盤の二期的子宮摘出術の適応 ―両手に余る子宮― 
III 二期的子宮摘出術の実際 
術式の概要
術式の図解 
IV 帝王切開時子宮摘出術のポイント
覚悟を支える知識と経験 
骨盤解剖の正しい知識 ―尿管の走行を知る― 
経験を学ぶ、真似る 
パワーソースを活用する 
膀胱剥離操作の要 
前が駄目なら、後方から攻める 
V 一期的子宮摘出術の適応 
適応は出血し続けている症例
VI 一期的子宮摘出術の実際 
術式の概要 
術式の図解 
VII おわりに

索引

COLUMN
●帝王切開の開腹法
●選択的帝王切開のタイミング
●bladder flapを作成するか?
●子宮筋切開創の縫合法
●臍帯結紮と胎盤娩出法
●帝王切開の閉腹法
●オキシトシン投与と頸管拡張
●帝王切開における感染予防
●早産に対する帝王切開は児の予後を改善するか?
●子宮筋の切開法
●娩出困難時の対処法
●帝王切開における血栓症予防
●癒着防止法
●肥満妊婦の注意点
●帝王切開のこれから