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腹腔内内ヘルニア大全
筆頭著者 三毛 牧夫 (著)
総合南東北病院総合診療科
中外医学社
電子版ISBN
電子版発売日 2021年1月12日
ページ数 408
判型 B5判
印刷版ISBN 978-4-498-04350-3
印刷版発行年月 2021年1月
書籍・雑誌概要
腹腔内内ヘルニアの歴史は非常に古いにもかかわらず,その概念・定義もいまだ明確ではない.この状況を打破するために,最新の論文はもちろん,多数の歴史的な原著・原論文を実際に参照して腹腔内内ヘルニアの歴史を辿った上で,現代の発生学・筋膜解剖学に則った正確な膜構造の理解を礎として,腹腔内内ヘルニアを俯瞰した.添えられた多数の分かりやすいイラストが,読者の理解をさらに深める.まさに唯一無二の1冊.
目次
序章
1 ヒト発生と筋膜構成が明らかになったことによる理解の変遷
2 根本的な用語の定義の問題解決
3 重複記載について
4 腹腔内内ヘルニアを統合再定義することの意義
総論
第1章 基礎編―人体発生―
I ヒトの発生段階
1 受精(fertilization)
2 卵割(cleavage)
3 着床
4 胚盤葉上層と胚盤葉下層
5 原腸形成(gastrulation)
6 ボディプラン(体の設計;body plan)
7 器官形成(organogenesis)
II 消化管の発生
1 3週の初め
2 3週と4週の間
3 原腸発生の早期
4 中腸発生に関するStageについての考え方の変遷
III 腸管回転と固定,そして癒合
1 「一括回転(en-bloc rotation)」概念
2 Soffers概念
IV Treitz靱帯(十二指腸提筋;superior retention band),Inferior retention bandと横隔結腸靱帯
1 Treitz靱帯(あるいは,十二指腸提筋)
2 Inferior retention bandと横隔結腸靱帯
3 Retention bandのまとめ
第2章 腸回転異常と固定異常(Malrotation and Malfixation)
はじめに
1 歴史
2 言葉の定義
3 分類の考え方
4 発生学的分類
附1)Bill分類
附2)腹腔内の膜様構造物
第3章 腹腔内内ヘルニア(総論)(Internal intra-abdominal hernia)
はじめに
I 胎生期の腹膜配置・体壁の概念
II 後腹膜と後腹膜腔
III 言葉の定義―hernia―
1 基本用語
2 外ヘルニアと内ヘルニア
IV 本書における腹腔内内ヘルニアの分類
V 臨床所見と診断
1 臨床症状
2 診断
VI 腸閉塞症
各論
第1章 傍十二指腸ヘルニア(Paraduodenal hernia)
はじめに
I 傍十二指腸ヘルニアの歴史
II 傍十二指腸ヘルニアの定義
III 傍十二指腸窩とヘルニア
1 傍十二指腸窩の形成理論と概念
2 傍十二指腸ヘルニアの形成理論と概念
IV 統計
V 症状
VI 放射線学的診断
VII 治療
VIII 傍十二指腸ヘルニアの各型
附1)網嚢(omental bursa, lesser peritoneal sac)
附2)腹部血管解剖
第2章 結腸間膜が関係する内ヘルニア(Mesocolic hernia)
はじめに
1 総論
2 横行結腸間膜が関与した内ヘルニア
3 S状結腸間膜に関与した内ヘルニア
4 その他の結腸間膜ヘルニア
附)Interparietal herniaとinterstitial hernia
第3章 小腸間膜ヘルニア(Mesenteric hernia)
I 小腸間膜裂孔ヘルニア(Transmesenteric hernia)
II 小腸間膜内ヘルニア〔Intramesenteric(pourch)hernia〕
第4章 大網ヘルニア(Omental hernia;Epiploic hernia)
I 網嚢と大網の発生学
II 大網ヘルニアの分類
III 大網内ヘルニア(Intra-omental hernia)
1 発生学
2 臨床所見
IV大網裂孔ヘルニア(Trans-omental hernia,Trans-epiploic hernia)
1 歴史的背景
2 大網欠損の発生学
3 分類
4 統計
5 臨床的特徴
6 放射線学的検査
7 複合型大網裂孔ヘルニア
8 外科治療
第5章 小網裂孔ヘルニア(Lesser omental hernia)
1 発生と解剖
2 原因
3 分類
4 統計
5 臨床的所見
6 放射線学的検査
7 複合型小網裂孔ヘルニア
8 外科治療
