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器質か心因か

器質か心因か
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筆頭著者 尾久 守侑 (著)

中外医学社

電子版ISBN

電子版発売日 2021年1月13日

ページ数 127

判型 A5変形

印刷版ISBN 978-4-498-22926-6

印刷版発行年月 2021年1月

DOI https://doi.org/10.18886/9784498229266

書籍・雑誌概要

内科診療のなかで,明らかに心理的な反応にみえる身体症状の背景に,身体疾患が隠れているのを経験することはないだろうか.「器質か心因か」を巡る状況は内科医にとって非常にcommonな診療場面であるにもかかわらず,そのアプローチについては意識が向いてこなかった.そこで本書では,精神科の世界で古くから報告されてきた概念である「心理的加重」を紹介する.器質因があると心因反応がより起こりやすくなる現象への理解は,内科医の臨床レベルを数段向上させる.

目次

はしがき

第1章 器質か心因か
 器質か心因か
 器質を示唆する症状を呈すが、心理的な問題が原因のとき
 心因を示唆する症状を呈すが、身体疾患が原因のとき
  1.心理的加重(psychogenic overlay)
  2.健康な精神機能の減弱

第2章 鬼の首をとった気になる前に
 鬼の首をとった気になる前に
 心因反応と思考するに至る4つのプロセス
  1.“身体疾患からの逸脱”という文脈
  2.心因反応の積極的な証拠の発見
  3.原因となりそうな「心理的な葛藤」の発見
  4.現場をとりまく構造からの影響

第3章 心因反応の方程式
 心因反応の方程式
 除反応という視点
 内科でよく接する心因反応のパターン
    a.愁訴の増幅/情動変化
     症例a1:待合で怒鳴るサラリーマン
     症例a2:帯状疱疹の治療中に人格変化をきたした高齢女性
     症例a3:泣き続けるマイコプラズマ肺炎の女性
     症例a4:胸が苦しいと訴え続ける認知症の女性
    b.過呼吸・動悸発作
     症例b1:過呼吸を起こした高齢男性
    c.転換症状
     症例c1:失立失歩・失声を呈した女性
     症例c2:ヒステロ・エピレプシー
     症例c3:「脳炎ではありません」
d.神経衰弱(不定愁訴)
     症例d1:テスト前の睡眠不足で神経衰弱?
     症例d2:引き算しても残る便秘
     症例d3:心因反応ときちんと診断する
     症例d4:むち打ち症は器質か心因か
     症例d5:慢性化した不定愁訴

第4章 メスの深さ

第5章 “病気”でないことの伝え方
 “病気”でないことの伝え方
 あまりやらないほうがいいこと
  1.病的意義のない検査異常と症状を結びつけて説明する
  2.身体疾患「風」の病名をつける
  3.否定できない病気があることを伝える
  4.とりあえず精神科/心療内科を紹介する
 大切だと思うポイント
    a.患者の訴えをよく聞き、事実レベルではなくメタレベルで応答する
    b.検査をする前に検査異常がなかったらどうするかを尋ね、先に心身相関の説明をしておく
    c.身体疾患ではどうやらなさそうと伝え、心身相関の可能性についてもう一度一緒に考える
    d.精神科/心療内科を紹介するにせよ、自分で治療するにせよ、引き続き関わることを伝える

第6章 動揺が症状に影響を与える
 動揺が症状に影響を与える
     症例1(職場の動揺)
     症例2(親の動揺)
     症例3(医師の動揺)

まとめ
主要参考文献

あとがき
謝辞