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子どもの心臓聴診
聴診からわかる病態
筆頭著者 中澤 誠 (著者)
メジカルビュー社
電子版ISBN
電子版発売日 2019年7月1日
ページ数 128
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-7583-1956-0
印刷版発行年月 2019年4月
書籍・雑誌概要
子どもの心臓病の診断法には「心エコー図」が有用であることは,誰でも知っている。しかし,正しい手順で必ず行われているだろうか。見落としはないだろうか。また,心エコー機器が常に手元にあるとは限らない。
診療現場には聴診器が必ずある。正しい聴診を行えば,心機能の良し悪しを簡単に推量することが可能である。聴診での病態の判断は月齢,年齢を超えて共通なので,所見をしっかり把握し,疑問をもち診療に当たることが大切である。
本書を読んで,聞いて,是非,その一歩を踏み出してほしい。
※Webでの聴診音リスニング付き
目次
■Ⅰ 総論
A 聴診器
B 聴診の基本
C 心音
C-1 Ⅰ音とⅡ音
C-2 心音の異常
C-2-1 心音の亢進・減弱
C-2-2 Ⅰ音の異常
a 亢進
b 減弱
c 強弱の変化
C-2-3 Ⅱ音の異常
a Ⅱ音の分裂
b Ⅱ音の亢進
C-2-4 過剰音(過剰心音)
a 収縮期過剰音
a-1 駆出クリック(駆出音)
a-2 収縮中期(後期)クリック
b 拡張期過剰音
b-1 Ⅲ音
b-2 Ⅳ音
b-3 房室弁開放音(opening snap)
D 心雑音
D-1 雑音の発生
D-1-1 雑音は乱流から
D-1-2 狭窄の形態が乱流発生を左右する
D-1-3 血流速度が増すと乱流が大きくなる
D-1-4 雑音の大きさは解剖学的形態と一対一対応ではない
D-2 雑音の周波数(高調と低調)と聴診器のヘッド:膜型かベル型か?
D-3 収縮期心雑音
D-3-1 収縮期駆出性心雑音
a 機能性心雑音
b 器質的心雑音
D-3-2 収縮期逆流性心雑音
D-3-3 収縮期心雑音の最強点と疾患
D-4 拡張期心雑音
D-4-1 拡張期逆流性心雑音
D-4-2 拡張期流入性心雑音
D-4-3 拡張期心雑音の最強点と疾患
D-5 収縮期拡張期心雑音
D-5-1 連続性心雑音
D-5-2 to and fro(往復性)心雑音
D-5-3 心膜摩擦音
D-5-4 連続性心雑音/ 収縮期拡張期心雑音の最強点と疾患
■Ⅱ 各論
A 雑音と診断
B 新生児期発症の心疾患
B-1 完全大血管転位/ 転換症
B-2 総肺静脈還流異常症
B-3 大動脈縮窄複合(大動脈縮窄+心室中隔欠損)
B-4 肺高血圧+α
B-5 肺動脈閉鎖症+動脈管開存
B-6 肺動脈弁欠如症
C 乳児期以降発症の主な疾患
C-1 心室中隔欠損症
C-1-1 雑音の最強点
C-1-2 欠損孔の大きさ,肺高血圧の程度による聴診所見の特徴
C-2 心房中隔欠損症(二次孔心房中隔欠損)
C-3 心内膜床欠損症(房室中隔欠損症)
C-3-1 不完全型心内膜床欠損症(房室中隔欠損,一次孔心房中隔欠損)+僧帽弁閉鎖不全
C-3-2 完全型心内膜床欠損症(房室中隔欠損)+僧帽弁閉鎖不全
C-4 動脈管開存症
C-5 Fallot 四徴症
C-5-1 右室流出路狭窄例
C-5-2 肺動脈閉鎖例(所謂,Fallot 四徴症極型)
C-6 肺動脈狭窄症
C-6-1 肺動脈弁狭窄症
C-6-2 肺動脈弁下(漏斗部)狭窄
C6-3 末梢性肺動脈狭窄症
附 先天性肺動脈弁閉鎖不全(肺動脈弁低形成)
C-7 大動脈弁狭窄症
C-8 Ebstein 病
C-9 修正大血管転位症,心内合併奇形のない例
C-10 冠動脈瘻
D 術後例
D-1 大動脈肺動脈短絡術後
D-2 Fallot 四徴症,心内修復術後
D-3 Rastelli 手術後
D-4 人工弁置換術後
D-5 心膜摩擦音
■Column
聴診は,患者・家族との信頼関係を築く重要で,かつ,簡単なツールである
あなたは心臓聴診所見を述べるとき「心雑音は……」と言ってはいないか? でも,それは正しいのか?
心音異常の聴取は診断へ導く
Ⅰ音の分裂:駆出音をしっかり聞き分けられるか?
Ⅲ音の正確な聴取が患者を救う
心雑音はすべて心疾患ではない
聴診は,良い聴診器だと良く聴こえるか? Yes or No
Episode =昔の経験=
新生児の心雑音が心疾患発見のきっかけ?