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児頭下降度の評価と鉗子遂娩術
安全・確実な吸引・鉗子分娩のために
筆頭著者 竹田 省 (編集)
その他の著者等 関博之 編集
メジカルビュー社
電子版ISBN 978-4-7583-7804-8
電子版発売日 2016年12月12日
ページ数 128
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-7583-1246-2
印刷版発行年月 2015年4月
書籍・雑誌概要
鉗子遂娩術は,分娩経過に何らかの異常がみられたときの急速遂娩法のひとつであり,産科医にとってぜひ覚えておきたい手技である。歴史も古く世界中で施行されてきたが,昨今では吸引分娩や帝王切開が広く普及し選択の機会が減少している。しかし,児娩出までの時間が短く確実に娩出できるなどのメリットもあり,“適応と要約”を守れば安全・確実に実施可能である。成功に導くために最も重要なことは,児頭の下降度を正しく評価して実施することであり,本書では精緻なイラストにより詳しく解説した。そのため,鉗子分娩を行っていない施設の医師であっても,吸引分娩の際に役立つ内容が記述されている。
また,分娩時の児頭と母体骨盤の位置関係を,CG動画にまとめて収録している。分娩経過に沿った児頭の下降や回旋の様子がリアルに表現され,鉗子遂娩手技の実際を目で見て学ぶことができる。
目次
1章 産科鉗子の歴史 藤井知行
産科鉗子の発明
わが国独自の急速遂娩用具(和製産科鉗子)
わが国への西洋産科鉗子の紹介
わが国への産科鉗子の伝来
2章 産科鉗子の種類,構造,東大式ネーゲリ鉗子 藤井知行
鉗子の種類
一般的な鉗子
特殊な鉗子
回旋鉗子
後続児頭鉗子
鉗子の構造
東大式ネーゲリ鉗子
3章 児頭下降度の評価と内診法 竹田 省
吸引・鉗子分娩の適位について
児頭最大周囲径
前方後頭位
前方前頭位
正軸進入・不正軸進入
胎児位置と先進部の表記法(東大式表記法)
station(DeLee)
骨盤誘導軸に基づいたtrapezoidal station(t-station)
日本産科婦人科学会の骨盤区分と総合的児頭下降度の評価法
ACOG との鉗子表記法の差異
4章 吸引分娩との差異 関 博之
吸引分娩の問題点 —文献的考察の視点から
吸引分娩の問題点 —産科医療補償制度・医療訴訟の視点から
1 児頭の高さを考慮せず,安易に吸引分娩を行っていること
2 何度も滑脱しているにもかかわらず,他の急速遂娩法を選択しないこと
3 その結果,長時間にわたり胎児にストレスをかける結果となること
4 急速遂娩術として吸引分娩を行っていながら娩出できないため,再度経過観察となること
ガイドラインの問題点
吸引分娩の高さと適応(要約を含む)
クリステレル胎児圧出法
吸引分娩と鉗子分娩の比較に関する報告
5章 鉗子分娩の特性・特徴 関 博之
鉗子の力学
鉗子分娩の適応と要約
鉗子遂娩の準備
器機
点滴
麻酔
陰部神経遮断麻酔
硬膜外麻酔
中在鉗子の確実性
分娩の見通し
6章 鉗子手術の手技:正常編 前方後頭位 関 博之
鉗子の構造と名称
鉗子手術を行う前に —内診の重要性
鉗子手術の実際
1 鉗子の擬持
2 鉗子の挿入
3 鉗子の合致
4 児頭の牽引
5 鉗子の抜去
6 母児双方の合併症の確認
7章 鉗子手術の手技:異常編 前方前頭位 関 博之
8章 鉗子手術の手技:異常編 斜径,横径の鉗子,後続児頭鉗子 竹田 省
斜径/横径
用手回旋
斜径
矢状縫合45 度以下の斜径
矢状縫合45 度以上の斜径
横径
後続児頭鉗子
9章 キーラン回旋鉗子手技 亀井良政
キーラン鉗子の特徴
キーラン鉗子の手技
1 前処置
2 内診
3 鉗子の擬持
4 鉗子の挿入
第1横定位の場合
第2横定位の場合
斜径の場合
5 鉗子の接合
6 鉗子の把持
7 試験牽引
8 回旋・牽引
9 鉗子の抜去
10章 鉗子手術の合併症・問題点 竹田 省
軟産道裂傷
分娩時出血増加
まれな合併症
児の合併症
11章 困難例と対処法 竹田 省
不成功例(failed forceps)
挿入困難例
牽引困難・滑脱例
12章 鉗子技術の指導・教育法 竹田 省
内診
1 自分の内診指を知ろう!
2 t-station の実測
3 産科的真結合線の推定
正常分娩経過の理解と模型による体得
鉗子の特性の理解
鉗子遂娩術には試験的施行(トライアル)がない
付属DVDについて
動画DVD「CGで見る鉗子手技の実際」
鉗子分娩 手あり(正面)(第2前方後頭位:東大式ネーゲリ鉗子使用)
鉗子分娩 手あり(側面)(第2前方後頭位:東大式ネーゲリ鉗子使用)