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痛みの内科診断学
筆頭著者 鍋島 茂樹 (著)
福岡大学病院 総合診療部
南山堂
電子版ISBN 978-4-525-98376-5
電子版発売日 2021年4月12日
ページ数 144
判型 B5
印刷版ISBN 978-4-525-21241-4
印刷版発行年月 2020年5月
書籍・雑誌概要
“痛み”を内科診断学の最重要症候と捉えて診断に活用する新たな診断学の意欲作!筋骨格系や内臓疾患からくる痛み,心の痛みなど多様な痛みから患者は内科外来を訪れるが、痛みの性状に耳を傾ける(「痛みの由来分類」で考える)ことで病態の理解を深め正しい診断を導くことができる.診断の要点を症例をまじえて解説した痛みの教科書.
目次
■chapter 1 痛みからの問い?内科医はどう答えるか?
1.内科医が痛みを診るということ
A.痛みの患者は多いか?
B.内科医は痛み診療が苦手
2.痛みの2つの意義
A.危険回避装置
B.脳内イメージ
3.痛みの定義
4.痛みへのアプローチ
■chapter 2 痛みのメカニズムを知る?痛みはどこから来てどこへ行くのか?
1.痛み神経の成り立ち
2.痛みの旅路
A.旅の始まり〜侵害受容器〜
B.旅の乗り物〜末梢神経の活動電位〜
C.旅の中継点〜脊髄後角での痛みの受け渡し〜
D.終着駅〜中枢神経(脳)〜
3.下行性疼痛抑制系
4.まず炎症から始まる
A.戦いの始まり〜血管の反応〜
B.兵士の遊出〜白血球反応〜
C.敵との戦い〜起炎因子の排除〜
D.戦いの終わり〜炎症の制御と修復〜
E.炎症における疼痛の発生
■chapter 3 痛みを分類する〜痛みの由来を考えよう〜
1.痛みの由来分類①:炎症
A.急性痛
B.慢性痛・反復痛
2.痛みの由来分類②:内臓
A.内臓痛
B.関連痛
C.体性痛
3.痛みの由来分類③:神経
A.神経障害性疼痛
1 mononeuropathy(単神経障害)
2 polyneuropathy(多発神経障害)
B.絞扼性末梢神経障害
4.痛みの由来分類④:筋
A.筋と筋膜
B.筋硬直は痛みを増強する
5.痛みの由来分類⑤:脳
A.中枢性疼痛
B.心因性疼痛
coffee break 2人の巨人
■chapter 4 痛みを診断する〜問 診〜
1.問診(医療面接)
A.問診するにあたって
1 主 訴
2 信 頼
3 質問形式
4「3つのキョウ」
B.痛みのOPQRST
1「O」(onset)
2「P」(palliative and provocative factor)
3「Q」(quality and quantity)
4「R」(region and radiation)
5「S」(associated symptom)
6「T」(time course)
C.カルテに記述する
2.問診による初期診断
A.診断するとは何か
B.鑑別をあげる
coffee break 痛みの体験記〜虚血性大腸炎〜
■chapter 5 痛みを診断する〜身体診察と検査〜
1.身体診察でおさえておくこと
A.痛みの身体診察の原則
1 痛む部位をよく見る
2 痛みを再現する
B.バイタルサイン
2.一般診察と一般検査
A.頭 部
B.頸 部
1 咽喉頭
2 頸部リンパ節
3 甲状腺
4 後頸部
C.胸 部
1 筋骨格系
2 肺疾患
3 狭心症,急性心筋梗塞
4 大動脈解離
D.腹 部
1 視 診
2 聴 診
3 打 診
4 触 診
5 圧 痛
6 筋硬直と反跳痛
7 直腸診,その他
E.腰背部
1 下肢に麻痺や痛みがある腰痛
2 下肢に痛みがない腰痛
F.四 肢
1 四肢の解剖
2 関節痛
3 神経痛
coffee break 痛みの体験記〜ぎっくり腰〜
■chapter 6 痛みを癒す〜内科医による痛みの治療〜
1.痛みに用いる薬
A.炎症の抑制
1 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
2 ステロイド
B.活動電位の抑制
1 Naチャネル・ブロッカー(Naチャネル遮断薬)
2 Caチャネル・ブロッカー(Ca拮抗薬)
C.疼痛抑制系の賦活
1 アセトアミノフェン
2 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)
3 三環系抗うつ薬
4 オピオイド
D.漢方薬
1 治打撲一方
2 麻杏薏甘湯
3 桂枝加朮附湯
4 呉茱萸湯
5 四逆散
6 八味地黄丸
7 葛根湯
2.トリガーポイント注射
A.トリガーポイント注射とは
B.トリガーポイント注射の実際
1 対 象
2 トリガーポイント
3 手 技
4 効 果
3.痛み治療の流れ
A.急性痛
B.慢性痛
coffee break 漢方との出会い
■chapter 7 痛みの症例集〜その痛みにどう対処するか〜
症例1 不安と直感
症例2 しびれか痛みか?
症例3 ヘントウに窮する
症例4 関節の内と外
症例5 走る頭痛
症例6 見えぬホウシン
症例7 奥が深い腹痛
症例8 帰宅可能な急性腹症
症例9 涙の頭痛
症例10 男性特有の下腹部痛
coffee break Killer painの一撃
おわりに
索 引