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症候別漢方治療論
冷え症
筆頭著者 石毛 敦 (編著)
横浜薬科大学教授
その他の著者等 西村甲 編著
南山堂
電子版ISBN 978-4-525-98095-5
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 133
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-525-47061-6
印刷版発行年月 2014年5月
書籍・雑誌概要
西洋医学では治療対象とならない「冷え」に男女関係なく悩む人は多い.本書は「冷え」に保険適用のある漢方薬を中心に,患者の特徴をカラーのイラストで表し,さらに症例を提示することで,どのような患者にどのような漢方薬を使えばよいかをイメージできるようにまとめた.漢方薬を苦手とする方でも理解しやすい内容となっている!
目次
第1章 漢方治療入門
1 西洋医学からみた冷え症
2 冷え症の漢方治療
3 気血水理論による漢方薬の選択
『気分変調(+)』の処方選択
『気分変調(-)』の処方選択
『新陳代謝の低下』の処方選択
『胃腸機能の低下』の処方選択
『血液循環障害』の処方選択
『体内の水分貯留』の処方選択
『のぼせ(気の上衝)』の処方選択
『ストレス(気の滞り)』の処方選択
第2章 漢方治療の実際
❖「冷え」の適応がある漢方薬
温経湯
○患者の特徴:手掌がほてり,月経困難を訴える下腹が冷える人
加味逍遙散
○患者の特徴:多愁訴あるいは愁訴が移り変わる更年期症候群や月経不順の人
桂枝茯苓丸
○患者の特徴:冷えのぼせのある月経困難症の人
五積散
○患者の特徴:寒冷と湿気により痛みが増強する人
四物湯
○患者の特徴:手足が冷え,皮膚が荒れている貧血の人
十全大補湯
○患者の特徴:全身が衰弱し,食欲がなく,元気がなく顔色も悪い人
人参養栄湯
○患者の特徴:気力体力の衰え,顔色不良,動悸,不眠,健忘を訴える人
半夏白朮天麻湯
○患者の特徴:胃腸が弱く冷え症で頭痛やめまいを訴える人
苓姜朮甘湯
○患者の特徴:下半身に水が滞り,あたかも水中に座っているような冷えを覚える人
❖「冷え」となる要因を改善する漢方薬
KeyWord『新陳代謝の低下』
真武湯
○患者の特徴:体力が衰え,全身倦怠感,めまい,浮腫,下痢などを伴う冷え症の人
八味地黄丸
○患者の特徴:疲労倦怠して,トイレが近く,腰痛を訴え,冷えがあるにもかかわらず手足のほてりも感じるような人
附子理中湯
○患者の特徴:みぞおちがつかえ,胃痛や下痢があり冷えがはなはだしい人
麻黄附子細辛湯
○患者の特徴:虚弱者や過労などで体力低下時にかぜをひき,全身倦怠感,強い寒気を訴える人
KeyWord『胃腸機能の低下』
桂枝人参湯
○患者の特徴:胃腸虚弱でお腹が冷え,みぞおちにつかえ感があり,頭痛を訴える人
呉茱萸湯
○患者の特徴:手足の冷えを強く感じる強い頭痛持ちの人
小建中湯
○患者の特徴:冷え症で胃腸が弱く,虚弱体質で疲れやすい人
大建中湯
○患者の特徴:冷えることでお腹が痛み便秘あるいは下痢の人
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
○患者の特徴:虚弱体質で冷え症,冬にはしもやけができやすい人
人参湯
○患者の特徴:虚弱でお腹の冷えを訴える,みぞおちにつかえ感のある人
KeyWord『血流循環障害』
桃核承気湯
○患者の特徴:冷えのぼせのある便秘症で月経困難症の人
当帰芍薬散
○患者の特徴:虚証で顔色が悪く,冷えが強い浮腫やめまいのある人
KeyWord『体内の水分貯留(浮腫)』
苓甘姜味辛夏仁湯
○患者の特徴:冷え症で浮腫があり,冷えることで水様性鼻汁が出て,熱や頭痛など(表証)のない人
苓桂朮甘湯
○患者の特徴:めまい,ふらつき,動悸のある足の冷たい人
KeyWord『のぼせ(気の上衝)』
桂枝加竜骨牡蛎湯
○患者の特徴:虚弱なために身体は冷え,疲れているがために神経興奮をきたしている人
KeyWord『ストレス(気の滞り)』
四逆散
○患者の特徴:感情を外に出すことができず内にうっ積することでイライラする,手足に冷感のある人
抑肝散
○患者の特徴:虚弱な体質のため気持ちが高ぶってイライラしている人
参考文献
付 録 漢方用語解説
医療用漢方製剤を取り扱っている主な製薬会社
索 引