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≪新戦略に基づく麻酔・周術期医学≫
麻酔科医のための周術期の疼痛管理
筆頭著者 森田 潔 (監修)
国立大学法人岡山大学長
その他の著者等 川真田/樹人
中山書店
電子版ISBN
電子版発売日 2021年11月1日
ページ数 320
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-521-73710-2
印刷版発行年月 2014年1月
書籍・雑誌概要
麻酔科医にとって関心が高い疼痛管理について,周術期を通してさまざまな角度から取りあげた.痛みの発生のメカニズム,評価法,疼痛が及ぼす有害作用を解説するとともに,臨床に役立つマネジメントの実際や治療法を詳述. ICUなどでの疼痛対策や先進的な取り組みも紹介する.疼痛管理を「周術期」の視点からとらえ直す実践書.
目次
1章 周術期疼痛管理の現在の動向
1-1 周術期疼痛管理の現在の動向 (井上莊一郎)
1 術後鎮痛法の変遷
2 周術期医療の最近の動向
3 術後鎮痛の最近の動向から目標を考える
4 新たな術後鎮痛の中心的な概念:多様式鎮痛法
5 多様式鎮痛法において注目される鎮痛法,鎮痛薬
6 術後鎮痛のもう一つの方向性:慢性痛の予防
2章 手術に関連する痛みとは
2-1 手術侵襲による痛み (小幡英章,齋藤 繁)
1 手術侵襲による痛みとは
2 侵害受容性疼痛と痛みの伝達
3 炎症性疼痛と末梢性感作
4 中枢性感作
5 内因性の痛み抑制機構
6 手術侵襲による痛みの機序から考える術後鎮痛法
2-2 術後痛:創治癒過程の痛み (長谷川麻衣子,上村裕一)
1 術後痛の痛みの種類
2 手術部位と痛みの強さ
3 創傷治癒の過程
4 術後痛のメカニズム
5 先行鎮痛は有効か?:炎症性侵害受容性疼痛予防の見地から
2-3 遷延性術後痛 (柴田政彦)
1 痛みの慢性化
2 遷延性術後痛についての考え方の変化
3 遷延性術後痛の発生のリスク評価
4 遷延性術後痛発症の高リスク患者に対する予防法
5 遷延性術後痛の治療
3章 周術期の痛みを評価する
3-1 術前からの痛みの評価 (濱口眞輔,永尾 勝)
1 術前からの痛みを評価する意義
2 視覚的なスケールを用いた痛みの評価法
3 言葉による痛みの評価法
4 特殊な環境下にある患者の術前からの痛みの評価
5 機器を用いた痛みの評価
3-2 術中の侵害刺激と手術侵襲の評価 (萩平 哲)
1 術中の侵害刺激にはどのようなものがあるか
2 侵害入力とその応答のメカニズム
3 侵害入力と麻酔薬,鎮痛薬
4 侵害刺激の評価法
3-3 術後の痛みの評価 (加藤 実)
1 手術後の痛みを評価する目的
2 痛みの強さに対する視覚的スケールによる評価
3 痛みの強さに対する口頭式評価スケールによる評価
4 痛みの強さに対する表情・態度からの評価
5 痛みの性質に対する言葉による評価法
6 術後痛の評価に用いられる他の評価法
7 新しい痛みの評価指標
4章 周術期疼痛の有害作用
4-1 循環系への作用 (青木優太,山崎光章)
1 周術期疼痛と循環系への有害作用:合併症,死亡率
2 周術期疼痛による循環動態への影響
3 周術期疼痛による不整脈
4 周術期疼痛による心筋虚血
5 周術期疼痛による凝固・線溶系の障害
6 手術後の硬膜外鎮痛による循環系への作用
4-2 痛みと呼吸の相互作用 (孫 慶淑,磯野史朗)
1 呼吸の調節
2 痛みと呼吸調節
3 鎮痛による呼吸機能変化とその臨床的意義
4-3 内分泌・代謝系への作用 (江木盛時)
1 周術期疼痛が恒常性に与える影響
2 周術期疼痛によって生じる内分泌系の変化
3 周術期疼痛による内分泌系の変化によって生じる代謝反応
4-4 交感・副交感神経機能への作用 (石田祐基,西脇公俊)
1 正常時における交感・副交感神経の機能
2 組織損傷時の交感神経と疼痛
4-5 消化器系・泌尿器系への作用 (村川雅洋)
1 消化器系に対する周術期疼痛の作用
2 泌尿器系に対する周術期疼痛の作用
4-6 中枢神経系への作用 (宮下亮一,内野博之)
1 痛みの脳内メカニズム
2 痛みの情動・心理面への影響
3 痛みの睡眠への影響
4 痛みの記憶への影響
4-7 免疫系への作用 (河野 崇,横山正尚)
1 免疫系の概要
2 周術期の免疫機能
3 周術期疼痛と免疫機能
4 周術期疼痛管理と免疫機能
5章 周術期疼痛管理の実際
5-1 心臓外科手術における周術期疼痛管理 (鈴木麻葉,岡本浩嗣)
1 術後痛の原因による分類
2 術後痛の治療
3 慢性痛への移行
5-2 呼吸器外科手術における周術期疼痛管理 (住谷昌彦,山内英子,山田芳嗣)
1 開胸術後痛の手術因子
