書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。
腎臓栄養学
筆頭著者 加藤 明彦 竹谷 豊 脇野 修 北島 幸枝 (編)
朝倉書店
電子版ISBN 978-4-254-91786-4
電子版発売日 2024年6月10日
ページ数 304
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-254-32268-2
印刷版発行年月 2024年5月
書籍・雑誌概要
腎臓病は,糖尿病に次いで食事・栄養管理の重要性が高い疾患である。本書では栄養代謝,病態,栄養障害といった基礎から,栄養評価法,診療ガイドライン,具体的な栄養・運動管理までを読み切り形式で解説し,腎臓栄養学のエッセンスをつかんでもらうことを目指した。腎臓内科医はもとより,CKD診療に携わるコメディカルにも。
目次
序
目次
略語表
Ⅰ 通常時の栄養代謝と腎臓病における栄養代謝の変化
1 エネルギー代謝と必要量
1. 1 エ ネルギー産生栄養素とエネルギー代謝
1.2 安静時・活動時のエネルギー代謝変化
1.3 食事摂取基準,エネルギーバランスとその評価法
1.4 腎臓病におけるエネルギー代謝の変化,腎機能・病態に及ぼす影響と必要量
2 アミノ酸,蛋白質代謝と必要量
2.1 アミノ酸・たんぱく質の代謝とその調節機構
2.2 蛋白質代謝回転
2.3 蛋白質栄養状態の評価法
2.4 食事摂取基準
2.5 腎機能・病態に及ぼす影響と必要量
3 脂質代謝と必要量
3.1 脂質代謝とその調節機構
3.2 脂質の機能と欠乏・過剰およびその評価
3.3 食事摂取基準
3.4 腎臓病における脂質代謝の変化
3.5 腎機能・病態に及ぼす影響と必要量
4 炭水化物の代謝と必要量
4.1 糖の吸収・再吸収
4.2 血糖調節機構
4.3 腎臓病における糖代謝の変化
4.4 腎機能・病態に及ぼす影響
4.5 食物繊維とその機能
5 脂溶性ビタミン類の代謝と必要量
5.1 ビタミンAの生理作用と必要量
5.2 CKDとビタミンA
5.3 ビタミンDの生理作用と必要量
5.4 CKDとビタミンD
5.5 ビタミンEの生理作用と必要量
5.6 CKDとビタミンE
5.7 ビタミンKの生理作用と必要量
5.8 CKD とビタミンK
6 水溶性ビタミンの代謝と必要量
6.1 ビタミンB1の役割と必要量
6.2 CKD とビタミンB1
6.3 ビタミンB2の生理作用と必要量
6.4 CKD とビタミンB2
6.5 ナイアシンの生理作用と必要量
6.6 CKD とナイアシン
6.7 ビタミンB6の生理作用と必要量
6.8 葉酸の生理作用と必要量
6.9 ビタミンB12の生理作用と必要量
6.10 CKDにおけるB6,B12,葉酸およびホモシステイン代謝
6.11 ビオチンの生理作用と必要量
6.12 ビオチンとCKD
6.13 パントテン酸の生理作用と必要量
6.14 パントテン酸とCKD
6.15 ビタミンCの生理作用と必要量
6.16 CKDとビタミンC
7 水・ナトリウム代謝
7.1 体内の水およびNa+の分布
7.2 水とNa+代謝調節機構
7.3 水・ナトリウムの欠乏と過剰およびその評価法
7.4 水,ナトリウムの必要量
7.5 腎臓病における水・ナトリウム代謝の変化
8 カリウム代謝
8.1 細胞内カリウム濃度の調節機構
8.2 カリウム代謝調節機構
8.3 カリウムの欠乏と過剰およびその評価法
8.4 カリウムの必要量
8.5 腎臓病におけるカリウム代謝の異常
9 骨・ミネラル代謝
9.1 カルシウム
9.2 カルシウム摂取状況
9.3 カルシウム代謝調節機構
9.4 腸管と腎臓のカルシウム輸送
9.5 リン
9.6 リン摂取状況
9.7 リン代謝調節機構
9.8 腸管と腎臓のPi 輸送と血中Pi 濃度調節
9.9 慢性腎臓病とカルシウム・リン代謝
10 マグネシウム代謝
10.1 細胞内におけるマグネシウムの生理機能
10.2 生体におけるマグネシウムバランス制御
10.3 様々な臓器におけるマグネシウムの重要性
10.4 腎臓病とマグネシウム代謝
11 鉄代謝
11.1 鉄代謝調節機構
11.2 鉄の欠乏と過剰およびその評価法
11.3 鉄の必要量
11.4 腎臓病における鉄代謝の変化
11.5 腎機能・病態に及ぼす影響と必要量
12 微量元素(亜鉛,銅,セレン)の代謝と必要量
12.1 亜鉛の代謝と調節機構
12.2 亜鉛の欠乏と過剰およびその評価法
12.3 亜鉛の食事摂取基準
12.4 銅の代謝と調節機構
12.5 銅の欠乏と過剰およびその評価法
12.6 銅の食事摂取基準
12.7 セレンの代謝と調節機構
12.8 セレンの欠乏と過剰およびその評価法
12.9 セレンの食事摂取基準
12.10 腎臓病における微量元素の代謝
12.11 腎機能・病態に及ぼす影響と必要量
13 カルニチン代謝と必要量
13.1 カルニチンの代謝と機能
13.2 カルニチンの欠乏と過剰およびその評価法
13.3 カルニチンの必要量
13.4 腎臓病におけるカルニチンの代謝変化
13.5 腎機能・病態に及ぼす影響と必要量
14 酸塩基平衡(アシデミア・アルカレミア)
14.1 酸塩基平衡の調節機構
14.2 酸塩基平衡の異常に対する代償機構
14.3 腎臓におけるH+の排出とHCO3−の供給機構
14.4 腎臓病における酸塩基平衡の異常
14.5 酸塩基平衡異常の評価
14.6 食事と酸塩基平衡
Ⅱ 腎臓病の病態と栄養障害
1 尿毒症物質(インドキシル硫酸,トリプトファン代謝物)
