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改訂版 真に役立つ研究のデザインと統計処理―統計学の論理的なストーリーを理解する
筆頭著者 関屋 曻 (著)
三輪書店
電子版ISBN
電子版発売日 2024年9月2日
ページ数 356
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-89590-781-1
印刷版発行年月 2024年8月
書籍・雑誌概要
統計学的なデータ解析,理解できていますか?
入門書では省略されがちな「統計の論理の筋道(ストーリー)」を理解することで、統計を正しく活用することを目指した本書。その特徴は、第一に数学を十分学習していない方でも統計学的なストーリーを読み解けること、第二に入門書であると同時に実際的な問題にもある程度対処できるような実用性をもつこと、第三に本書で十分にカバーされていない問題に対する道標となることです。数式等、難解な記述に偏りすぎないよう配慮しつつ、本格的なデータ処理に必要な統計学的考え方、多種の解析方法について図を多用し、わかりやすく解説するよう工夫されています。
第1版の発行より十数年が経過し、改訂にあたり、新たにいくつかの解析法を加えて内容を充実させ、また各ページに用語解説欄を設けて、さらに読みやすくなるよう心掛けました。
目次
1章 研究のデザインと妥当性
1.研究のタイプ
1) 記述研究
2) 相関研究
3) 実験研究
2.因果関係の推論と実験
1) 因果関係を確認するために必要な条件
2) 実験の制約条件
3) 因果関係と統計処理
3.偽実験デザインと剰余変数
1) 1群の事前テスト事後テストデザイン
2) 固定群比較デザイン
4.真の実験デザイン
1) 事後テストのみの統制群デザイン
2) 事前テスト事後テスト統制群デザイン
3) ソロモンの4群デザイン
4) 待機(遅延)コントロールデザイン
5) 多要因実験デザイン
5.準実験デザイン
1) 非等価な統制群デザイン
2) 分離標本の事前テスト事後テストデザイン
3) クロスオーバーデザイン
4) 時系列デザイン
6.実験における統制
1) 反復
2) 無作為化
3) 除去法
4) 保存法
5) ブロック化
6) 統計的統制
7.実験の妥当性と一般化可能性
1) 内的妥当性
2) 外的妥当性
8.非実験研究
1) コホート研究
2) 症例対照研究
3) 歴史的対照研究
4) 横断研究と縦断研究
2章 記述統計
1.記述統計と推測統計―統計学の2つの機能
1) 記述統計とは
2) 推測統計とは
2.推測統計のために必要な記述統計
1) 変数と尺度の水準
2) 度数分布
3) 代表値
4) 散布度
5) 分布の形を示す指標
6) 目標値からのずれの指標
3章 確率分布と標本抽出
1.母集団と標本
1) 母集団分布
2) 標本分布
3) 母平均と母分散の不偏推定量
2.無作為抽出
1) 単純無作為抽出法
2) 系統抽出法
3) 多段抽出法
4) 層別抽出法(層化抽出法)
5) 無作為抽出における注意点
3.変数の変換と標準得点
1) 線形変換
2) 非線形変換
4.確率変数と確率分布
1) 離散分布
2) 連続分布
3) 2項分布
4) 正規分布
5) 標本平均の標本分布
6) χ2分布
7) t分布
8)F分布
9) 分布の正規性の確認
4章 ノンパラメトリック検定を用いた2つの条件間の代表値の比較
1.対応のある2条件間の差の検定(1):符号検定
1) 符号検定の考え方
2) 棄却域と採択域
3) 第1種の誤りと第2種の誤りおよび検定力
4) 帰無仮説を採択することの意味
2.対応のある2条件間の差の検定(2):符号付順位和検定
1) 符号付順位和検定の考え方
2) 付表を用いて検定する方法
3) サンプルサイズが大きい場合
3.対応のない2条件間の差の検定
1) ウィルコクソン・マン・ホイットニー検定の考え方
2) マン・ホイットニー検定の説明
3) サンプルサイズが大きい場合
5章 パラメトリック検定を用いた2つの条件間の代表値とばらつきの比較および区間推定
1.母平均に関する検定(1):母分散が既知の場合(1標本z検定)
1) 1標本z検定の考え方
2) 検定処理
2.母平均に関する検定(2):母分散が未知の場合(1標本t検定)
1) 1標本t検定の考え方
2) 検定処理
3.ばらつきの差の検定
1) 2つの母分散の差の検定:F検定
2) 3つ以上の母分散の差の検定
4.2つの母平均の差の検定(1):対応のあるt検定
1) 対応のあるt検定の考え方
2) 検定処理
5.2つの母平均の差の検定(2):対応のないt検定
1) 母分散に差がない場合
2) 母分散に差がある場合:ウェルチのt検定
6.母平均の信頼区間の推定
7.パラメトリック検定の前提条件
6章 3つ以上の条件間の代表値の比較
1.検定の多重性
1) 検定の多重性とは
2) 複数の変数(従属変数)に関して検定を行う場合
3) 多水準間比較と検定の多重性
2.分散分析
1) 1要因分散分析(完全無作為化法)
2) 1要因反復測定分散分析
3.3条件以上のノンパラメトリック検定
1) クラスカル・ウォリス検定(対応のないデータの場合)
2) フリードマン検定(対応のあるデータの場合)
4.多重比較法
