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難治性喘息診断と治療の手引き 第2版 2023

難治性喘息診断と治療の手引き 第2版 2023
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筆頭著者 日本呼吸器学会難治性喘息診断と治療の手引き第2版作成委員会 (編集)

メディカルレビュー社

電子版ISBN

電子版発売日 2024年12月9日

ページ数 144

判型 A4変型

印刷版ISBN 978-4-7792-2692-2

印刷版発行年月 2023年2月

DOI https://doi.org/10.34449/9784779226922

書籍・雑誌概要

この度『難治性喘息診断と治療の手引き 第2版 2023』が一般社団法人日本アレルギー学会の協力を得て作成され,上梓されることとなった。近年のアレルギー疾患の増加に示されるように,わが国の気管支喘息患者数は推定では1,000万人と年々増加している。これら増加する気管支喘息の治療は,わが国より発行しているガイドラインに従った吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid:ICS)を中心とした治療の普及によって,多くの喘息患者ではコントロール良好となり,喘息死の低下につながっている。
 しかしながら,これら気管支喘息患者の5~10%に難治性喘息が存在し,高用量ICSを中心とした各種治療薬の併用でもコントロール不良で,急性増悪(発作)を繰り返すのが現状である。この難治性喘息をいかにコントロールするかが現時点での最大の課題である。これらコントロール不良の難治性喘息の治療に対応するために,近年,抗IgE抗体薬,抗IL-5/抗IL-5Rα抗体薬,さらに抗IL-4Rα抗体薬,抗TSLP抗体薬が上市され,今後も新しい生物学的製剤などが次々と上市されるべく臨床治験が行われている。さらに,コントロール不良の難治性喘息の非薬物療法として気管支熱形成術(bronchial thermoplasty:BT)も2015年4月より保険適応となっている。これらの生物学的製剤の治療効果は多大なものがあるが,医療経済に負担を与える高価な治療薬であることを考えると,適切なフェノタイプの症例を選択することが望ましく,また,BTにおいても3度の入院を要する侵襲性のある治療法であることを考慮すると,患者選択と施行者の専門性などを適切に検討したうえで行われるべき治療である。2015年12月に「アレルギー疾患対策基本法」が施行された。この法律の基本施策の1つにアレルギー疾患の診断,治療の均てん化がある。これらを踏まえ,2019年に『難治性喘息診断と治療の手引き2019』が発刊された。
 さらに,難治性喘息/重症喘息については,2010年に世界保健機関(WHO)で,2014年に米国胸部学会(American Thoracic Society:ATS)と欧州呼吸器学会(European Respiratory Society:ERS),また,わが国からも『喘息予防・管理ガイドライン』においてそれぞれ定義が公表されているが,それぞれに違いがあり統一的な定義はない。また,2021年に日本喘息学会から『喘息診療実践ガイドライン2021』(PGAM2021)が発刊され(2022年に改訂版であるPGAM2022発行),日本アレルギー学会から『喘息予防・管理ガイドライン2021』(JGL2021)が改訂された。本手引きでは,難治性喘息の定義を定め,難治性喘息/重症喘息と重症喘息を「難治性喘息」に統一するようにした。今後の喘息治療の方向性として,stepwise approachからtreatable trait approachが必要と考えられつつある。本手引きでは今後も増加する難治性喘息に適応のある高価な治療薬を適切に使用していただけることを期待して,難治性喘息の診断の正確性,治療アドヒアランスの確認,リスク回避,合併症の治療などを確認したうえで,適切に難治性喘息を診断し,さらに治療に結びつくフェノタイプ(エンドタイプ)を考慮して治療薬の選択ができる一助となることを期待してフローチャートやポイントを記してこの手引書を作成した。
 本手引きで臨床研究がさらに進み,専門医および非専門医の先生方のお役に立つことを切に願っている。
(東田 有智「序」より)

目次

第1章 難治性喘息/重症喘息の概念と定義
第2章 難治性喘息の疫学(頻度,有病率)
第3章 難治性喘息の病態
 A.遺伝的素因
 B.難治性喘息のフェノタイプとクラスター解析
  1.成人発症
  2.小児発症
 C.気道炎症とその免疫学的機序
 D.気道構造の特徴
 E.生理学的特徴(呼吸機能)
第4章 難治性喘息鑑別のための評価
 A.判定基準/フローチャート
  1.小児
  2.思春期
  3.成人~高齢者
 B.鑑別と評価のための検査
   [血液検査,血清学的検査,呼吸機能検査(スパイロメトリー,PEF,気道可逆性検査,気道過敏性検査,肺拡散能検査),HRCTなど]
 C.合併症(併存症)および寄与因子
  1.環境因子
  2.副鼻腔炎
  3.喫煙/COPD
  4.閉塞性睡眠時無呼吸
  5.過換気症候群
  6.胃食道逆流症
  7.薬剤
  8.好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
  9.アレルギー性気管支肺真菌症
  10.声帯機能障害
  11.肥満
  12.心不全
  13.ホルモンの影響
  14.心理的因子
第5章 治療
 A.成人の長期管理
  1.難治性喘息の標準的治療とコントロール評価(ICS,LABA,SRT,LTRA,LAMAを含む)
  2.高用量吸入ステロイド薬および全身性ステロイド薬による治療と副作用(ステロイド非反応性を含める)
  3.生物学的製剤の適応と効果(フェノタイプを含めて)
     ─ オマリズマブ,メポリズマブ,ベンラリズマブ,デュピルマブ,テゼペルマブ
  4.今後期待される生物学的製剤と適応(フェノタイプを含めて)
  5.気管支熱形成術の適応と効果
  6.標準治療から生物学的製剤,気管支熱形成術への治療フロー
 B.小児の長期管理

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