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ヘンダーソン看護論と看護実践への応用

ヘンダーソン看護論と看護実践への応用
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筆頭著者 金子 道子 (編著)

照林社

電子版ISBN

電子版発売日 2021年7月5日

ページ数 544

判型 B5判

印刷版ISBN 978-4-7965-2458-2

印刷版発行年月 2019年2月

DOI https://doi.org/10.32249/9784796524582

書籍・雑誌概要

ヘンダーソン看護論研究の第一人者による長年の成果の集大成。

◆本書序文より
 私が『看護の基本となるもの』に出会ったのは1960年の公表時で、まさに看護を模索していた看護学生のときであった。そして今日に至るまで、私の職業人生は、『看護の基本となるもの』とともに歩んできたように思う。
 その歩みのなかで、最重要課題があった。それは『看護の基本となるもの』を看護実践に生かすことである。それによって個別性を大切にした密度の高い看護の質を示すことが可能になる。そして、看護実践への有効的な生かし方を、看護の現任者および将来現任者となる看護学生に教育・啓蒙することであった。この重要課題に50余年傾注し、集大成を一冊の本としてまとめた。 この一冊が、すべての看護専門職者にとって有益であってくれることが私の最高の喜びであり、至上の幸せである。

目次

第Ⅰ章 本書「ヘンダーソン看護論と看護実践への応用」の学び方
 1 本書「ヘンダーソン看護論と看護実践への応用」は誰のために
  ・看護学生のために
  ・看護実務者のために
  ・看護教員のために
 2 本書「ヘンダーソン看護論と看護実践への応用」からの学びの特徴
  ・看護論を看護学として学ぶ
  ・看護論を実践応用する学術書・実用書として学ぶ
  ・看護論を自学自習で学ぶ
 3 本書「ヘンダーソン看護論と看護実践への応用」
   何をどう学ぶか;著者らからのメッセージ
  ・看護学生へ
  ・看護実践者へ
  ・看護教員へ
第Ⅱ章 「基本的欲求」の概念のなかに看護の独自性を見出す
 1 基本的欲求の概念にふれた看護学生時代
 2 小児結核児の基本的欲求充足から学んだ看護の独自性
  ・小児結核児の基本的欲求に向けられた生活・学習指導
  ・結核児に行った私の基本的看護
  ・私の「達成感をもたらすような仕事をする」基本的欲求充足に必要であった「知恵」と「技」と、
   何よりも大切な「Heart」
 3 ナイチンゲールとの比較-“Notes on Nursing”の目次と基本的看護の構成要素
  ・ナイチンゲールとヘンダーソンの「看護とは」
  ・ナイチンゲール、ヘンダーソンの看護概念の共通性と独自性
第Ⅲ章-Ⅰ 『看護の基本となるもの』看護論における看護目的論・看護対象論・看護方法論
 1 看護論としての『看護の基本となるもの』を理解する
  ・看護論とは何か;看護論の条件
  ・看護論・看護実践モデル5要件にみる看護目的論・看護対象論・看護方法論
  ・『看護の基本となるもの』はなぜ看護論といえるか
 2 看護目的論
  ・ヘンダーソンが看護独自の機能を明確にした時代的背景
  ・看護師の独自の機能とは
  ・基本的看護とは
  ・看護目的論における健康の概念
  ・『看護の基本となるもの』における看護目的論を強化する『看護論』
第Ⅲ章-Ⅱ 「人間の基本的欲求」各論
  【基本的欲求1】「正常に呼吸する(breathe normally)」
  【基本的欲求2】「適切に飲食する(eat and drink adequately)」
  【基本的欲求3】「あらゆる排泄経路から排泄する(eliminate by all avenues of elimination)」
  【基本的欲求4】「身体の位置を動かし、またよい姿勢を保持する
          (歩く、すわる、寝る、これらのうちのあるものを他のものへ換える)
          (move and maintain desirable posture
          〈walking,sitting,lying and changing from one to the other〉)」
  【基本的欲求5】「睡眠と休息をとる(sleep and rest)」
  【基本的欲求6】「適切な衣類を選び、着脱する(select suitable clothing dress and undress)」
  【基本的欲求7】「衣類の調節と環境の調整により、体温を正常範囲内に維持する
          (maintain body temperature within normal range
          by adjusting clothing and modifying the environment)」
  【基本的欲求8】「身体を清潔に保ち、身だしなみを整え、皮膚を保護する
          (keep the body clean and well groomed and protect the integument)」
  【基本的欲求9】「環境のさまざまな危険因子を避け、また他者を傷害しないようにする
          (avoid dangers in the environment and avoid injuring others)」
  【基本的欲求10】「自分の感情、欲求、恐怖等を表現して他者に伝える
          (communicate with others in expressing emotions, needs, fears, etc.)」