1) 検定の多重性に対して有意水準を厳しく設定する方法(有意水準調整型多重比較法)
2) テューキーの方法
3) その他の多重比較法
7章 多要因の実験デザインと分散分析
1.2要因とも対応がない2要因分散分析
1) 各要因の水準数が2で、すべての群のサンプルサイズが等しい場合
2) 水準数が3以上の要因があり、各群のサンプルサイズが不揃いな場合
2.2要因の反復測定分散分析
1) 1要因が反復測定の2要因分散分析(1要因に対応がなく、1要因に対応がある場合)
2) 2要因とも反復測定の2要因分散分析(2要因とも対応がある場合)
3.3要因のデザイン
8章 出現頻度と比率
1.1変数の頻度(比率)の差
1) 水準(カテゴリー)数が2のとき:2項検定
2) 水準数が2のとき:正規分布による近似
3) 水準数が2のとき:適合度のχ2検定
4) 水準数が3以上のとき:適合度のχ2検定
2.対応がない場合の2×2クロス集計表の分析
1) 2変数とも周辺度数が固定されている場合
2) 2変数とも周辺度数が固定されていない場合
3) 一方の周辺度数が固定されている場合
4) 周辺度数と比率を求めるための条件
5) 検査の診断特性
6) ROC曲線
7) リスク比とオッズ比
3.対応がない場合のrxcクロス集計表の分析
4.対応がある場合の頻度(比率)の差の検定
1) 2条件の比較:マクニマー検定
2) 3条件の比較
5.正規分布への適合度の検定
6.母比率の信頼区間の推定
7.2要因デザインで従属変数が頻度(比率)である場合
9章 2変数間の関連の強さ
1.相関と回帰
1) 散布図
2) ピアソンの相関係数
3) 回帰直線
4) 寄与率
5) 母相関係数の検定と推定
6) 回帰直線の傾きと切片の検定
7) 相関係数を用いるときの注意点
8) 偏相関係数
9) 級内相関係数:比尺度と間隔尺度における測定の信頼性係数
2.順位相関係数
1) スピアマンの順位相関係数
2) 順位相関係数の無相関検定
3.連関係数
1) Φ係数(四分点相関係数)
2) ユールの連関係数
3) クラメールの連関係数
4) κ統計量とκw統計量:順序尺度と名義尺度における信頼性係数
10章 その他の有用な方法
1.母分散の信頼区間の推定
2.3つ以上の母分散の差(均一性)の検定
1) ルビン検定
2) ブラウン・フォーサイス検定
3.メディアン検定
1) 2標本の場合(2群間比較)
2) 3標本以上の場合(多群間比較)
4.共分散分析
5.生存分析(生存時間解析)
6.相関研究(調査研究、観察研究)と多変量解析
1) 多変量解析とは
2) 多変量解析の目的と分類
3) 独立変数(説明変数)と従属変数(目的変数)がある多変量解析
4) 情報の要約を目的とする多変量解析:独立変数のない多変量解析
5) 共分散構造分析
7.研究の統合とメタ分析
1) 系統的レビューの手順
2) メタ分析
付 録
1.基本的な計算ルールと公式
1) ルート計算
2) 指数
3) 対数
4) 順列と組合せ
2.Σ(シグマ)の使い方と行列でデータを示す方法
1) 1次元の場合
2) 2次元の場合
3) 3次元の場合
4) その他の重要な公式
3.期待値
1) 期待値とは
2) 期待値の計算のための重要な公式
4.2項分布の平均と分散
5.母平均の不偏推定量(n=2の場合)
6.母分散の不偏推定量(n=2の場合)
7.「標本平均の標本分布」の分散
8.標本統計量の期待値と不偏推定量
1) 2つの確率変数の和の期待値と分散
2) 倍率の法則
3) 互いに独立なn個の確率変数の和T=X1+X2+…+Xnの期待値と分散
4) 標本平均X¯の期待値E[X¯]と分散σX¯2
5) 2つの確率変数の差の期待値と分散
6) 2つの標本平均間の差の期待値と分散
7) 不偏分散の期待値
9.分散分析の理論
1) 1要因分散分析の理論的説明
2) 無作為モデルと母数モデル
10.ピアソンのχ2の簡便な計算法
11.回帰直線とピアソンの相関係数
1) 変数Xから変数Yを予測する(XへのYの回帰)
2) 変数Yから変数Xを予測する(YへのXの回帰)
3) 相関係数r
4) 寄与率
12.線形回帰における予測値、実測値、および残差の関係
13.2変量正規分布
14.直線補間の方法
15.Excelによる統計量の計算式(関数)
16.ボンフェローニの不等式
17.偏相関係数
1) 偏相関係数の数値計算
2) 偏相関係数の計算式の導出
18.パラメトリック検定の仮定と頑健性
1) 母集団分布の正規性の仮定
2) 1標本t検定と“対応のあるt検定”
3) 2標本t検定(“対応のないt検定”と“ウェルチのt検定”)
4) 分散分析
5) 母集団の歪度、尖度、および“母分散の差(比)”の推定法
付 表
付表1:Φ=0.5の2項分布
付表2:正規分布の上側確率
付表3:t分布
付表4:χ2分布
付表5:上側確率αのときのFの臨界値
付表6:符号付順位和検定におけるTの臨界値
付表7:ウィルコクソン・マン・ホイットニー検定におけるUの臨界値
付表8:スチューデント化された範囲qの臨界値
付表9:クラスカル・ウォリス検定における種々の有意水準の“Hの臨界値”
付表10:フリードマン検定における種々の有意水準の“Frの臨界値”
付表11:スピアマンの順位相関係数の無相関検定における臨界値
参考文献
索引