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超絶解説
医学論文の難解な統計手法が手に取るようにわかる本
金原出版
電子版ISBN 978-4-307-80487-5
電子版発売日 2019年11月25日
ページ数 272
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-307-00487-9
印刷版発行年月 2019年11月
書籍・雑誌概要
近年、医学研究に用いられる統計手法が極めて高度化している。臨床家が現代の論文を斜め読みせず、真に理解するにはどうすればよいのか? そのためには臨床医学の進歩だけでなく、統計学の進歩もキャッチアップしていく必要がある。本書では、「どのような臨床的状況や臨床データに当てはまるか」に焦点を合わせ、日々進化する難解な統計手法を“臨床家目線”で徹底的にわかりやすく解説した。臨床疫学の専門家たちが贈る、すべての臨床家必携の一冊。
目次
イントロダクション 臨床疫学・統計学の基礎から応用へ
1. 臨床医学と臨床疫学
2.臨床研究のタイプ
3.バイアスの調整
4.臨床予測モデル
第1章 傾向スコア分析の応用 ―未測定交絡を傾向スコアで調整できる?
1.傾向スコア分析
2.高次元傾向スコア
第2章 操作変数法 ―究極の擬似ランダム化?
1.操作変数法とは
2.操作変数法を用いた擬似ランダム化
3.操作変数の種類
4.操作変数法の3条件の検証方法
5.操作変数法のその他の留意点
6.操作変数法の限界
7.操作変数法を用いた研究例
第3章 不連続回帰デザイン ―HPVワクチンで無防備な性交が増える?
1.不連続回帰デザインとは
2.不連続回帰デザインによる医療政策の影響評価
3.不連続回帰デザインが成立するための前提条件
4.不連続回帰デザインにおける治療効果の推定
5.不連続回帰デザインの限界
6.不連続回帰デザインを用いた研究の紹介
第4章 差の差分析 ―ポケモンGOで健康になれる?
1.前後比較デザインと差の差分析
2.差の差分析の実際
3.差の差分析が成り立つための仮定
4.差の差分析を用いた研究
第5章 時間依存性交絡と周辺構造モデル ―重症熱傷患者に対する気管切開術の効果は?
1.時間依存性交絡と時間依存性治療
2.時間依存性交絡因子の存在によって生じる問題
3.時間依存性交絡因子の対処方法
4.周辺構造モデルと因果推論
5.実際の作業工程と実例
第6章 感度分析 ―見方を変えれば姿が変わる?
1.感度分析とは
2.感度分析で検討される項目
3.さまざまな感度分析
第7章 生存時間分析における競合リスクモデル ―死ねば人工呼吸から離脱できる?
1.生存時間分析とは
2.競合リスクを考慮した生存時間分析
第8章 欠側データの取り扱いと多重代入法 ―データが欠けている患者は解析から除く?
1.欠測データとは?
2.記録されていないデータの扱い方
3.欠測データ発生のメカニズム
4.欠測データに対する統計解析手法
5.欠測データに対処した研究例
第9章 マルチレベル分析 ―患者は病院の色に染まる?
1.階層構造とマルチレベル分析
2.統計モデル
3.マルチレベル分析を用いた論文を読む際のポイント
第10章 症例対照研究、マッチド・ペア・コホート研究 ―統合失調症患者はがん診断が遅れる?
1.階層構造とマルチレベル分析
2.統計モデル
3.マルチレベル分析を用いた論文を読む際のポイント
第11章 自己対照研究デザイン ―インフルエンザが急性心筋梗塞のリスクを高める?
1.自己対照研究デザインとは
2.ケース・クロスオーバー法
3.自己対照ケースシリーズ
4.研究デザインの選択
第12章 臨床予測モデル ―10年以内に心血管イベントが起こる確率は?
1.多変量回帰モデルと臨床予測モデル
2.臨床予測モデルの作成方法
3.臨床予測モデルの結果の提示
4.臨床予測モデルの予測能の評価
5.臨床予測モデルの評価の対象
第13章 機械学習 ―アルゴリズムは経験知を超えるか?
1.機械学習の概略
2.機械学習の手法
3.機械学習の手順
4.論文紹介
5.機械学習の失敗
第14章 データベースにおけるバリデーション研究 ―リアルワールドデータを理解するために
1.データベースと妥当性
2.妥当性の評価
3.バリデーション研究の方法
4.バリデーション研究の活用例
索引
コラム
・臨床疫学・統計学を学ぶ機会
・統計家の困惑
・発生件数だけでオッズ比を導出する
・論文自動生成プログラムの怪
・臨床知識の寿命はどれくらいか?
・査読は難しい
・症例数は「40人75眼」
・同じデータに違う研究デザインを使ったら結論が「逆」に!?
・ゴルディアスの結び目
・研究対象者のリクルートは難しい
・QRISKに寄せられた批判と反応
・タダ飯はない
・データベース研究における縁の下の力持ち