書籍を検索します。雑誌文献を検索する際には「雑誌文献検索」を選択してください。

検索

カテゴリから選ぶ

Whole Person Care 理論編 医療の源流と実践

Whole Person Care 理論編 医療の源流と実践
本文を見る
  • 有料閲覧

筆頭著者 恒藤/暁 (著)

三輪書店

電子版ISBN

電子版発売日 2024年12月2日

ページ数 160

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-89590-835-1

印刷版発行年月 2024年10月

DOI https://doi.org/10.18937/9784895908351

書籍・雑誌概要

Whole Person Care の概念からマインドフルネスの理を知り,ホスピス・緩和ケアが示してきた癒し(healing)の本質を学ぶシリーズ第3弾

 「癒し」とは、身体的、精神的、スピリチュアルな苦痛や苦悩から回復する全体的な過程とされる。これまで、ホスピスケア、緩和ケア、ターミナルケアといった医療の一分野で語られることの多かった概念であるが、近年、生き方の多様性に伴い、「癒し」が必要とされる場面は拡がってきている。
そのようななか、治療(curing)と癒し(healing)の統合を体系化したWhole Person Care(WPS)は、明確に全人的医療の実践方法を掲げている。本書では、癒し、マインドフルネス、臨床的調和、セルフ・コンパッション、レジリエンスなど、全人的医療を実践するにあたっての理論的背景を全6章にまとめた。「患者と医療者の人格間での対話が重要である」「自分の弱さと真摯に向き合うことなく、他人の弱さに本当の意味で共感することは難しい」「今この瞬間にしっかりと存在する」など、要所要所の一文は深い。
ホスピス・緩和ケアに長く携わってきた著者の現時点における集大成かつ渾身の一冊である。

目次

発刊にあたって
まえがき

第1章 治療と癒しを調和させる  
 はじめに
 Whole Person Care 教育の開発経緯
 カドゥケウス:Whole Person Careの真髄
 治療と癒し:相違点と相乗効果
 省察的実践
 スピリチュアルな存在
 傷ついた癒し人
 おわりに

第2章 苦悩に対応する
 はじめに
 苦悩に関する言及
 苦悩の概念
 苦悩の評価
 苦悩へのアプローチ
  1.ネガティブ・ケイパビリティ
  2.対峙
  3.介入
 苦悩に対する患者の取り組み
  1.認知的対応
  2.コーピングによる対応
  3.状況を変える行動
  4.コミュニティへの再関与
  5.人格的成長
  6.スピリチュアルや宗教的な関与
 Whole Person Care 教育の取り組み
 おわりに

第3章 死の不安に向き合う
 はじめに
 存在脅威管理理論
 防衛機制
 存在脅威管理理論の研究成果
 医療現場における死の不安の影響
 Whole Person Care 教育の取り組み
 メメント・モリ
 おわりに

第4章 マインドフルネスで身心を調える
 はじめに
 マインドフルネスの概念
 マインドフルネスの普及・啓発
 マインドフルネスの源泉
 マインドフルネスの基本的な態度
  1.今この瞬間にとどまる
  2.ありのままに観る
  3.初心者の心で接する
  4.思考や感情を手放す
  5.真のいのちにつながる
 マインドフルネスの実践と技法
  1.心を込めて呼吸する
  2.グラウンディング
  3.心を込めて歩く
  4.心を込めて食べる
  5.心を込めて手を洗う
  6.心を込めて聴く
 マインドフルネスの問題点と安全性
 おわりに

第5章 臨床的調和を図る
 はじめに
 家族造形法
 生存のための態度
 コミュニケーションの態度
  1.懇願の態度
  2.非難の態度
  3.超理性的な態度
  4.不適切な態度
  5.調和のとれた態度
 臨床的調和
 氷山の比喩
  1.切望
  2.期待
  3.認識
  4.感情
  5.コーピング
  6.行動
 Whole Person Care 教育の取り組み
  1.コミュニケーションの態度
  2.氷山の比喩
 おわりに

第6章 レジリエンスを育む
 はじめに
 ワーク・エンゲイジメント
 燃え尽き症候群
 共感疲労
 心的外傷後成長
 レジリエンス
 マインドフルネス実践による心理的回復と成長
 レジリエンスを高める
  1.自己覚知を深める
  2.セルフ・コンパッションを育む
  3.セルフケアを実践する
 Whole Person Care 教育の取り組み
  1.燃え尽き症候群
  2.レジリエンス
  3.コンパッション
 おわりに
 索引