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JASCCがん支持医療ガイドシリーズ
がん薬物療法に伴う末梢神経障害診療ガイドライン 2023年版
筆頭著者 日本がんサポーティブケア学会 (編)
金原出版
電子版ISBN 978-4-307-80471-4
電子版発売日 2023年6月22日
ページ数 96
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-307-20471-2
印刷版発行年月 2023年6月
書籍・雑誌概要
化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)は頻度の高い有害事象であるが、ASCOのガイドラインのみでは日本国内での実臨床に十分対応できない。そこでわが国の実情にあうようにCIPNの予防・治療について、薬物療法と非薬物療法でCQと推奨を掲載した。
そのほか、薬剤によるCIPN症状の違い、評価、臨床における諸問題などについても解説した実臨床に役立つガイドライン。
目次
第1章 本ガイドラインについて
1. 本ガイドライン作成の目的
2. 既存ガイドラインと本ガイドラインの関係
3. 本ガイドラインがカバーする範囲
4. アウトカムの重要性について
5. 文献検索
6. 文献の適格基準
7. エビデンスの確実性の決定
8. 推奨度
9. 作成手順
10. 利益相反開示事項
11. 本ガイドラインの評価
■ 診断、治療アルゴリズム
第2章 総論
A. CIPNの頻度
B. CIPNの症候学的分類
C. 病理組織学的分類と症状
D. CIPNと神経障害性疼痛の関係
E. CIPNのリスク因子
F. 鑑別診断に用いられる検査項目
G. 各薬剤によるCIPNの症状
1. 白金製剤
1)シスプラチン
2)オキサリプラチン
3)カルボプラチン
2. タキサン系製剤
1)パクリタキセル
2)ドセタキセル
3. ビンカアルカロイド系製剤
1)ビンクリスチン
2)ビンブラスチン、ビノレルビン
4. 免疫チェックポイント阻害薬
H. CIPNの評価
1. CIPN評価の概要
2. 定量的評価
1)感覚機能評価
2)運動機能評価
3)電気生理学検査
3. 医療者による評価
4. 患者報告による評価
5. 複合評価指標
6. 結語
I. CIPN以外の神経に関係する障害
1. がん薬物療法に伴う中枢神経障害
1)可逆性後頭葉白質脳症
2)急性脳症(遅延型脳症を含む)
3)中毒性白質脳症
4)脊髄症および無菌性髄膜炎
5)脳血管系合併症
6)認知障害
7)せん妄
2. 感覚器障害(聴覚、視覚、嗅覚など)
1)がん薬物療法による聴覚障害
2)がん薬物療法による視覚障害
3)がん薬物療法による嗅覚障害
J. 臨床における諸問題
1. CIPN における被疑薬の減量あるいは中止について
2. デュロキセチン
3. 化学療法誘発性急性神経障害について
1)オキサリプラチン
2)タキサン系製剤
4. CIPNにおける看護
1)CIPN症状のアセスメントと早期対応
2)セルフケア教育と行動介入
3)コントロール感覚を支援する
5. CIPN における理学的手法
1)末梢神経の抗がん薬曝露量低減によるCIPNの予防
2)神経障害性疼痛と筋・筋膜性疼痛の緩和
3)CIPN により障害された感覚運動機能のリハビリテーション
4)感覚過敏や感覚鈍麻に配慮した環境整備による症状緩和と生活障害の軽減
5)運動・行動介入による心身機能の向上
K. 米国臨床腫瘍学会および欧州臨床腫瘍学会-欧州腫瘍看護学会-欧州腫瘍神経学会CIPNガイドラインの紹介
1. ASCOガイドラインの要約
2. ESMO-EONS-EANOガイドラインの推奨の要約
L.「がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き2017年版」公表の効果の検証
M. ガイドライン普及と活用促進のための工夫
第3章 クリニカルクエスチョンと推奨
CQ1. CIPN症状(しびれ、疼痛)の予防として何が推奨できるか。
1. 薬物療法による予防
1)牛車腎気丸
2)プレガバリン
3)カルニチン(アセチル-L-カルニチン)
2. 非薬物療法による予防
1)冷却
2)圧迫
3)運動
4)鍼灸
CQ2. CIPN症状(しびれ、疼痛)の治療として何が推奨できるか。
1. 薬物療法による治療
1)デュロキセチン
2)アミトリプチリン
3)プレガバリン
4)ミロガバリン
5)ビタミンB12
6)非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)
7)オピオイド
8)薬物の併用療法
2. 非薬物療法による治療
1)運動
2)鍼灸
■ 平山泰生先生を偲んで 〜CIPNの未来を切り開いた男〜
■ 索引