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てんかんの手術の正しい理解
筆頭著者 三原 忠紘 (著)
元 静岡てんかん・神経医療センター診療部長
南山堂
電子版ISBN 978-4-525-98060-3
電子版発売日 2016年6月6日
ページ数 115
判型 A5
印刷版ISBN 978-4-525-24171-1
印刷版発行年月 2013年10月
書籍・雑誌概要
一生薬を飲み続けなければならないといったイメージすらあるてんかんだが,正しく適応を選べばてんかんの外科手術は非常に有効である.本書は,外科治療への不安がある医師そして患者本人や家族へ向けて,その適応や効果,合併症の危険など,てんかんの外科治療を正しく活用してもらうための情報をわかりやすく提供した一冊となっている.
目次
序章 日本のてんかん外科の現状
1.手術症例の数
2.包括医療の必要性
第1章 てんかん外科の歩み
1.てんかん学の夜明け
2.脳波の発見
3.CTの出現
4.日本の場合
第2章 てんかんとは何か
1.てんかん原性の形成
2.てんかんの定義
3.てんかんの分類
第3章 てんかんの発作症状
1.てんかん発作の分類
2.大脳の機能局在
3.手術と関連した主な発作症状
a 側頭領域から始まるもの
b 前頭前部領域から始まるもの
c 中心溝周囲領域から始まるもの
d 後部皮質領域から始まるもの
e 全般性の発作
第4章 てんかんの手術とはどういうものか
1.切除外科
a 病変切除術
b 皮質切除術
c 脳葉切除術
d 大脳半球切除術
e ガンマナイフ
2.緩和外科
a 軟膜下皮質多切術
b 脳梁離断術
c 迷走神経刺激療法
第5章 手術の対象になるてんかん
1.内側側頭葉てんかん症候群
2.限局性の病変による部分てんかん
a 大脳皮質形成障害
b 腫瘍性病変
c 血管奇形
d スタージ・ウェーバー症候群
e 結節性硬化症
f 視床下部過誤腫
g その他の限局性病変
3.一側半球の広範な病変による部分てんかん
a 片側けいれん片麻痺てんかん症候群
b ラスムッセン症候群
c 片側巨脳症
4.器質病変を認めない部分てんかん
5.一部の症候性全般てんかん
a ウエスト症候群
b レノックス・ガストー症候群
c ランドー・クレフナー症候群
d ミオクロニー失立発作てんかん
e 乳児重症ミオクロニーてんかん
第6章 手術適応の考え方
1.てんかんであることの弊害
2.薬物治療の限界
3.手術対象のグループ分け
4.手術のリスクとベネフィット
5.個別的な評価
6.包括的な医療施設との連携
第7章 検査と手術の進め方
1.ステップ1
a 発作間欠時の脳波と脳磁図
b 発作の記録・観察
c 画像診断
d 心理学的・精神医学的評価
2.頭蓋内脳波
a 電極の種類
b 頭蓋内脳波の実際
3.基本的な外科戦略
a ステップ1の評価と方針
b 内側側頭葉てんかん症候群の場合
c 器質病変が検出された症例の場合
d 器質病変を認めない症例の場合
e 全般てんかんの場合
f 手術の対象から除外されることがある症例
4.小児の手術の特殊性
第8章 手術して心配なことは何か
1.頭蓋内脳波の合併症
2.手術の合併症
3.手術に伴う機能障害
a 中心溝周囲領域の手術
b 前頭前部領域の手術
c 後部皮質領域の手術
d 側頭領域の手術
e 大脳半球切除術
f 脳梁離断術
第9章 手術で発作やQOLはどの程度よくなるか
1.術後発作の評価
2.長期の発作予後
3.QOLの改善
第10章 術後ケアの重要性
1.定期的な経過観察
2.再手術の可能性
3.心理・社会的側面
4.術後の薬物治療