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咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2019
筆頭著者 日本呼吸器学会 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2019作成委員会 (編集)
メディカルレビュー社
電子版ISBN
電子版発売日 2024年12月9日
ページ数 170
判型 A4判
印刷版ISBN 978-4-7792-2238-2
印刷版発行年月 2019年4月
書籍・雑誌概要
咳嗽は呼吸器疾患の日常診療においてもっとも高頻度に遭遇する症状の一つであり,とりわけ長引く咳や頑固な咳で医療機関を受診する患者さんは年々増加の一途を辿っています。日本呼吸器学会では,2005年「咳嗽に関するガイドライン」初版に引き続いて,2012年に第2版を発刊しMinds認証も受けました。これまで数多くの診療ガイドラインが刊行されていますが,その大部分はある「疾患」を対象としたものです。よって,ガイドラインを活用するためには疾病の診断が確定していることが前提となっています。しかし,咳嗽のガイドラインは「症候」を冠していることから,症状→検査→診断→治療という通常の診療の流れに則したプラクティカルな構成となっています。
一方,喀痰は咳嗽と並ぶ重要な症状であり,しかも両者は互いに密接に関連しているのにもかかわらず,これまで喀痰に関するガイドラインは存在しませんでした。特に慢性的な気道分泌亢進は,喘息やCOPDをはじめさまざまな気道疾患の病態を修飾し,患者さんのQOLのみならず疾患の急性増悪や予後に重大な影響を与えることもわかっています。このような背景を踏まえ,今回の咳嗽ガイドラインの改訂に伴い,これに喀痰の項目を加えて『咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019』を作成するに至りました。そこで,「咳嗽」のパートは長崎大学 迎 寛 教授,「喀痰」のパートは横浜市立大学 金子 猛 教授を中心に,各々の症候に関するエキスパートの先生方に委員としてご参画いただきました。喀痰に関するガイドラインは国際的にも初めてのものであり,呼吸器診療に大きなインパクトを与えるものと大いに期待されます。
(玉置 淳「序」より)
目次
第1章 諸言
序
咳嗽に関する諸言
世界初の喀痰の診療ガイドライン発刊に寄せて
第2章 咳嗽総論
2-1 咳嗽の発生機序
2-2 咳嗽の分類と原因疾患
2-3 咳嗽診療の原則と咳嗽治療薬
2-4 咳嗽治療薬
第3章 喀痰総論
3-1 喀痰の発生機序
3-2 喀痰の分類と原因疾患
3-3 喀痰診療の原則と喀痰治療薬
第4章 主要な原因疾患
4-A 感染性咳嗽
A-1 感染性咳嗽に関するFAQ
A-2 急性気管支炎,肺炎の喀痰に関するFAQ
A-3 結核,非結核性抗酸菌症
A-4 感染予防対策
4-B 感染後咳嗽
4-C 慢性気道炎症性疾患
C-1 慢性気管支炎,慢性閉塞性肺疾患(COPD)~タバコ煙曝露による慢性気管支炎を含めて~
C-2 副鼻腔気管支症候群(SBS)
C-3 びまん性汎細気管支炎(DPB)
C-4 気管支拡張症(BE)
C-5 副鼻腔炎(従来型,好酸球性)
C-6 後鼻漏症候群(PNDS)
4-D 気管支喘息,アレルギー関連疾患
D-1 気管支喘息
D-2 咳喘息(CVA:古典的喘息と比較して)
D-3 アトピー咳嗽
D-4 喉頭アレルギー
4-E 胃食道逆流症(GERD)
4-F 間質性肺炎(IP)
4-G 腫瘍
4-H 異物
4-I 睡眠時無呼吸症候群
4-J 高齢者における咳嗽
4-K 薬剤による咳嗽
4-L 職業性・環境因子
第5章 小児
5-A 小児咳嗽総論
A-1 フローチャート
A-2 年齢による原因疾患と頻度
A-3 小児の急性咳嗽
A-4 小児の慢性咳嗽
A-5 小児における鎮咳薬
5-B 小児喀痰総論
B-1 小児の喀痰の特徴
B-2 喀痰をきたす疾患と喀痰調整薬
5-C 小児咳嗽各論
C-1 小児急性咳嗽
C-2 感染後の長引く咳嗽
C-3 小児の気管支喘息のよる咳嗽
C-4 心因性咳嗽
5-D 小児喀痰各論
D-1 喘息の喀痰に対する治療
D-2 肺炎・気管支炎の喀痰に対する治療
第6章 人工呼吸器関連の気道分泌管理
第7章 新たな概念
7-A 難治性咳嗽
7-B 真菌関連慢性咳嗽(FACC)
7-C Somatic Cough Syndrome,Tic Cough
7-D 近年知られるようになった慢性咳嗽の原因や関連疾患
7-E 咳嗽の評価方法
第8章 専門的な検査
8-A 気道可逆性,気道過敏性,咳受容体感受性気管支平滑筋収縮誘発咳嗽反応検査
8-B 呼吸抵抗測定
8-C 気道炎症の評価
8-D 画像診断
D-1 胸部CT
D-2 副鼻腔CT
8-E 24時間pHモニタリング検査
8-F 内視鏡検査
F-1 気管支鏡検査
F-2 上気道ファイバースコピー