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腎臓内科医のための腎移植の診かた
筆頭著者 今井 直彦 (編著)
その他の著者等 谷澤雅彦/佐々木秀郎/力石辰也/河原崎宏雄/中澤龍斗/松井勝臣/内田大介/小池淳樹/服部元史/山内淳司/櫻井裕子
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2018年9月24日
ページ数 268
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-498-22420-9
印刷版発行年月 2015年9月
書籍・雑誌概要
腎移植を受ける患者数は年々増加し,移植前の評価や移植後の長期フォローなど,その内科的管理の重要性が高まっている.よもや腎移植は泌尿器科医だけのものではなく,腎臓内科医が積極的に関わることが必要だ.本書ではそんな現状を踏まえ,腎臓内科医の視点から腎移植患者を診るために必要な知識とポイントをまとめた初めての書である.平易かつ分かりやすい解説で,医師のみならず腎移植に携わる医療スタッフ全てにお薦めしたい.
目次
1章 腎移植とは 〈今井直彦〉
腎移植の種類
1. 生体腎移植と献腎移植
2. 血液型適合腎移植と血液型不適合腎移植
腎移植の成績
1. 生着率
2. 生存率
腎臓内科医の果たす役割
2章 術前評価
1.生体腎移植ドナーの評価〈今井直彦〉
ドナーになれる人
ドナーの評価
ドナーへの適切な情報提供
1. 手術のリスク
2. 予後のリスク
ドナーの自発性の確認と自主性の尊重
■ドナーの医学的評価
アムステルダムフォーラムガイドライン
医学的評価の進め方
1. ドナーの腎臓の評価
2. ドナーの腎臓以外の評価
2.生体腎移植レシピエントの評価〈谷澤雅彦〉
移植のオプション提示と術前評価の開始
1. 移植のオプション提示の時期
2. 術前評価開始の時期
腎移植の適応
1. 倫理・社会的評価
2. 精神的評価
3. 医学的評価
術前評価の実際
3.組織適合性とクロスマッチ〈佐々木秀郎 力石辰也〉
HLA とは
組織適合性検査(HLA タイピングと抗体検査)
1. HLA タイピングについて
2. 抗体検査について
3章 先行的腎移植(PEKT) 〈今井直彦〉
なぜ先行的腎移植か
本邦および世界での先行的献腎移植の現状
先行的献腎移植はいつするのがよいか
先行的腎移植は誰のためか
先行的腎移植の準備
透析期間と移植後の予後
先行的腎移植の予後はなぜよいか
4章 ABO 血液型不適合腎移植 〈河原崎宏雄〉
ABO 血液型とは
ABO 血液型抗原と拒絶反応
ABO 血液型のタイピング
ABO 血液型不適合腎移植と腎生着率
ABO 血液型不適合の術前治療の実際
1. 抗血液型抗体の産生抑制:免疫抑制薬,リツキシマブ/脾摘
2. 抗血液型抗体の除去:アフェレシス
5章 既存抗体陽性の腎移植 〈河原崎宏雄〉
HLA とHLA 型
抗HLA 抗体の検出:HLA のタイピングと抗体検査
HLA の一致と腎生着率
抗ドナー特異抗体:DSA(donor・specific・antibody)とは
DSA 陽性と腎生着率
既存抗体陽性例の術前治療の実際
6章 免疫抑制薬について 〈谷澤雅彦〉
免疫抑制薬の変遷と移植成績
免疫抑制療法の基本
1. 導入療法
2. 維持療法
各論
1. 抗体製剤
2. ステロイド
3. カルシニューリン阻害薬(CNI)
4. 代謝拮抗薬
5. mTOR 阻害薬
7章 腎移植レシピエントの周術期管理 〈中澤龍斗〉
生体腎移植
1. ABO 適合生体腎移植
2. ABO 不適合生体腎移植
献腎移植
1. 術前の管理
2. 術中・術後の管理
8章 移植腎機能障害 〈松井勝臣〉
移植後の時期および発症様式による分類
1. 移植直後(術後~1 週間以内)
