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糖尿病性腎臓病の診かた,考えかた
筆頭著者 和田 隆志 柏原 直樹 (編著)
金沢大学医薬保健学総合研究科腎臓内科学教授/川崎医科大学腎臓・高血圧内科学教授
その他の著者等 古市賢吾/湯澤由紀夫/稲熊大城/高橋和男/伊藤衣里/秋山真一/久米真司/鈴木芳樹/宮本 聡/四方賢一/小田香織/利根淳仁/梶谷展生/大西章史/杉山 斉/遠山直志/徳丸季聡
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2018年12月24日
ページ数 224
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-498-22436-0
印刷版発行年月 2018年6月
書籍・雑誌概要
糖尿病の視点からも腎臓病の視点からも大きなテーマである糖尿病性腎症.近年ではdiabetic kidney disease
(DKD)という新しい用語も現れ,「糖尿病性腎臓病」と訳され,その定義付けが課題の一つとなっている.この
ように糖尿病性腎症を取り巻く環境が変化する中で,最新の知見を踏まえて従来の腎症との違いを理解すること
は必須.本書では多様化する臨床病態を見抜く洞察力を手に入れるべく,エキスパートが結集しまとめあげた.
目次
Ch. I 臨床疫学[和田隆志]
■ 超高齢社会により糖尿病性腎症・糖尿病性腎臓病はどのように変化したか?
■ 糖尿病例における正常アルブミン尿かつ腎機能低下例:糖尿病性腎症?
■ 2型糖尿病にみられる糖尿病性腎症の早期病変とは?
■ 高齢者の糖尿病性腎症の臨床的な特徴は?
■ 糖尿病性腎症と腎硬化症
■ 現在社会を背景とした糖尿病性腎症レジストリー
■ 糖尿病性腎症病期分類2014
■ 2型糖尿病例では急性腎障害が起こりやすい
■ 糖尿病性腎症とアジア諸国を中心とした国際共同研究の展開
■ 糖尿病性腎症は寛解が見込まれるか?
■ アルブミン尿・蛋白尿が改善すると予後の改善も見込まれる?
■ 糖尿病性腎症とチーム医療
Ch. II 病理・臨床像[古市賢吾]
■ 腎生検の適応
臨床的背景
糖尿病性腎症の臨床的特徴
腎生検を考慮するポイント
腎生検の意義
■ 病理所見の定義とその鑑別
びまん性病変
結節性病変
びまん性病変と結節性病変の鑑別
GBM二重化・内皮下腔開大
滲出性病変
メサンギウム融解
糸球体肥大
糸球体門部小血管増生
全節性硬化
分節性硬化
間質線維化/尿細管萎縮
間質の細胞浸潤
細動脈硝子化
動脈硬化
■ 糖尿病性腎症と腎硬化症
糖尿病性腎症
腎硬化症
糖尿病性腎症と腎硬化症
■ 病理所見の臨床的意義
Ch. III 診断・バイオマーカー[湯澤由紀夫,稲熊大城,高橋和男,伊藤衣里,秋山真一]
■ 臨床診断
糖尿病の分類と診断
どういう場合に糖尿病性腎症を疑うか?
糖尿病性腎症診断の実際の例
■ 病理診断
糖尿病性腎症による腎の変化
病態生理
腎生検の適応
結節性病変の鑑別
■ 臨床的バイオマーカー
バイオマーカー
腎障害の理想的なバイオマーカーは?