第6章 Winslow孔ヘルニア(網嚢孔ヘルニア)(Hernia through the epiploic foramen of Winslow)
I 歴史
II 網嚢と大網の発生学
III 解剖学
IV Winslow孔ヘルニアの発生機序因子と特徴
V 統計
VI 分類
VII臨床的特徴
1 臨床症状
2 身体所見
VIII 臨床検査
IX 放射線学的検査
1 腹部単純X線検査
2 造影検査
3 超音波検査
4 腹部CT検査
5 Multidetector CT-Scan(MDCT)
X 鑑別診断
XI 外科治療
XII 複合型Winslow孔ヘルニア(Re-entrant hernia)
XIII 手術を終了するに際しての注意
XIV 予後
第7章 肝鎌状間膜に関与するヘルニア(Hernia involving the falciform ligament)
I 腹側胃間膜の発生学
II 解剖学
III 歴史
IV 分類
V 成因
VI 統計
VII 臨床的特徴
1 新生児
2 成人
VIII 臨床症状および臨床所見
IX 放射線学的検査
1 腹部・胸部単純X線検査
2 腹部CT検査
X 外科治療
附1)Aberrant umbilical vein症例
附2)肝鎌状間膜のヘルニア化
第8章 盲腸周囲ヘルニア(Pericecal hernia,Paracecal hernia)
I 発生学
II 解剖学
III 盲腸周囲の窩
1 上回盲窩
2 下回盲窩
3 後盲腸窩
4 傍結腸窩
5 盲腸窩
6 Hartmann窩
IV 成因
V 盲腸周囲ヘルニアの分類
VI 統計
VII 臨床的特徴
1 上回盲窩ヘルニア
2 下回盲窩ヘルニア
3 後盲腸窩ヘルニア
4 傍結腸窩ヘルニア
5 盲腸窩ヘルニア
6 Hartmann窩ヘルニア
VIII 放射線学的検査
1 造影検査
2 腹部CT検査
IX 外科治療
附)腸骨筋膜下窩ヘルニア(Hernia of fossa iliaco-subfascialis)
第9章 Mesodiverticular vascular band herniaおよび他の先天性血管バンド
I Meckel憩室
II Mesodiverticular vascular bandの発生学
III 血管発生学
IV Mesociverticular vascular bandの分類
V 統計
VI Mesodiverticular vascular band herniaの臨床的特徴
VII その他の先天性血管バンド
VIII 外科治療
附)偶発的に検出されたMeckel憩室の対策
第10章 子宮広間膜ヘルニア(Hernia of the broad ligament of the uterus)
I 発生学
II 解剖学
III 分類
1 歴史
2 Cilley分類
3 新しい型分類
IV 統計
V 臨床的特徴
VI 子宮広間膜ヘルニア各論
1 子宮広間膜裂孔ヘルニア(Transligamentuous hernia of the broad ligament)
2 子宮広間膜内ヘルニア(子宮広間膜内ポーチヘルニア)
VII 外科治療
第11章 内膀胱上窩ヘルニア(Internal supravesical hernia)
I 歴史
II 解剖学
1 臍襞(臍靱帯)
2 腹部・骨盤内筋膜構成
3 膀胱周囲腔
III 分類
IV 統計
V 病因
VI 臨床的特徴
1 症状
2 臨床所見
VII 放射線学的検査
1 膀胱鏡検査
2 骨盤CT検査
VIII 外科治療
IX 予後
附1)外膀胱上窩ヘルニア(External supravesical hernia)
附2)その他の骨盤内内ヘルニア
第12章 手術既往のない後天性腹腔内ヘルニア
I 炎症過程に続発するヘルニア
1 急性虫垂炎
2 手術既往のない腹部の癒着
II 鈍的外傷に続発するヘルニア
第13章 医原性腹腔内内ヘルニア(Iatrogenic intra-abdominal hernias)
I 吻合後ヘルニア(Retroanastomotic hernia)
1 歴史的背景
2 吻合部背側腔
3 ヘルニアの型
4 臨床的特徴
5 臨床検査所見
6 放射線学的検査
7 外科的治療
8 予防
II 人工肛門(ストーマ)に関係した腹腔内内ヘルニア
III 横行結腸切除術後後胃ヘルニアと術後小網裂孔ヘルニア
IV 肥満に対するバイパス手術による内ヘルニア
V 根治的後腹膜リンパ節郭清による内ヘルニア
VI 子宮懸垂術後の内ヘルニア
VII 腹腔内内ヘルニアの病因としての腹膜外手術
1 腹膜外傍移植片内ヘルニア
2 恥骨後大腿―大腿バイパス移植片後内ヘルニア
索引