1.1 CKD における腸内環境の変化
1.2 腸内細菌由来の尿毒素
1.3 インドキシル硫酸,トリプトファン代謝物
1.4 腸内環境に着目したCKD治療の可能性
2 炎症
2.1 慢性炎症とCKD の発症進展
2.2 CKD 患者での慢性炎症の弊害
2.3 食事炎症性という考え方
2.4 地中海食の効用
3 酸化ストレスおよびカルボニルストレス
3.1 CKD 初期における酸化ストレスおよびカルボニルストレス
3.2 進行したCKD における酸化ストレスおよびカルボニルストレス
4 代謝性アシドーシス
4.1 CKD における代謝性アシドーシスの成因
4.2 代謝性アシドーシスによる蛋白質分解亢進
4.3 代謝性アシドーシスとサルコペニア
4.4 サルコペニア管理における代謝性アシドーシス治療の効果
4.5 食事性酸負荷とサルコペニア
4.6 潜在的代謝性アシドーシス
4.7 代謝性アシドーシスとカリウム代謝
4.8 代謝性アシドーシスを考慮した栄養管理
5 CKD-MBD
5.1 リン調節機構
5.2 高リン血症
5.3 PTH と副甲状腺過形成
5.4 異所性石灰化
5.5 骨代謝異常
5.6 リン・カルシウム管理
5.7 CKD-MBD が栄養状態に及ぼす影響
6 ヒト腸内細菌叢
6.1 腎腸連関
6.2 食事による腸内細菌叢の変化
6.3 腸内細菌のCKD への効果
6.4 結 論
7 CKD に合併した心血管病と栄養障害
7.1 CKD における栄養障害を表す用語
7.2 CKD における栄養障害のパラドックス
7.3 パラドックス解決へのヒント
7.4 心血管死亡2 段階説の応用
7.5 心血管死亡2段階説とフレイルとの関係
7.6 日常の診療実感
7.7 心血管死亡2 段階目の新しい予測因子
7.8 BMI と総死亡の関連が「逆転」するのはCKD のどのステージか?
7.9 2 段階説で考えるCKD の栄養管理
8 腎性貧血と栄養障害
8.1 腎性貧血とは
8.2 腎性貧血の頻度とPEW との関連
8.3 炎症・PEW と腎性貧血
8.4 PEW に対する腎性貧血治療の効果
8.5 PEW 改善による腎性貧血改善効果
8.6 低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬の可能性
9 内分泌異常と栄養障害(インスリン抵抗性,甲状腺機能,副腎機能)
9.1 インスリン抵抗性
9.2 甲状腺機能
9.3 副腎機能
10 透析関連因子(血液透析関連,腹膜透析関連)と栄養障害
10.1 透析患者における栄養障害機序
10.2 血液透析の透析膜および透析方法による栄養障害
10.3 血液透析のバスキュラーアクセスによる栄養障害
10.4 腹膜透析の透析液による栄養障害
10.5 腹膜透析の感染による栄養障害
Ⅲ 腎臓病患者に対する栄養評価法
1 栄養スクリーニング,栄養アセスメント
1 . 1 栄養スクリーニング
1 . 2 栄養アセスメント
2 身体計測
2 . 1 身長・体重
2 . 2 脂肪厚・骨格筋量
3 血液学的栄養指標
3.1 アルブミン
3.2 ラピッドターンオーバープロテイン
3.3 コリンエステラーゼ
4 臨床診査(問診,フィジカルアセスメント)
4 . 1 問診
4 . 2 身体観察
5 食事摂取量
5.1 食事記録法
5.2 24 時間思い出し法
5.3 食物摂取頻度法
5.4 食事歴法
5.5 陰膳法
5.6 生体指標
5.7 残食調査法
5.8 申告誤差
5.9 日間変動
6 複合的栄養指標