2 開胸術後痛に対する区域麻酔の意義
3 傍脊椎ブロックの手技
4 開胸術後痛に対する薬物療法
5 慢性開胸術後痛
5-3 上腹部手術における周術期疼痛管理 (杖下隆哉)
1 上腹部手術の特徴
2 上腹部手術後の鎮痛法
5-4 下腹部手術における周術期疼痛管理 (坂口嘉郎)
1 下腹部手術後の痛みの特徴
2 術後鎮痛法
5-5 整形外科手術における周術期疼痛管理 (瓜本言哉,鈴木利保)
1 整形外科手術患者の疼痛管理における特徴,問題点
2 周術期ごとの疼痛管理
3 手術部位別の疼痛管理
5-6 小児の周術期疼痛管理 (山本信一)
1 小児の鎮痛を取り巻く背景
2 痛みの評価
3 多様式鎮痛法(multimodal analgesia)に基づく鎮痛戦略
4 年齢に基づく鎮痛戦略
5 区域麻酔法の実際
6 局所麻酔薬以外の薬物
5-7 産科における周術期疼痛管理 (照井克生)
1 帝王切開術中の疼痛管理
2 帝王切開術後疼痛管理
3 妊娠中の手術の術後疼痛管理
5-8 高齢者の周術期疼痛管理 (西村友美,川口昌彦)
1 高齢者の疼痛管理における特徴
2 高齢者の周術期疼痛評価
3 高齢者の疼痛管理で主に使用する薬物
4 術後疼痛管理の方法
6章 周術期疼痛の治療法
6-1 オピオイドの全身投与 (山口重樹,池田知史)
1 オピオイド鎮痛薬
2 周術期に使用されるオピオイド鎮痛薬
3 手術中のオピオイド鎮痛薬(レミフェンタニル)投与の実際
4 術後痛のオピオイド鎮痛薬投与の実際
6-2 消炎鎮痛薬,COX-2 阻害薬,アセトアミノフェン (中村清哉,須加原一博)
1 消炎鎮痛薬
2 COX-2 阻害薬
3 アセトアミノフェン
6-3 術後痛に有効なその他の薬物 (西川精宣)
1 ケタミン
2 トラマドール
3 α2 アゴニスト
4 カルシウムチャネルα2δサブユニット遮断薬
6-4 今後臨床応用が期待される薬物 (廣瀬宗孝)
1 周術期疼痛のメカニズムと新規鎮痛薬のターゲット
2 ターゲットとなりうる化学物質とその受容体
6-5 患者自己調節鎮痛(PCA)とIV-PCA (徐 民恵,祖父江和哉)
1 IV-PCAとは
2 使用薬物
3 使用ポンプ
4 IV-PCAの実際
5 副作用
6 安全なシステムの確立
6-6 硬膜外鎮痛と硬膜外PCA (佐藤哲文,中塚秀輝)
1 硬膜外鎮痛法の利点と適応
2 硬膜外鎮痛法の欠点と禁忌
3 カテーテル留置部位
4 鎮痛薬の選択
5 患者自己調節硬膜外鎮痛法(PCEA)
6 副作用
6-7 脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔と脊髄くも膜下鎮痛単独 (杉山陽子,飯田宏樹)
1 脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(CSEA)
2 脊髄くも膜下鎮痛単独:オピオイドのくも膜下投与
6-8 末梢神経ブロック (北山眞任,廣田知美)
1 周術期疼痛管理における役割
2 頭頚部手術
3 上肢手術
4 下肢手術
5 体幹部ブロック
7章 病室以外での疼痛対策
7-1 ICUにおける疼痛管理 (森� 浩,鈴木武志)
1 ICUにおける痛みの頻度と影響
2 ICUにおける疼痛評価
3 ICUにおける鎮痛手段
4 ICU における疼痛管理の実際
7-2 ERにおける疼痛管理 (成松英智,新谷知久)
1 ERにおける鎮痛の必要性
2 鎮痛が病態診断に与える影響
3 ERにおける鎮痛
4 ERにおける病態別鎮痛法
7-3 検査室における麻酔・鎮静管理 (武田敏宏,白神豪太郎)
1 検査室での麻酔・鎮静の適応
2 検査室の検査/処置での注意点
3 検査/処置前計画
4 検査室での鎮静管理
5 麻酔・鎮静後管理
8章 周術期管理として取り組む疼痛対策
8-1 Acute Pain Serviceとしての取り組み (濱田 宏,河本昌志)
1 Acute Pain Service(APS)とは
2 チーム構成と各メンバーの役割
3 APSの業務の流れ
4 APSを立ち上げるために必要なこと
5 APSを安全に実践するために
8-2 周術期管理チームとしての取り組み (佐藤健治)
1 周術期管理チームとは
2 急性痛サービス(Acute Pain Service)チーム
3 目標志向型周術期管理における術後疼痛管理
4 周術期管理チームで取り組む術後疼痛管理
8-3 遷延性術後痛に対するペインクリニック外来の取り組み (田中 聡,川真田樹人)
1 遷延性術後痛
2 遷延性術後痛は麻酔科/ペインクリニック科の診療対象である
3 術後痛の原因
4 これまでの術後痛治療の問題点
5 遷延性術後痛に対する当科の取り組み
6 遷延性術後痛の防止法・治療法