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あの症例どうなった? 専門医に紹介した不思議な発作と神経症状たち
筆頭著者 音成 秀一郎 (著)
広島大学病院脳神経内科
診断と治療社
電子版ISBN 978-4-7878-8197-7
電子版発売日 2024年12月12日
ページ数 344
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-7878-2625-1
印刷版発行年月 2024年12月
書籍・雑誌概要
非専門医が脳神経内科の専門外来に紹介した22の症例をベースに,受診した先の問診から始まる鑑別プロセスや思考過程,そして最終的な診断に至るまで「非専門医からの視点」と「紹介を受ける側の視点」の両方向性を意識した構成で丁寧に解説.
てんかん・意識障害の多彩な主訴や神経症候 の『その後』どうなったかを知りたい,ジェネラリストや若手脳神経内科の先生方の『neurology力』がアップ出来る1冊.
目次
はじめに
本書を読む前に
著者略歴
Chapter 0 なぜ「てんかん」を知る必要があるのか
Introduction 本書を読みはじめる前に
Chapter 1 てんかん or Not ―Neurologyの選球眼―
Case 1 てんかんの誤診はこうして生まれる
Case 2 「過呼吸」に30年苦しんだ中年女性
ショートCaseレポート 重積は止めたけど徐脈が続いています
Case 3 「静かに繰り返す意識消失」の大学生
Case 4 「動きが止まる発作」の青年
Case 5 「深夜にリビングで徘徊」の中年女性
Case 6 「物忘れと意識減損」を何とかしたい青年
Chapter 2 てんかんだと思うけど,対応合ってる?
Case 7 治療をやめたいと訴える全般てんかんの高校生
Case 8 若年ミオクロニーてんかん:こんなに再発する?
Case 9 診断後に発作が増えた若年女性
Case 10 てんかん重積状態で頻回にICU管理した難治てんかん
Case 11 電話対応ができなくなった焦点てんかんの女性
Chapter 3 ちょっと対応急ぎます
Case 12 毎晩,深夜に奇声をあげる発作
Case 13 発作が止まらない!駆け込み受診した蘇生後脳症
Case 14 安定していた後頭葉てんかん:幻覚で緊急入院
Case 15 発作の報告は誰を信じる? 難治てんかんの中年男性
Case 16 発作は止まるも静かに再上昇するCK値
Chapter 4 外来相談は人生の『好転化』のチャンス
Case 17 『減薬』を試みた長期で多剤併用中の青年
Case 18 『妊娠希望』の多剤併用中の症例で減量してみた
Case 19 『学校』でしか発作が起きない教諭
Case 20 『車』で当て逃げした中年女性
Case 21 『バス』に怖くて乗れない女性
Case 22 『薬』は効いていたはずなのにますます悪化
索引
おわりに
Note.てんかん診療に強くなる
▶初回発作後の生活上のアドバイス
▶てんかん発作の多彩性
▶発作の急性期対応
▶てんかんの危険因子
▶自信を持っててんかんを除外するために
▶夜間のイベントを起こす鑑別疾患の問診ポイント
▶レム睡眠行動障害(RBD)があればパーキンソン病をチェックする
▶特発性全般てんかん(IGE)の「らしさ」を押さえる
▶ミオクロニーとミオクローヌス
▶見せかけの薬剤抵抗性てんかんとは
▶心因性非てんかん発作(PNES)とは
▶PNESに特徴的な発作症状
▶PNESの病態別の介入
▶「言葉が出ない」は,てんかん発作でも起こりえる
▶てんかん患者の不安障害
▶派手な病歴のてんかんは自己免疫性も考える
▶不随意運動とてんかん発作
▶ミオクローヌスはコモン
▶ミオクロニー発作で避けるべき抗発作薬
▶てんかんと精神症状
▶抗発作薬でPNESが悪化するパターン
▶脳卒中とてんかん発作
▶抗発作薬の減量や中止
▶妊娠に向けた計画的な薬剤調整
▶てんかんの画像診断
▶側頭葉てんかんでの扁桃体腫大
▶長期的な服用による代謝への影響
▶てんかん患者のQOL
▶抗発作薬のparadoxical effect
ミニレクチャー
❖診断エラーの回避のために
❖てんかん患者の予期せぬ死(SUDEP)
❖てんかん外来の問診リスト
❖自然に終息するてんかん
❖前頭葉てんかんの発作の細分化
❖VEEGで徐波も認めない側頭葉てんかんがあるのか?
❖なぜVPAの治療がうまくいかなかったのか?
❖特発性全般てんかんでも難治のパターンがある?
❖ペランパネル(PER)の使いどころ
❖紛らわしい「ミオクローヌス」と「ミオクロニー発作」
❖てんかん患者での精神症状のポイント
❖レベチラセタム(LEV)と精神症状
❖発作の報告はファクトチェックから
❖脳卒中後てんかんの予後
❖てんかんは治るのか?
❖葉酸の投与量はよくわからない
❖前兆という言葉の語弊
❖てんかんと自動車運転
Column
・発作のエマージェンシー
・睡眠関連摂食障害(SRED)
・ビデオ脳波モニタリングの敷居は下げていい
・てんかんと診断しがちな病歴
・LEVという使いやすさ,VPAという武器
・薬剤抵抗性てんかん(drug resistant epilepsy:DRE)
・てんかんは,何を治療するのか
・ベンゾジアゼピン系の使い分け
・PNESは精神科医がみるべきなのか?
・「震え」と「振るえ」
・arm drop試験とPNES
・産褥期の対策も忘れない
・てんかん合併妊娠と児の知能
・新しい脳地図
・musicogenic epilepsy(音楽誘発性てんかん)
・側頭葉てんかん患者に「物忘れ」を相談されたら
・道路交通法について正しく伝える
・てんかん重積や脳炎後の長期予後