6.1 主観的包括的栄養評価(Subjective GlobalAssessment:SGA)
6.2 簡易栄養状態評価表(MalnutritionInflammation Score:MIS)
6.3 Geriatric Nutrition Risk Index(GNRI)
6.4 protein-energy wasting(PEW)
6.5 Nutritional Risk Index for JapaneseHemodialysis patient(NRI-JH)
6.6 Mini Nutritional Assessment(MNA)
6.7 Malnutrition Universal Screening Tool(MUST)
6.8 Global Leadership Initiative onMalnutrition(GLIM)基準
6.9 そのほかの指標
6.10 指標間の比較
7 血糖の評価と管理
7.1 血糖コントロール指標と目標値
7.2 薬 物 療 法
7.3 血糖管理のための食事療法
8 サルコペニア,フレイル
8 . 1 フレイルの評価
8 . 2 サルコペニアの評価
9 食欲不振,抑うつ症状
9 . 1 食欲
9 . 2 抑うつ・うつ病
10 ADL(手段的,機能的),QOL
10.1 日常生活動作(ADL)の定義
10.2 日常生活動作(ADL)の評価
10.3 生活の質(QOL)の評価
11 摂食嚥下機能
11.1 摂食嚥下の5期モデル
11.2 スクリーニングテスト
11.3 その他の評価視点
12 認知機能
12.1 認知機能障害
12.2 認知機能障害に関する評価尺度
12.3 BPSD とBPSD の評価方法
Ⅳ 腎臓病領域の診療ガイドラインと食事・栄養療法
1 急性腎障害(AKI)
1.1 侵襲時における三大栄養素の代謝変化
1.2 AKI 患者の栄養評価法
1.3 AKI 患者の目標栄養量
1.4 診療ガイドラインにおける栄養推奨量
1.5 静脈栄養における注意点
1.6 AKI 回復後の栄養リハビリテーション
2 保 存 期 CKD
2.1 CKDの概念および診断
2.2 CKDの治療法
2.3 CKDの予後
2.4 CKDにおける栄養障害の成因および食事・栄養療法
3 血液透析および血液透析濾過
3.1 血液透析患者の食事療法基準
3.2 透析治療による栄養素の損失
3.3 栄養指導の実際
4 腹膜透析(血液透析併用時を含む)
4.1 腹膜透析患者の栄養状態
4.2 栄養介入
4.3 血液透析併用時における栄養状態の変化
5 サルコペニア・フレイルを合併した CKD
5.1 サルコペニアとCKD
5.2 サルコペニア・フレイルを合併したCKD 患者に対する食事療法
5.3 腎機能評価の注意点
6 IgA腎症
6.1 IgA腎症の分類と疾患活動性
6.2 標準的治療法
6.3 予後
6.4 IgA腎症患者に対する食事・栄養療法
7 急速進行性腎炎症候群
7.1 急速進行性腎炎症候群の診断・分類・治療法・予後
7.2 急速進行性腎炎症候群の患者に対する食事・栄養療法
7.3 エネルギー摂取量について
7.4 たんぱく質摂取量について
7.5 腎臓リハビリテーションについて
8 一次性ネフローゼ症候群
8.1 一次性ネフローゼ症候群の診断,分類,治療法,予後
8.2 一次性ネフローゼ症候群による栄養障害の病態
8.3 一次性ネフローゼ症候群に対する食事・栄養療法
9 多発性囊胞腎
9.1 疾患概説
9.2 診断基準・予後予測
9.3 治療法
9.4 栄養障害の病態および患者に対する食事・栄養療法
