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漢方を交えた医療論

和漢診療学からの提言

漢方を交えた医療論
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筆頭著者 寺澤 捷年 (著)

医学書院

電子版ISBN 978-4-260-65741-9

電子版発売日 2024年12月2日

ページ数 240

判型 A5

印刷版ISBN 978-4-260-05741-7

印刷版発行年月 2024年11月

DOI https://doi.org/10.11477/9784260657419

書籍・雑誌概要

「漢方ならこう考える」という視点からまとめた現代医療への提言書

日本の漢方医療の第一人者が、50年余東西両医学を活用する臨床医として活躍する中で見えてきた「漢方と科学の関係」や「理想とする医療の姿」について記した書。本書では、東西の壁を取り除き、漢方の知恵を活用する医療論を読者に説いている。より良き日本の医療を願う著者の熱い想いが込められた必読の1冊。

目次

はじめに

第1章 医療の本質
 第1節 医療を論じる前に
 第2節 医療と何か? 医学=医療ではない
 第3節 医療を実践する医師の人間力

第2章 漢方も交えて医療を考える
 第1節 自然治癒力にもっと注目しよう
 第2節 心と身体は一つ
 第3節 陰陽という見方、考え方
 第4節 触診の大切さを見直そう
 第5節 腹診の具体的な方法
 第6節 縦割り医療の弊害は国民に行き渡っている
 第7節 木を見て森を見ず──還元主義の宿命

第3章 漢方と科学を考える
 第1節 漢方と医学の歴史
 第2節 還元主義と複雑系
 第3節 漢方は効くのか? その有効性の評価
 第4節 クスリの有効性を高める方法を探そう

第4章 漢方の診断と治療、そして死生観
 第1節 COVID-19後遺症に対する漢方の診断と治療の実際
 第2節 漢方診療の実際、自覚症状の重視
 第3節 漢方の死生観とACP(Advance Care Planning)

第5章 医学教育と漢方
 第1節 初期研修医へのインタビュー
 第2節 そもそもモデル・コア・カリキュラムはどうしてできたのか
 第3節 医師国家試験と漢方
 第4節 漢方教育を担う人材の育成と教員選考の問題点

第6章 漢方を取り入れた医師たちへのQ&A
 第1節 なぜ漢方を学ぼうと思ったのか
 第2節 研修医の皆さんへのメッセージ

第7章 印象に残った症例

第8章 漢方と社会 現状と将来展望
 第1節 新たなエキス製剤を保険適用にしたい
 第2節 エキス製剤の効能効果の見直し
 第3節 漢方エキス製剤、供給の問題
 第4節 漢方と医療経済、将来の展望

第9章 日本型医療システムの提案
 第1節 新たな医療を構成する諸要素
 第2節 かかりつけ医機能の発揮と漢方
 第3節 漢方とポリファーマシーの困った現状
 第4節 総合診療科に期待するもの
 第5節 第一一改訂・国際疾病分類(ICD-11)の意義
 第6節 もう一つの伝統医学、鍼灸について
 第7節 日本型医療システムの提案

おわりに
索引

コラム
 気虚の診断基準 ICD-11
 治ろうとしない患者。疾病利得の話
 意地悪な医師会員
 扱いにくい患者・人格病
 上部消化管内視鏡の際の看護師さん
 直観こそが生命の本質を捉える
 一八〇〇年前の『傷寒論』には感染症に伴う症状が多数記されている
 アナログ認識とデジタル認識