尿中バイオマーカー
血清・尿中の炎症性バイオマーカー
血清・尿中の酸化ストレスバイオマーカー
■ 基礎的バイオマーカー
バイオマーカー探索技術の進歩
オミックス科学と分析技術
糖尿病性腎症における基礎的バイオマーカー
システムズ生物学への統合と人工知能による診療時代の到来
Ch. IV 治療 1:生活習慣に関わる治療・指導
1 生活指導・運動療法 [久米真司]
■ 生活指導の実際
生活指導概論
生活習慣改善・維持のための戦略 ─目標の設定─
生活習慣改善・維持のための戦略 ─自己管理のサポート─
糖尿病性腎症患者に求められる生活指導
生活指導の一実践例
生活指導のまとめ
■ 運動療法
糖尿病性腎症における運動療法の現状
糖尿病性腎症における運動療法の有効性
運動療法の実際─リスク評価と注意事項─
運動療法の実際─運動療法の処方─
運動療法のまとめ
2 食事療法 [鈴木芳樹]
■ CKDおよび腎症の食事療法基準
■ エネルギー
■ 蛋白質
■ ナトリウム(食塩)
■ カリウム
■ リン
■ CKDおよび腎症におけるLPDに関するエビデンス
腎代替療法までの期間延長
腎機能低下の抑制
尿蛋白(アルブミン)量の減少
サルコペニア,フレイル,protein-energy wasting(PEW)
■ 体重の取り扱い方
■ 注目されている問題および今後の食事療法の展望
Ch. V 治療 2:血圧管理[柏原直樹]
■ 治療の基本方針
■ 糖尿病性腎症の基盤病態
腎内微小血行動態の異常
血管内皮機能障害
■ 糖尿病性腎症における血圧管理:130/80mmHg未満の厳格な降圧が必要
■ 糖尿病性腎症の第一選択薬:RA系阻害薬
糖尿病性腎症進展抑制,重症化抑制効果
糖尿病性腎症の発症抑制効果
■ 降圧薬併用療法
RA系阻害薬と利尿薬の併用のアドバンテージ
Ca拮抗薬併用のアドバンテージ
RA系阻害薬の併用療法
Ch. VI 治療 3:血糖管理と新しい治療法の開発
1 G1〜G3aの血糖コントロール [宮本 聡,四方賢一]
■ 糖尿病性腎症の病期分類
治療方針
血糖コントロールの目標値
■ 血糖コントロールと腎症の進展抑制
■ 血糖コントロール上の留意点
■ G3aにおける薬物療法上の留意点
2 G3b以降の血糖コントロール[小田香織,四方賢一]
■ 経口血糖降下薬
■ インスリン製剤
■ GLP-1受容体作動薬
Column 1 糖尿病性腎症の透析管理[大西章史,杉山 斉]
血糖管理
体液管理
血圧管理
骨代謝の管理
透析療法の選択(血液透析か,腹膜透析か)
3 糖尿病治療薬の選択[利根淳仁,四方賢一]
■ 糖尿病治療薬の選択にあたって
ビグアナイド薬
DPP-4阻害薬
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害薬
SU薬,速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
その他の薬剤(αグルコシダーゼ阻害薬,チアゾリジン薬)
インスリン
■ 腎保護作用が期待される糖尿病治療薬
4 集約的治療[梶谷展生]
■ 糖尿病性腎症に対する集約的治療
■ 早期腎症を有する2型糖尿病に対する集約的治療の効果
■ 顕性腎症患者に対する集約的治療の効果
■ 本邦における糖尿病性腎症の進展抑制のための集約的治療
Column 2 チーム医療の実践スキル[遠山直志,徳丸季聡,古市賢吾,和田隆志]
チーム医療とは
糖尿病性腎症におけるチーム医療の目的
糖尿病性腎症のチーム医療を実践する仕組み
チーム医療における専門性
チーム医療を推進する診療体制
チーム医療に対する診療報酬
チーム医療の研究例 1:Steno-2 試験
チーム医療の研究例 2:FROM-J研究
チーム医療の研究例 3:DNETT-Japan 試験
5 期待される今後の治療薬[四方賢一]
■ 糖尿病性腎症の成因と治療薬
糸球体血行動態異常とレニン・アンジオテンシン系の亢進
糖化反応
酸化ストレス
細胞内代謝異常
炎症
■ 新たな糖尿病治療薬の開発
ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
■ エンドセリン受容体拮抗薬
バルドキソロンメチル
SGLT2阻害薬
GLP-1受容体拮抗薬
索引