10 糖尿病性腎症
10.1 診断
10.2 治療法
10.3 病期別の食事・栄養管理について
11 ループス腎炎
11.1 LNの診断
11.2 LNの治療
11.3 LNの予後
11.4 LNの食事・栄養療法
12 高尿酸血症・痛風
12.1 高尿酸血症・痛風による腎障害
12.2 痛風腎の特徴と発症機序
12.3 痛風腎の診断・鑑別診断
12.4 痛風腎の治療と予後
12.5 高尿酸血症・痛風(痛風腎)患者に対する食事・栄養療法
13 尿路結石
13.1 成因
13.2 診断
13.3 治療
13.4 予後
14 腎細胞がん
14.1 腎細胞がんを対象にしたガイドライン
14.2 腎細胞がんの診断
14.3 腎細胞がんの外科治療
14.4 腎細胞がんの薬物治療
14.5 腎細胞がんと代謝・栄養状態との関係
14.6 腎細胞がんに伴う栄養障害の病態
14.7 腎細胞がん患者に対する食事・栄養療法
15 腎移植レシピエント
15.1 栄養評価
15.2 食事療法
15.3 移植後の電解質異常と食事療法
15.4 サルコペニア・フレイルの症例
16 腎移植ドナー
16.1 腎移植ドナーの現状
16.2 腎移植ドナーの予後
16.3 腎移植ドナーの長期的な食事・栄養療法
16.4 チームとしての患者支援
17 小 児 CKD
17.1 小児CKD の病因と疫学
17.2 小児CKD の診断
17.3 小児CKD の内科的治療
17.4 小児CKD の食事・栄養療法
Ⅴ 栄養・食事療法の具体的なアプローチ
1 経口栄養補給(ONS)
1.1 ONS の種類
1.2 ONS の使用方法
1.3 透析中の経口栄養
1.4 ONS の効果
2 透析時静脈栄養(IDPN)
2.1 CKD 患者に認められる栄養障害
2.2 IDPN の歴史
2.3 透析中アミノ酸喪失とアミノ酸投与
2.4 IDPN の投与法
2.5 IDPN の有効性
2.6 IDPN 処方の内容について
3 アドヒアランスを高める栄養指導法
3.1 CKD 食事療法におけるアドヒアランスの現状
3.2 理想と現実のギャップを改善し,アドヒアランスを高めるために【食事管理・水分管理アドヒアランスの改善に向けたアプローチとは?】
4 便秘コントロール
4.1 CKD・透析患者における便秘の頻度
4.2 CKD・透析患者における便秘の原因
4.3 CKD・透析患者の便秘コントロール
5 薬物療法(ポリファーマシー是正,食欲刺激薬も含む)
5.1 ポリファーマシーとは
5.2 ポリファーマシーと低栄養の関連性
5.3 ポリファーマシーは低栄養を増悪させるか
5.4 抗コリン作用と誤嚥
5.5 ポリファーマシーの見直し
5.6 食欲刺激薬
Ⅵ フレイル予防と身体機能の向上
1 保存期 CKD患者の運動療法
1.1 保存期CKD 患者の身体機能
1.2 保存期CKD 患者への運動療法の効果
1.3 保存期CKD 患者の運動療法
2 透析患者の運動療法
2.1 有酸素運動
2.2 レジスタンストレーニング
2.3 運動療法の禁忌と中止基準
2.4 腎臓リハビリテーションとは
2.5 リハビリテーション栄養
3 腎移植患者の運動療法
3.1 日本の腎移植患者の現状と背景
3.2 移植患者における運動療法の近年のエビデンス
3.3 腎移植患者における運動処方例
4 透析患者における栄養療法と運動療法の併用
4.1 透析患者のたんぱく質栄養療法
4.2 透析患者における運動療法の必要性
4.3 透析患者における栄養療法と運動療法併用の効果
索引