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IBSの診かたでお困りですか? 内科外来診療術

IBSの診かたでお困りですか? 内科外来診療術
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筆頭著者 田中 由佳里 (著)

南江堂

電子版ISBN 978-4-524-23059-4

電子版発売日 2021年1月25日

ページ数 188

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-524-22635-1

印刷版発行年月 2020年12月

DOI https://doi.org/10.15106/9784524226351

書籍・雑誌概要

困っている患者さんが多いにもかかわらず、「病因が複雑」「確定診断が難しい」「機能性疾患ってよくわからない」といった理由でついつい避けてしまいがちな過敏性腸症候群(IBS)の診療をやさしく解説。日頃多数のIBS患者を診ている著者が、最新の情報を踏まえた病態生理から、診断の手順、薬剤選択の考え方、IBS患者との向き合い方など、実際の臨床で役立つtipsを読み物風に紹介する一冊。

目次

【内容目次】
病態生理
 1 過敏性腸症候群(IBS)とはどんな疾患?
  過敏性腸症候群(IBS)とはどんな疾患?
  IBS患者は約6人に1人,若い人に多い
  発症のメカニズムは?
 2 なぜストレスがかかるとおなかを壊す?
  ストレス関連ホルモン:視床下部-下垂体-副腎皮質軸
 3 ストレス関連ホルモンは生物のアラートシステム?
  CRHは危機対応ホルモン!?
  人間社会とIBS
 4 脳と腸の神経交通網
  消化管と神経?
  IBSでは内臓知覚が亢進
  そして脳から腸への下行性神経
  腸と脳をつなぐ自律神経
 5 消化管粘膜では何が起こっている?
  IBS患者の消化管管腔は健常者と異なるらしい
  セロトニンの放出から神経刺激
  肥満細胞の伝達機構
  免疫関連物質と消化管粘膜
 6 食事の後のIBS腹部反応:刺激を分解してみよう
  IBSの食事後腹部症状「post-prandial symptoms」
 7 遺伝子研究最前線
  最近の遺伝子研究,手法の進化
  IBSと遺伝子多型
  IBSの網羅的解析の研究でみえてきたのは
 8 腸内細菌はIBSに関連しているの?
  腸内細菌とヒトの体:分類階級も知っておくべし
  腸内細菌の話をするときは,分類のレベルに注意
  IBSと腸内細菌
IBS診断・治療ストラテジー
 9 IBS?まずは器質的疾患の除外から
  例:半年以上続く「腹痛,下痢」が主訴の30歳,病院初診患者
 10 内視鏡検査はしたほうがいいの?(器質的疾患除外編)
  実は細菌性腸炎だった,ということも
  Collagenous Colitisもぜひ鑑別しておきたい
  施設の状況に応じて,検査順番の組み立てを
 11 内視鏡検査はしたほうがいいの?(消化管機能を「感じる」)
  「動き」と「感覚」は貴重な情報
  鎮静下内視鏡検査のススメ
 12 腹部エックス線像は情報の宝庫
  撮像タイミングで腹部画像は変化することも
  便が大腸にたまっているか,上行・下行結腸,さらに直腸ではどうか
  コロコロ便,もしくは水様便がみえるか
  大腸が狭窄まではいかないけど細い場合
 13 精神症状が影響していそう内科外来でどうすれば?
  IBSはメンタル疾患?
  「眠れていますか?」と聞いてみる
  IBSと過干渉,虐待:「なんか違うなあ」と感じたら
 14 性別も含めた問診のピットフォール
  肛門関連の話は出てきにくい
  婦人科系疾患除外も頭の片隅に
  検診情報も時に重要
 15 小児のIBS疑いをみたら
  登校拒否かどうかは慎重に
  小児IBSを疑うときの診察・検査
  小児外科的疾患も鑑別に
  たまにみられる内分泌異常
 16 基軸となる薬剤の選定
  症状を因数分解
  まずは軸となる薬の選別
  薬剤間の比較
 17 もう少し薬剤を調整したい
  さあ次はどうするか
  基本的には抗コリン薬に頼りすぎない,でも時に有用なことも
  高分子重合体はおむつの吸水ポリマーをイメージして使う
  消化管運動改善薬
  プロバイオティクス
  漢方薬
  サブタイプ別の便性状調整
  精神科系薬剤について
 18 便秘と便秘型IBSに混乱.見分けるポイントは?
  「便秘」の治療がうまくいかない:機能性便秘と便秘型IBS
  歯磨き粉チューブに例えるなら
  便秘型IBSに腸管運動を促進する薬剤は悪影響なことも
 参考症例集
臨床Q&A
 19 IBSのために,仕事や学校に支障が出ています
  IBSとQOL
  仕事や学校など日常生活に,IBSが大きく影響してしまうことも
 20 IBSに悪い食事ってある?
  患者の「自己解釈」
  IBSと食べ物で知っておきたいこと
 21 睡眠はIBSに関係しますか?
  睡眠不足だとIBS症状が出やすい?「脳(神経)」の観点からIBSと睡眠をみてみる
  セロトニンとメラトニン
  交感神経活動と睡眠・IBS
 22 感染性腸炎後も腹痛と下痢が続くのですが
  細菌性腸炎後にIBS症状が遷延することがある
  PI-IBSの定義
  PI-IBSの概念が広く知られるきっかけになったWalterton水害
 23 IBSは遺伝するの?
  双子研究でみえてきたこと
  「遺伝的要因,環境的要因が影響し合う」って?
 24 月経前におなかが痛くなりやすい?
  性ホルモンはコルチゾールと関連がある?
 25 痔がつらいんです
  そもそも「痔」の有病率は?
  実はIBSでも痔で悩む人はけっこういる
  外来でさらっと一言
  実はOTCで相当売れている痔核の薬
 26 ITを使ったIBSサポートを目指して
  スマホアプリ「おなかナビ」
  玉石混交のウェブ情報と,それに助けられた1人の高校生
  「おなかナビ」のリリース,24時間いつでもどこでも
  さらに「おなか手帳」アプリへ
  今後のITと医療,リアルタイムで起こる世界の大変革
あとがき
索引