2. 移植後早期(1 週間~3 カ月以内)
3. 移植後後期(3~6カ月以降)に急激に血清クレアチニン値が上昇
4. 移植後後期(3~6カ月以降)で徐々に血清クレアチニン値が上昇
9章 拒絶反応(その治療を中心に) 〈今井直彦〉
拒絶反応の分類
T細胞性拒絶反応と抗体関連型拒絶反応
拒絶反応:各論
1. 超急性拒絶反応
2. 促進型急性拒絶反応
3. 急性拒絶反応
4. 慢性拒絶反応
10 章 移植外来
1.腎移植ドナーのフォロー〈今井直彦〉
増えているハイリスクドナー
ドナー外来での腎臓内科医の役割
1. 腎機能障害
2. 高血圧
3. 蛋白尿
4. 糖尿病
5. CVD の予防
6. 精神面の健康とQOL
2.腎移植レシピエントのフォロー
a.一般的な内科管理〈河原崎宏雄〉
生活習慣病の管理
1. 高血圧
2. 新規発症移植後糖尿病
3. 脂質異常症
4. 高尿酸血症
5. 肥満
貧血の管理
CKD─MBD の管理
1. 高カルシウム血症
2. 低リン血症
b.再発腎炎〈松井勝臣〉
原疾患と再発腎炎
■各論
IgA 腎症
巣状分節性糸球体硬化症
膜性腎症
膜性増殖性糸球体腎炎
1. MPGNⅠ型
2. MPGNⅡ型(DDD)
ANCA 関連血管炎
抗GBM 型腎炎
ループス腎炎
hemolytic・uremic・syndrome(HUS)
1. 移植前の介入
2. 移植後の介入
c.感染症〈内田大介〉
common・is・common
移植患者へのアプローチ
1. 移植後からの期間
2. 微生物の曝露源
3. 予防内服の有無
■各論
細菌感染症
1. 尿路感染症
2. 呼吸器感染症
3. 創部感染症
ウイルス感染症
1. 単純ヘルペスウイルス(HSV)
2. 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)
3. サイトメガロウイルス(CMV)
4. EB ウイルス(EBV)
5. BK ウイルス(BKV)
6. 肝炎ウイルス
真菌感染症
1. ニューモシスチス肺炎
ワクチン接種について
d.悪性腫瘍〈今井直彦〉
疫学
悪性腫瘍の由来
危険因子
発がんリスクと発がん率
予防
早期発見とスクリーニングの重要性
治療
e.腎移植患者の妊〈今井直彦〉
妊孕性の回復
妊娠のリスク
1. 妊娠が腎機能に与える影響
2. 腎機能が妊娠に与える影響
妊娠中の内科的管理
1. 高血圧
2. 糖尿病
3. 貧血
4. 感染症
妊娠を許可する条件
妊娠と免疫抑制薬
11 章 バンフ分類 〈小池淳樹 服部元史〉
拒絶反応の考え方とバンフ分
最新バンフ分類─Banff・2013─による拒絶反応の診断
1. カテゴリー2:AMR
2. カテゴリー3,4:Borderline,TCMR
拒絶反応と鑑別を要する移植腎障害
1. カルシニューリン阻害薬の腎障害
2. BK ウイルス腎症
12 章 献腎移植 〈山内淳司〉
献腎移植の統計
1. 件数
2. 成績
3. 待機期間
登録の実際について
1. 登録の適応
2. 献腎移植希望登録の流れ
3. 登録申請に必要な検査と医学的情報
レシピエントの評価と検査
献腎移植登録期間中のフォローアップ
レシピエントの選択基準
献腎移植手術前後の流れ
献腎ドナーの適応基準
1. 活動性感染症
2. 悪性腫瘍
3. 腎機能
4. 年齢
13 章 レシピエント腎移植コーディネーター 〈櫻井裕子〉
まだまだ足りないレシピエント移植コーディネーター
術前の役割:生体腎移植希望の場合
1. 情報提供
2. 面談
3. 検査立案・スケジュール管理
4. 各部署との調整
5. 患者指導
術前の役割:献腎移植希望の場合
1. 情報提供
2. 面談
3. 検査立案・スケジュール管理
4. 各部署との調整
術後の役割
1. 問診
2. 医師の診察
3. 処方監査・服薬指導
4. 栄養指導,運動指導
索引