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外来で診る不明熱
発熱カレンダーでよくわかる不明熱のミカタ
筆頭著者 國松 淳和 (著)
国立国際医療研究センター病院 総合診療科
その他の著者等 加藤 温 監修
中山書店
電子版ISBN
電子版発売日 2020年8月10日
ページ数 256
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-521-74539-8
印刷版発行年月 2017年8月
書籍・雑誌概要
総合病院DPC化の今日,外来で不明熱を診ないのは発熱の全景をまだ見ていないと言える.国立国際医療研究センター病院総合診療科では2014年以来,「不明熱外来」を開設し,原因不明の発熱患者を診察している.多くの不明熱患者を診療して見えてきたことは? “発熱パターン”と“発熱カレンダー”で不明熱を診よう! 『内科で診る不定愁訴』と併せて読んでください.
目次
監修のことば
はじめに
第1章 不明熱を外来で診る
私の不明熱論
古典的不明熱
私の考える不明熱
診断できない不明熱
古典的不明熱の定義の抜け穴
古典的不明熱の定義
古典的不明熱の定義の抜け穴
外来で診る不明熱患者の一般的傾向
外来で診る不明熱の熱源候補の捉え方
外来で診る不明熱患者の一般的傾向
悪性疾患よりも良性疾患が多い傾向がある
重症というよりむしろ元気である
ウイルス性が多い
あらゆる熱性疾患の初期症状である可能性
熱の「相談」
経過が年・月単位である
入院させることを考慮するとき
入院診療が望ましい状況
入院とすべきもの
入院としてもよいもの
第2章 「不明熱外来」を開いたらこうなった
不明熱外来
不明熱外来の開設
不明熱外来開設2年の概況
不明熱外来を受診した患者の疾患別内訳
1 自己炎症性疾患
2 機能性高体温症
3 確定診断できなかった群
4 非感染性炎症性疾患/自己免疫性疾患
5 雑多なその他的疾患
不明熱外来:まとめ
第3章 発熱パターン別「外来で診る不明熱」の診断マトリックス
発熱パターンの類型化
従来型の熱型についての考察
外来の不明熱で把握すべき発熱パターン
A ウイルス感染型
B 高体温型
C 完全な間欠期を伴う反復型
マトリックスの全貌と注意点
外来でつかうマトリックス
マトリックス別の解説
A ウイルス感染型
B 高体温型
C 完全な間欠期を伴う反復型
反復するということ
第4章 「 発熱カレンダー」で分析しよう 外来で診るちょっと難しい不明熱
熱が出たり下がったりする不明熱への対応
周期性を見抜くために
「発熱カレンダー」をつくろう
発熱カレンダーをつける
つくり方の実際
発熱カレンダーの経過の把握以外の効能
第5章 外来で遭遇する不明熱 5 つの臨床的カテゴリー
病態別・難易度別 Case-based Learning
その1 ウイルス感染症 ウイルス感染症の正診率を上げ, 不明熱にしない
Case 1 37歳男性 発熱と頸部リンパ節腫脹 (EBV 初感染に伴う伝染性単核球症)
Case 2 37歳男性 発熱,下痢,皮疹と頸部リンパ節腫脹 (急性HIV感染症)
Case 3 37歳男性10日間続く発熱と関節痛 (ヒトパルボウイルスB19感染症)
まとめ
その2 良性の全身性炎症性病態 疾患なのか? 反応なのか? 典型例の熟知が重要-広義の反応性病態
Case 4 26歳女性 最初は発熱のみだった 〔結節性紅斑(特発性疑い)〕
Case 5 20歳女性 全体像で考える 〔菊池病(組織球性壊死性リンパ節炎)〕
Case 6 60歳女性 入院中に何が起こった? 〔アロプリノールによる薬剤熱(allopurinol hypersensitivity syndrome)〕
まとめ
その3 リウマチ性疾患/自己免疫性疾患の例外 非典型な経過でくる自己免疫性疾患について考える
Case 7 84歳女性 抗菌薬が効かない高齢者 (顕微鏡学的多発血管炎)
Case 8 60歳女性 治療が要ることはわかる〔Crohn 病(疑い)〕
Case 9 20歳男性 単なる結節性紅斑と思ったら 〔MDS関連Behcet病(不完全型・腸管Behcet)〕
まとめ
その4 “ 発熱+炎症反応上昇”を繰り返すもの 経過の長い繰り返す発熱から自己炎症性疾患を見抜く
Case 10 25歳女性 繰り返す発熱と腸炎・関節痛のエピソード 〔家族性地中海熱(非典型)〕
Case 11 74歳女性 繰り返す発熱・左腰背部痛のエピソード (椎間関節偽痛風)
Case 12 49歳男性 発熱と側胸部痛の反復 〔家族性地中海熱(おそらく典型)〕
まとめ
その5 炎症反応が陰性でmedical に消耗していない熱 発熱とは言い難く,機能性高体温症と呼ぶほかない困った熱
Case 13 16歳女性 高熱をずっと反復している 〔機能性高体温症(小児・思春期型)〕
Case 14 40歳女性 熱がずっと続いている 〔機能性高体温症(成人型,脳器質因あり)
Case 15 45歳男性 熱・倦怠感がずっとある 〔機能性高体温症(成人型,身体因あり)〕
まとめ
番外編 コンサルトされる不明熱 炎症か腫瘍か,それが問題だ
Case 16 62歳男性 「 それでも罠はなかった」(急性骨髄性白血病)
Case 17 57歳男性 「 降格・交代しかない」(急性骨髄性白血病)
Case 18 69歳男性 「 どれも甘いような気がする」 (MDS/MPN に伴う,無菌性膿瘍様の多発病変)
まとめ
第6章 不明熱を治療する
不明熱を診断するのではなく,「治療」する
ステロイドで治療する病気
一般診療における“ 臨床ステロイド学” のボトムライン
ステロイドを使う疾患の処方例
1 菊池病
2 結節性紅斑
3 亜急性甲状腺炎
4 リウマチ性多発筋痛症
5 PFAPA症候群
6 TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)
コルヒチンで治療する病気
一般診療における“臨床コルヒチン学”のボトムライン
コルヒチンを使う疾患の処方例
1 痛風(急性発作と発作予防)
2 家族性地中海熱(FMF)
3 偽痛風
4 Behcet病
5 心膜炎
6 PFAPA症候群
機能性高体温症の治療
総論と非薬物療法
診断に際しての説明~治療に入る前に~
治療に際しての心構え-「熱」以外のことも積極的な治療対象
治療の軌道に乗せる-単発の治療では治らない
薬物療法
1 漢方治療
2 モノアミン仮説に従った薬物療法
薬物治療中,気をつけること
お薬ファイル
コルヒチン(コルヒチン(R))
セルトラリン(ジェイゾロフト(R))
エスシタロプラム(レクサプロ(R))
デュロキセチン(サインバルタ(R))
アマンタジン(シンメトレル(R))