  【基本的欲求11】「自分の信仰に従って礼拝する(worship according to his faith)」
  【基本的欲求12】「達成感をもたらすような仕事をする
          (work at something that provides a sense of accomplishment)」
  【基本的欲求13】「遊び、あるいはさまざまな種類のレクリエーションに参加する
          (play,or participate in various forms of recreation)」
  【基本的欲求14】「学習し、発見し、あるいは好奇心を満足させることで、健康での“正常な”発達を導く
          (learn, discover, or satisfy the curiosity that leads to“normal”development
          in health)」
第Ⅳ章-Ⅰ 看護方法論
 看護方法論総論
  ・看護方法論とは:看護方法論の定義
  ・看護過程展開の6段階
  ・ヘンダーソン看護論における「看護方法論の定義」
  ・ヘンダーソン看護論における「看護過程展開の6段階」
  ・看護過程6段階展開の方法
  ・ヘンダーソンによる看護過程論
第Ⅳ章-Ⅱ 「基本的看護」各論
 【基本的看護1】「患者の呼吸を助ける(Helping patient with respiration)」
 【基本的看護2】「患者の飲食を助ける(Helping patient with eating and drinking)」
 【基本的看護3】「患者の排泄を助ける(Helping patient with elimination)」
 【基本的看護4】「患者の歩行・坐位・臥位時での望ましい姿勢保持と、ある姿勢から他の姿勢への
         移動を助ける
         (Helping the patient maintain desirable posture in walking, sitting, and lying:
         and helping him with moving from one position to another)」
 【基本的看護5】「患者の休息と睡眠を助ける」(Helping patient rest and sleep)」
 【基本的看護6】「患者の衣類選択と、着脱を助ける
         (Helping patient with selection of clothing, with dressing and undressing)」
 【基本的看護7】「患者が体温を正常範囲内に保つのを助ける
         (Helping patient maintain body temperature within normal range)」
 【基本的看護8】「患者が身体を清潔に保ち、身だしなみよく、また皮膚を保護するのを助ける
         (Helping patient keep their body clean and well groomed
         and protect integument)」
 【基本的看護9】「患者が環境の危険を避けるのを助ける。また感染や暴力など、
         特定の患者がもたらすかもしれない危険から他の者を守る
         (Helping patient avoid dangers in the environment;and protecting other from
         any potential danger from the patient, such as infection or violence)」
 【基本的看護10】「患者が表現しようとする自分の欲求や気持ちを他者に伝えることを助ける
         (Helping patient communicate with others - to express needs and feelings)」
 【基本的看護11】「患者が自分の信仰を実践する、あるいは自分の善悪の考え方に従って行動するのを助ける
         (Helping patient with religious practices or conform to the patient’s concept
         of right and wrong)」
 【基本的看護12】「患者の仕事あるいは生産的活動を助ける(Helping patient with work,
         or productive occupation)」
 【基本的看護13】「患者のレクリエーション活動を助ける(Helping patient with recreational activities)」
 【基本的看護14】「患者の学習を助ける(Helping patient learn)」
第Ⅴ章 ヘンダーソン看護論に基づく看護過程展開
 1 大腿骨頸部骨折を手術により回復した事例の看護過程展開にあたって
  ・ヘンダーソン看護論に基づく看護過程論の3重要事項
  ・ヘンダーソン看護過程論に基づく看護過程展開の6段階
  ・看護過程における看護師の専門性
  ・事例の看護過程展開の要領
 2 大腿骨頸部骨折を手術により回復した事例の看護過程の実際
  ・事例の看護過程展開概要
  ・入院時における看護過程
  ・手術に向けての看護過程
  ・術後回復から退院までの看護過程
  ・看護過程展開6段階における看護師のとるべき専門的行為の原則と事例への応用
  ・健康障害「大腿骨頸部骨折」の理解に関する知識